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7.どうやら彼は上手くやっているみたいだ-感じの良さそうな人だよね-

全42話予定です


曜日に関係なく毎日1話ずつ18:00にアップ予定です(例外あり)

※特に告知していなければ毎日投稿です

 ゼロゼロとゼロワンは、ローラーで滑るように制圧した横須賀基地から横田基地へと向かっていた。上空には頼もしい味方がいる。


 そしてそれらは飛来した。


 敵の迎撃機である。


 だが、そこはサンドの乗る最新鋭機である三五FDIが率いている部隊だ、もちろんゼロゼロ、ゼロワンとのリンク状態も確立しているのでそうそう弾を喰らう事もない。そしてここは日本、つまり帝国にとっては最前線ではない地方だ。そこに配備されている戦闘機部隊も、また練度が低いのは想像に難くない。


「一気に片付けるぞ」


 のサンドの一言から数分後、上空は静かになった。


「どうやら彼は上手くやっているみたいだ」


 カズがレイリアに話しかける。


「パーティーの時に挨拶に来た人でしょ? 感じの良さそうな人だよね」


 もう敵の識別圏内だ、武装のチェックをしながらそう答える。


「これからも彼とは仲良くやって行きたいものだよ」


 カズも準備が出来ていた。


「よし、さっきのとおり相手を挟撃に追い込もう。ここは地上部隊はほとんどいない筈だけど念の為注意して」


 そう言いながらもゼロゼロのディスプレイには敵機械化部隊と思われる車両が映る。


「多数対一には出来るだけならないように、こちらが挟撃をかけよう」


 その言葉通りの指示がゼロゼロからゼロワンに出る。


 その指示を、


「了解、扇形に責めるんだよね」


 レイリアが受ける。


 ひし形の大地の下からある程度線上にそって進み、そこから中央部に囲うように攻め落としていく。途中、敵戦車が波状攻撃をしてくるが、相手とこちらでは練度が違う。もちろん、相手の射撃装置だって近代化がされているのではあろうが、それを補っても有り余る性能差、しいては練度差というところか。次々に相手車両を戦闘不能に持ち込んでいく。


 対してこちらの損害はやはり被弾が一か所だけである。それもリアクティブアーマーが生きている部分だったので、実質ゼロダメージである。


 ――まぁ、これくらいの戦力に手こずっていてはダメなんだけどね。


 カズがそう思う理由、それは今までの戦績に加えて改修された分の上乗せがある、という事なのだ。


 ただでさえ第一世代の、コアユニットを搭載していた時でさえ、複数ユニットいたとはいえ一、二週間でどれだけの戦車群をくず鉄に変えてきたか。もちろん被弾もしたし、危ない事もありはしたが、それでも彼らはこうして別の戦線に投入されている。それだけ戦績が大きいという表れなのだし、だからこその今回の作戦である。


 本来なら大隊規模の車両群を投じて攻め落とすのがセオリーなこの戦場に、あえて主力の陸上兵器はレイドライバー単機の投入という、一見すると無謀ともとれるこの作戦が承認され実行されたのはそういう事なのだ。


 つまりそれだけ[敵なし]という事になる。それ程にこの人型兵器は戦局を一変させた。だが、それは帝国も同盟連合も、もしかしたら共和国だって同じのはずだ。だからそこ帝国のレイドライバーに神経をとがらせざる負えない。


 本来ならワンワン、ワンツー共に連れてきたかったのをあえて置いて来なければならなかったのはそういう理由である。アルカテイルは同盟連合にとって、既に絶対に落されてはならない土地なのだ。


「ゼロワン、そっちはどう?」


 カズがレイリアを呼ぶと、


「今更なんだけど、本当にこのシステムってすごいね。お姉……完全な改修じゃあないのにここまで自分の身体みたいに操れるなんて」


 ――それはきみのお姉さんを褒めてあげて。


 レイリアの機体は、他のトリシャやクリスたちと違って肉親が、姉と弟が中にいるのだ。そして実質的に操縦しているのは姉のジャズリンなのだから。


「その様子だとほぼ片付いたみたいだね。残弾は?」


「まだ四割くらいあるけど?」


 素直な疑問が返って来る。


 ――ここはやっておかないとね。


「ガトリング砲に装備を替えて、あとは分かるよな?」


 少しの沈黙のあと、


「うん、大丈夫。こんな汚れたあたしが今更だもん。そして、カズが汚れたあたしを受け入れてくれたんだもん、大丈夫」


 そういって目的の施設に弾をバラまいた。


全42話予定です



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