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フェアワールド  作者: 結城彰
1章 始まり
5/6

1章 4話 「才能」

お久しぶりです。書く気力が失せてた+忙しかったので久々の投稿になってしまいました。よろしくお願いします。

視界が真っ暗だ。

自分の意識はなんとなく分かってきた物の、上手く体が動かせない。

いや、今僕は意識しか覚醒してないみたいだ。

僕はさっきの天秤で起こった出来事を思い出していた。あの天秤は何だったのだろう。

天秤も不可解だけど、パパ、じゃないや、ゼノアの使ってた銀色に光る剣も不思議だった。そしてキメラの造形をしたモンスター。あの怪物、爪なんて飛ばせるんだ。

「明らかに元いた地球ではないな…」

僕が前に生きていた地球では魔法とかドラゴンとか神話の生き物とかはゲームくらいでしか見たことが無かった。間近に不思議な生き物を見てちょっと興奮した。

「僕は前生きてた地球で死んでから、別の惑星にでも来たのかな?」

まるで漫画のような世界観、いや、その通りの世界、ファンタジーと言っても差し支えない。

と、もの思いに耽っていると、ふわふわと浮遊感あるこの世界の端っこから眩しい光が溢れてきた。

「うわ、眩しい…」

眩しい光がどんどん大きくなっていくのをただ眺めながら、思った。

「なんか、面白くなりそうだな」

そうして眩しい光に自分の身が包まれていった。

「ハッッッ!」

「ひぃゃ!」「うわっ!」

突如僕は目を覚ました。少しずつ明けていく視界。だが見えている部屋は知らない部屋だった。

「ファーリーちゃん!!」「ファーリー!!」

「ぐわっ!!」

突然自身に何かが飛んできたと思ったら、パパとママだった。

「ありがとうファーリーちゃん!ごめんね…!」

「すまなかったファーリー!パパの落ち度だ、ほんとにママを守ってくれてありがとう…!」

突然抱き付いてくるわ訳の分からないことを吹っ掛けられるわで自分の頭の整理が付かない。と思ってふと、

「あれ?」

自分の左手にあるはずの何かがないことに気付く。

恐る恐る自分の左手を見て…

「……。」

一瞬、あっけに取られた。

自分の左手の指が4本しかない。

薬指だけ、他の指と違い空白が出来ている。

血が出てる訳でも、肉の断片がある訳でもなく、ただ、あるはずだったのに、くっきりと、ない。

「だ、大丈夫…か…?ファーリー…。」

パパの声は届いているのだが、僕は視界にある左手の薬指(があった場所)から目が離せずにいた。すると、

「お、君の所の坊主、ちゃんと目を覚ましたようだな」

知らない声が聞こえて警戒心の取れてない僕はスッと顔を上げてその方向を睨んでしまった。

「いやいや、こんなに小さな子が知らない人を警戒する、良く教育がなってるんじゃないかい?ゼノア」

………

「色々と迷惑をかけてすまなかった、ジェームズ」

「それはこっちのセリフさ、ゼノア。こっちからの連絡が早けりゃ、事前に魔獣がいることを知らせることが出来たんだから」

あの後パパがこのおじさんを紹介してくれた。

ジェームズさん。測定士という職業をしている人らしく、昔からのパパの親友らしい。

「んでもほんと、驚いたよ。ここら辺でも4m越えの大きな魔獣、中々見ないからびっくりしたよ」

そう語るジェームズさん。僕はさっきの薬指のショックといいジェームズさん含めた警戒心といい、精神的な疲労のせいで上手いこと話せずに黙ってしまっていた。

「ファーリーがいなかったらうちの女房がどうなってたか、想像しただけで恐ろしい…私の落ち度だった、深く反省している」

「ファーリーちゃん、ほんとにありがとうね。ママ、ファーリーちゃんに助けて貰っちゃったわ」

そう話すパパとママだったが、僕はどうやってママを助けたのか整理出来ずにいた。

そしてようやく重い口が開く。

「ジェームズさん」

「何だい?」

「天秤って…何?」

「やっぱり…そうか…。」

深く頷くジェームズさん。

「君より少し上、あの子は…10歳だったかな…。ここら辺で天秤の能力が初めて発現した子がいたのだがね、君はまだ5歳だ。」

ジェームズさんは続ける。

「天秤の能力が初めて発現する年齢が平均で17歳、それを5歳でしかもしっかりと釣り合う条件で天秤の能力を使った子は初めて見てね、私も困惑してしまっているよ」

便乗するように深く頷くパパとママ。静かな空間になって少々気味悪い。

「私の息子がこんな素晴らしい才能の持ち主なんて知らなかったなぁ」

「ほんとに凄いわ、ファーリーちゃん!流石、私の自慢の息子!」

褒めてくれるのは嬉しいが、僕はそれ所ではないので話を続ける。

「んで、その指なn」

「ねぇねぇジェームズさん」

「ん?何だい?」

ジェームズさんはかなり慎重な性格らしい。ずっしりと構えて聞いてくれた。

「ジェームズさんに、これを見て欲しくて」

そうして、僕はさっき見たあの透明な天秤をイメージして、掌に意識を集中させた。そして、

「なぁ、ゼノア…君の息子、凄過ぎやしないか?」

「……」「ぁ…」

僕は透明な天秤を、目の前に顕現させた。

最後の行の「……」と「ぁ…」はそれぞれパパとママのセリフです。分かりにくいですね()

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