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episode2 金髪の男


「さぁ、いくら入っているかな。」


机の上に置かれた鞄から革製の財布を取り出しながら、金髪の男は言う。


「チッ。たったの10000エルかよ。」


手に持っている現金をぬかれた財布をゴミ箱に捨てる。


「まだ、1個目じゃないか、こんなにあるんだ。焦るなよ。」


金髪の男は目線を鞄からジョシュアの方にうつす。


「おいおい。何事も幸先が良くなかったら、ダメだろ。せっかくこの中で一番金が入ってそうな財布を選んだのによぉ。最低でも20000エルは入ってて欲しかったぜ。」


そして、再び金髪の男は鞄の方に目線を戻した。


「そう落ち込むなよ。ギベット。」


ジョシュアも財布を1つ手にしていた。


その財布は先程の財布とは違い、いかにも普通な、何の変哲もない財布であった。


その財布を見たギベットは言葉をはなつ。


「なんだぁ、その財布。お前、そんな財布も盗んできたのか、もっと金が入ってそうな財布盗んでこいよ。」


「だから、盗んできたんだ。」


「?」


ギベットは不思議そうな顔をうかべる。


ジョシュアはその財布をひらき、中に入っている金を取り出す。


「ほら。」


ギベットに見せつけるかのように差し出した手には、20000エルが握られていた。


「幸先いいだろ?お前がさっき言っていた20000エルだぞ。」


だが、20000エルを見たギベットは喜びはしなかった。


「やっぱり幸先悪ぃじゃねぇかよ。」


ギベットは財布の入った鞄を一瞥すると、再び口を開く。


「ジョシュア、お前も知っての通り俺は見る目がない。」


自信満々に自身の情けなさを口をにする。


それは、ジョシュアも知っていのか、その言葉に頷いた。


「20000エルはそんな俺が見つけるから幸先がいいんだ。俺より見る目があるお前が、この財布の山から見つけた財布に20000エルしか入っていなかったら、幸先悪いだろ。」


ギベットの言った通りであった。その後、全ての財布の中身を確認したが、財布内の金額で20000エルを超えるものは見つからなかった。


全ての財布を確認し終えたジョシュアとギベットは机をまたいで、椅子に座っている。


「やっぱり、大した金ははいってなかったな。」


木でできた椅子の背もたれに持たれながら、座っているギベットが言った。


「まぁ、いいじゃないか、本命があるんだから。」


はんたいにジョシュアは椅子の背もたれに背を付けずに座っている。


「そうだな。」


天井に目を向けていたギベットは目の前に座っているジョシュアのほうに目を合わせる。


「それで、鍵は本当にあるんだろうな?」


「間違いなくあるさ。それに、鍵以外のものも。」


ポケットに手を入れたジョシュアはポケット内にある鍵を手に取ると、それを自身の目の前まで持ってきた。


その鍵の色は金色であり、下部はウォード錠のような形をしていて、上部には赤く丸い水晶のようなものがついていた。


ギベットは右手をジョシュアのほうに差し出し、鍵を受け取ると、その鍵をまじまじと見つめる。


「今見ても信じらんねぇぜ。こんな鍵を7個集めて、扉を開いたら、願いが叶うなんてよ。」


「だけど、信じるんだろ?」


「そりゃあ信じるさ。なんたってこんな力を手に入れちまったんだからな。」


二人は一人(ポイントゥギャザー)


ギベットが何か呟くと、左手にはいつのまにか1と2が描かれたコインのようなものが1枚ずつ計2枚あった。


「ほら、これはお前が持っていた方が安全だ。」


持っていた鍵をジョシュアにわたす。


ジョシュアは渡された鍵を再びポケットの中にしまった。


「それで、5日後だろ。カストロ家から鍵を奪いとるのは。」


その問いにジョシュアは頷く。


「そのためにも仲間に会いに行かなくちゃいけない。」


その時だった。


バンッ。


木でできた扉が勢いよく吹っ飛んできた。


そして、扉のあった場所には1人の大男とその後ろに4人の男が立っていた。


「やっと見つけたぞ。1週間前に俺らからとった金とお前らの命を奪いにきたぜぇ。」


ジョシュアとギベットに銃を向けながらその大男は叫んだ。












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