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片腕を切ってみた
朝起きて、
何となく、
左腕を切ってみた。
血が吹き出すとか、
何で切ったとか、
切り口は熱いのかとか、
そういう無意味な、本質とは無関係の描写はやめておく。
とにかく、左腕は切断されて、在るべき場所には何もない。
パーツを命と考えるなら、
左腕は死んだ、のだ。
右の命が殺したのだ。
そしてそのまま夜になり、僕はお風呂に入った。
左腕は床に転がったまま、だ。
そこで気付いた。
右手は右腕を洗えないのだ。
他人がいないと
自身を触れない矛盾。
つまり、君は僕と同意だ。
向き合ってるか、
左か右か、
それぐらいの違いしかない。