プロローグ
どうも、初めましての方は初めまして、そうじゃない方はいつもお世話になっております。
苦厨之逸美と申します。
本来ならば全然進んでいないメインの異世界転移しても、責任は付きまとうようです。の更新するべきなのですが、元々、自分としては、こちらのGray Armyをメインで書いていきたかったので投稿させて頂きました。
ただ、今はメインとして進めている異世界転移しても、責任は付きまとうようです。を進めて行くつもりなので、Gray Armyは少し、ネタバレになる可能性はありますが、それぞれの章のプロローグ、中東変革編・NY壊滅編・東京サミット襲撃編・ヨーロッパ圏混沌編・中東解放編を書け次第投稿させて頂こうかとおもっております。
尚、余裕が出来れば、+aで追憶編と外伝の“それでも僕は神になりたい”を投稿したいと考えております。
なので、更新は遅いですが、異世界転移しても、責任は付きまとうようです。と同様に文章はヨワヨワですが、お付き合いしていただけると幸いです。
苦厨之逸美
2030年9月午前9:42 場所:イラク西部ディヤーラ県マンダリー地区周辺
かつては集落、住居の一部であったであろう外壁を背に立っている1人の男がいた。
男は「通信はまだ回復しないのか?」
そう男はやや焦り気味に言って、男が背を向けている外壁とは別の目の先にあるほぼ壊れた外壁を見た。
男が見ている外壁の後ろには別の男が右手に拳銃を持ち、倒れるように仰向けで寝かされていた。
倒れている男は撃たれたのか、都市型迷彩に使われる灰色と黒をメインとしたカラーリングのMARPAT迷彩服の所々が破けており、血が滲んでいた。
「我が軍のサーバーが内外から攻撃を受けているのとは別に、内部からの妨害と広範囲に渡る無線に対するジャミングのせいで難航しています。」
立っている男に返事をしたのは倒れている男ではなかった。
「それに、”我々”の専用回線も妨害されているために、民間の回線に割り込み、そこから、近くの友軍に助けを求めている段階です。」
質問に答えた声は男が持っている無線機ではなく、腰に巻かれたポーチ内にある携帯型端末につながれた胸元にあるスピーカー機能が付いた有線マイクから聞こえている。
声は女性の声をしているが人間の声ではなく、機械によって作り出されている声である。
「MIKI、とにかく急いでくれ、もう追いつかれた」
男は背を向けている方を壁から少し顔を出した状態でそう言った。
男にMIKIと言われた機械の声をした者、いや、このモノ、AIは、
「了解しました。ただ、状況が状況なので、私以上に貴方に頑張ってもらう必要があるかと」
そう男に返答した。
「ふっ無茶言ってくれる、弾も少ない状態で、しかも、レスカを守りながら戦え抜けと?」
軽く笑いながら皮肉るように男は言う
「えぇ、そうです。しかし、中尉よりも中尉が“確保している情報”のほうが重要であることを忘れない様に」MIKIはそう返答する
「あぁ分かってるさ、“あの情報”の為に危険を冒したうえにまた、味方に損害が出たんだからな!!」
男は声を荒らげた訳ではないが、先程よりも少し声のトーンが大きくなった
「少尉、落ち着てください少し動揺が見られます。」
どうやら、喋っている男の階級は少尉で、倒れている男の名はレスカと言い、階級は中尉らしい
「戦闘に支障が出るほどじゃないさ、そう簡単に動揺するほど“可愛らしく”もないしな」
少尉は笑って答える
「確かに、“ワイズ”少尉に“その”可愛げがあれば議員や一部の軍のお偉いさんからは嫌われてはいないでしょう」
今度はMIKIが少し皮肉りつつも、明るいトーンで言う
「ったく、昔に比べて言うようになったというか、人間らしくなったというか...」
呆れながら言う男、ワイズ少尉に
「いえ、昔と変わらず私はクールですよ?今までの少尉がコールド過ぎたのでは?」
「ひでぇ...やっぱ変わってるは...」
少ししょげた顔をして、ワイズは呟く。ちなみに、この場合の変わってるはAIとして、ではなく、成長・変化しているという意味である。
しょげたワイズに
「少尉、朗報です。民間の回線に割り込んだ結果、一部衛星カメラの回復と少し離れた位置に我々と同様の任務を与えられ帰投中のフランス陸軍の武装した輸送ヘリがいます。」
「通信は出来るか?」
ワイズはMIKIに尋ねる
「いえ、通信はできません。しかし、もう一つ朗報として、我々を追ってきた者たちの車両にジャミングを発信してる車両があります。」
「はぁ…朗報ねぇ…通信を回復する手段が分かったとはいえ、あの量の敵を倒ししつつ敵車両を破壊、」
ワイズたちを追ってきた者たちはコピー銃や骨董品を持っている者が多いとはいえ、武装した車両に乗っている者も含めると40名ほどの数である。
正直に言ってしまえば、この数をまともに戦って勝てる可能性は限りなく低い。0にも近い。
だが、ワイズは
「まぁ数は上手い具合に立ち会って対処してもだ、救出に来るかもしれないのがフランス軍ってなぁ…二枚舌どころか3,4枚ほど舌がありそうな国だぞ?信用してもいいのやら…」
敵の数よりも救出に来るかもしれないフランス軍のほうが不安要素らしい
「今は信じるしかないでしょう。それに一部とはいえ、衛星のカメラが回復したので、“少佐”たちにも状況が伝わっている可能性が高いかと」
MIKIは答える
「だといいがな、そのヘリが破滅への導き手にならないことを祈るよ」
「少尉は無神論者の無宗教では?」
MIKIはワイズに尋ねる
「確かに宗教は信じていないが無神論者ってほどじゃないさ、それに…」
「それに?」
MIKIが確認する
「この状況だと宗教嫌いでも何かに祈りたくなるさ」
「それは宗教では?」
MIKIが疑問を呈す
「いや、違うね、自分が信じるのは手入れされた銃と鍛え抜かれた仲間と有能な上官だけだ!!」
「それと優秀なAI」MIKIがボソッと言う
ワイズは続ける、追ってきた敵は約500m先に迫っている
「それに祈っただけで、宗教信者扱いされるなら、アメリカ人は皆飲み物はコ〇コーラしか飲まなく、ハンバーガーしか食べないと思われる方がマシだね!!」
「少尉、意味が分かりません」
MIKIが少し冷たく答える
「まぁともかくだ、決して快適とは言えない鉄の棺桶だか、破滅への導き手だかが向かいに来るまで、持たせるさ」
ワイズは強引に話を戻しつつも距離を近づけて来る敵の方向に視線を向ける
そんなワイズにMIKIは答える
「少尉、例えこの先待ち受けているのが世界の破滅や我々の破滅だとしても、向かいに来るのが死神や悪魔よりマシな、ノアの箱舟と信じて戦い抜くしかありません。」
MIKIはAIだがどこか、力強い声で続ける
「なので少尉」
ワイズが一瞬胸元のスピーカー機能が付いたマイクに目をやる
「幸運を」
距離を詰めて来ている敵にワイズが発砲を開始した…
ここまで、お付き合いいただきありがとうございました。
前書きに書いてある通り、基本投稿のメインは異世界転移しても、責任は付きまとうようです。を優先して書いていきたいと思っておりますので、次回更新は書け次第ということとなっております。
ただ、異世界転移しても、責任は付きまとうようです。同様、こちらも終わらせ方までは考えておりますので、なるべくなら、早く次回話を投稿したいと考えております。
なので、今後ともお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
苦厨之逸美でした。