くものルビー
まっくろでよかった
まっくろがよかった
ぼくには、ルビーがあるから
「ヘンリー、そのルビーの指輪いいね」
「いいだろ?ボブ」
ぼくは カラスのヘンリー
たった いちわのカラス
しろいはとにまぎれた カラス
「ぼくもほしいなぁ」
「ボブにも いつかみつかるさ」
かれは はとのボブ
たった いちわのゆうじん ボブ
カラスをたすける しろいはと
「きょうもおどるの?」
「うん、月のダンスはさいこうさ」
「そうなんだ」
「ルビーが赤くひかるんだ」
「よるなのに?」
「そうなんだ」
「ふしぎだねぇ」
「あぁ、さいこうのきぶんさ」
「いいなぁ」
きょうは まんげつのひ
つきがてらす 赤いルビー
ぼくがうまれる ダンスのひ
「きょうは くうきがさいこうだ」
「きょうなら いけるきがする」
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
ルビーは赤く
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくは黒く
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
月はまんまる
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
……
「あぁ、いけるきがする」
「なれるきがする」
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
ルビーは赤く
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくは白く
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
月はまんまる
……
「おーい、ヘンリー」
「……」
「ちょうしはどうだい?」
「……」
「ヘンリー!?」
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくは白く
「ヘンリー、どうしたんだよ!?」
「……」
「からだが しろくなってるじゃないか!?」
「ボブ…」
「どうしたの?」
「もうすぐゆめがかなうよ」
「ゆめ?」
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくは白く
「きみのゆめって…」
「ぼくは まっしろなはとになりたい」
「きみはきみでいいじゃないか!!」
「それがぼくのしんのすがた」
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
ルビーは赤く
「ヘンリー、なんかへんじゃない?」
「ヘンリーじゃないよ」
「えっ…」
「ぼくはルビーだよ」
「ルビー?」
「うん、ぼくははとのルビー」
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
月はまんまる
「ヘンリー、そのルビーはずしなよ」
「ルビー?」
「うん、それがおかしいよ」
「いやだね」
「なんで…」
「これがぼくだからさ」
ルンタッタ ルンタッタ
ルンタッタ ルンタッタ
フクロウはとびだす
「なにすんだよ」
「ホーホーホー」
ぬきとられた 赤いルビー
ぬきとられた 白いはと
のこったのは 黒いかお
「ヘンリー…」
「ぼくはいったい…」
「もどったの?」
「うん、もどったけど」
「からだがまっしろだね」
「うん、でも、かおはまっくろ」
「そうだね」
「みっともないよ」
「ホーホーホー」
くものそとから フクロウさん
まっくろな フクロウさん
くちにくわえた 赤いルビー
「ぼうや、ひさしぶりじゃないか?」
「フクロウさん…」
「しりあい?」
「うん、かれからこのルビーをもらったんだ」
「そうなんだ」
「このルビーがほしいかい?」
「それは…」
「これはきみのルビーだ」
「でも…」
「こわいかい?」
「はい…」
「ホーホーホー、わかった、わかった」
「?」
「これはきみにあげよう」
「でも…」
「だいじょうぶ、これは くものルビーだからね」
くもをとびだった フクロウさん
まっくろな フクロウさん
とおくへきえた フクロウさん
「くものルビー…」
「どういうことだろ?」
「わからない…」
「ルビーはどこでみつけたの?」
「くものなかから」
「くものなかに かえしたらいいんじゃない?」
「でも、これはぼくのルビーだから」
「くものルビーって、いってたじゃん」
「それは…」
「ぼくのルビーで、くものルビーじゃん」
「そうだね」
くもにもどった 赤いルビー
ひかりのきえた 赤いルビー
ぼくとつながる 赤い糸
「ヘンリー、ルビーとつながってるよ」
「ほんとうだ」
「これでルビーといっしょだね」
「そうだね、でも…」
まっしろな はとのからだ
まっくろな カラスのかお
ぼくのなまえは ヘンリー
「ぼくは みにくいとりになっちゃったよ」
「それは…」
「とりかえしがつかないよ」
「ヘンリー…」
「どうしよう…」
「ぼくといっしょにおどらない?」
「でも…」
「もう きみのルビーじゃないから、だいじょうだいぶだよ」
「そうかな…」
「うん、おどればたのしいよ」
「そうだね」
ルンタッタ ルンタッタ
月はまんまる
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくときみのダンス
ルンタッタ ルンタッタ
ルビーは赤く
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくも赤く
ルンタッタ ルンタッタ
炎のように赤く
ルンタッタ ルンタッタ
赤く赤く燃えあがる
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくは火の鳥
ルンタッタ ルンタッタ
ぼくはヘンリー




