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純愛  作者: LXXXVII
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1、主人公side(1年前)

ドラマや漫画では桜が満開だけれど、現実はもう散ってしまっている4月10日。僕は恋をした。

その日は入学式だった。クラス発表の紙を見ている生徒の中に、ひと際綺麗な女の子を見つけた。

栗色の瞳。横を通ればふんわりといい匂いのしそうなサラサラの茶髪。透き通るように白い肌。クラス名簿を見つめる凛とした横顔。

一目惚れだった。一瞬だけでもいいから、彼女の瞳に映りたいと思った。初めて見たのにね。


教室に入ると、そこに彼女の姿はなかった。

クラスが違ったのだ。

僕は絶望した。


僕は憂鬱な気持ちで帰路に着いた。

すっかり日が暮れて暗くなった景色は、気持ちが沈んでしまった僕の心を表しているみたいですごく不愉快だった。


1年生が入学して3日、初めての授業があった。1時間目と2時間目は選択授業だった。毎週火曜日に2時間、隣のクラスと合同である予定だ。

そこで彼女を見た。

運命だと思った。

彼女は、僕と同じ書道を選択していたのだ。


彼女に話しかけてみたい。

運のいいことに、彼女とは前後の席で、最初に話しかけるには環境は最高だった。


「た、田中さんだよね?よろしく…。」

僕はしどろもどろになりながらも、話しかけてみる。彼女は一瞬きょとんとした顔をしたが、

「初めまして。今日からよろしくお願いします。」

と、微笑んでくれた。

最近の異常気象で発生する線状降水帯も、ダブルで発生するような台風もすべて吹き飛ばしてしまうような、明るい笑顔だった。


こんな素敵な笑顔を、なんとも思っていない男に見せるはずがない。

きっと彼女も僕のことが好きなのだ。

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