1. ゴブリンに遭遇したときの対処法を考えよう
「なんだ……この状況は……?」
俺は呆然としていた。
目の前には緑色に小さな体躯の子鬼――ゴブリンがいる。
そして、俺は仰向けにながらゴブリンを見ている。
ゴブリンの頭の後ろには鬱蒼とした緑の天蓋が見える。
俺は日本で大学生をやっていた普通の男だ。
いつもどおり、大学で講義を受けていた。
寝ていたから、講義を受けていたというには語弊があるかもしれないが……。
それは些細な問題だ。
そして目を覚ましたら、こんな状況だ。
いきなり森の中でゴブリンと見つめ合っている。
どうせなら美少女と見つけ合いたかった。
ゴブリンなんて二次元の、ゲームやアニメの中でしか見たことがない。
耳が尖り、体が薄汚れていて、長い爪を持っている。
そして、醜悪な顔だ。
皺くちゃな顔がリアリティを出している。
ゴブリンが棍棒を振り上げた。
おい、待てよ。
その凶悪な釘バッドみたいものを振り下ろそうってわけじゃないよな?
ゴブリンが棍棒を振り下ろしてきた。
「ぎゃー!」
俺は叫び声を上げながら、ころころと地面を転がる。
間一髪で棍棒を避けた。
あんなの当たったら、俺の頭が砕けてしまう。
ていうか、既に頭が痛い。
視界が滲む。
額から血が出ているし、頭がズキズキする。
状況はわからんが、ゴブリンが敵だというのはわかる。
俺は立ち上がってゴブリンを見た。
ゴブリンは、ぐぎぎぎぎっ、と唸りながら俺を睨んでくる。
ほんと、どういう状況なんだ?
まったくわからん。
でも自分の命が危ないことはわかる。
ゴブリンが迫ってきた。
俺は地面を転がっている際に砂利を掴んでおいた。
くらえ、砂かけ!
砂利をゴブリンに投げ、ゴブリンの視界を封じる。
ゴブリンの動きが一瞬止まった。
よし、このうちに逃げよう。
俺は回れ右をして、全力疾走で逃げた。
ゴブリンが追いかけてくる。
うおおおおお。
これぞ、リアル鬼ごっこだー!
捕まったら死ぬ。
ゴブリン、まじで怖ぇ。
なんなんだよ、こんちくしょー。
誰か説明プリーズ!




