19/28
とどまらないで
これは作品と呼ぶほどの、そんな崇高なものではない。
ただ、僕は僕を吐き出しているだけだ。
だからこそ人間性が顕著に表れていると思う。
この羅列は、僕自身だ。
だから、この羅列に留まらないでほしい。
もっと崇高な、詩、散文、そんな本物の人間性に出合った時、
この羅列が如何に薄いのか理解できると思う。
だから、僕は、僕で、留まらないでほしいと考えている。
願わくは、これを読んだ全員が、本当の人間性に、出合ってほしい。
読んだ瞬間から、
朝の光が、
空気に舞う塵が、
雨の匂いが、
人の歩く足音が、
道端の石ころの重みが、
つまり、世界の全てが一変する……
そんな強烈な、人間性に出合ってほしい。
そして――
僕に教えてほしい。
君が何を感じたのか。
君が何を見つけたのか。
君が何に至ったのか。
僕に、
教えてほしい。