厨2話
どんちゃん騒ぎでソラは目を覚ます。
「ぐ…痛い…メチャ痛いんだけど……。」
「グギギー。」「ギシャー!!」「ギャー!!」
ゴブリン達は焚き火を中心にしてなにやら騒いでいた。
「ふん、我が目を覚ましたと気づきもしないか。さすが低位のまものよ。自分たちの無力さを知りながら死ぬがいい。」
ソラは誰にも聞こえないように慎重に小声でそういうと立ち上がろうとする。
「よっこら…せぶあらぁ!?…な、なんだ!?」
ソラの足にはロープが巻き付けられており、それが地面に深く突き刺さった杭と繋がっている。
「く…小癪な…。こんなもの直ぐに掘り抜いてやる…。」
そそくさと杭に近づくソラ。しかし、起き上がる時に大声を出してしまったことでゴブリンに気づかれてしまっていた。
「グギギ…。(おい、さっき捕まえた奴が目を覚ましたみたいだぞ。)」
「ギギ(そうみたいだな。)」
「グギ(杭を抜こうとしてるぞ。)」
「ギー(結構深くまで刺さってるから無理だろうな。)」
そんなことを言いながらゴブリン達はソラに近づいてくる。
「ふん。今に見てろよ…。すぐに殴られた借りは返すからな…。」
「ギギギ。(おい、こら。)」
「ちょっと待ってろよ…直ぐに抜くからな…。気づかれる前に抜かないとな…。」
「ギ?(なんだこいつ。)」
「ギギギ(さぁ、馬鹿なんじゃないか?)」
「ギギー!(おれもそう思う!)」
ぶん!と振り下ろされた棍棒がまたソラの頭を直撃した。
ソラはゴブリンたちの騒音で目を覚ます。
「く…いつの間にか眠ってしまっていたみたいだな…。いたた…。リンチされた時の傷がまた痛んできやがったか…。」
杭を抜くことに集中していたソラは先程後ろから頭を殴られたことに気がついていなかった。
「まだバレていないみたいだな…。さっさとこんな所を抜け出すとするか…。」
「よっこら…せぶろあぼあ!!!」
起き上がろうとしたソラは足に巻かれたロープのせいで転倒する。
「ギギ…。(あ、起きたみたいだ…。)」
「ギギギ?(あいつは学習能力がないのか?)」
「ギギギ。(ないんだろうな。)」
「し、しまった!気づかれてしまった!く、ここまでか…!!」
「ギギギ。(なんか可哀想になってきたな。)」
「ギギー。(だなー。)」
「ギギギ?(逃がすか?)」
「ギギギギ。(いや、でも俺たちの飯が…。)」
「ギギギ。(でも見ろよ、鼻水と涙で全然美味そうじゃないぞ。)」
「「ギギギ。(たしかに。)」」
「ぅぅぅー!!痛いのは嫌だー!!助けてくれー!」
「ギギ。(またなんか言ってるぞ。)」
「ギギ。(せめて言葉が通じればな。)」
「お願いだー!ギギギー!ギギー!」
「ギギギギ。(お、なんか今それっぽいこと言ってなかったか?)」
「ギギ?(そうか?)」
「まだ死にたくないんだー!なんでもするから許してくれー!!ギギギー!!(なんでもするから助けてくれー!)」
この時奇跡が起きた。ソラが適当に真似たゴブリン語が通じたのだ。
「ギギギ!(ほらいま!聞いただろ?)」
「ギー。(あー、なんか言ってるな。)」
「ギギ?(どうする?)」
「ギギー!(なんでもするから助けてくれー!)」
「ギギ…。(ほらまた言った…。)」
「ギギギ…(言葉が通じるやつを食うのもなんか嫌だな…。)」
「ギギギ?(なんでもするって言ってるし飯でも取ってきてもらおうか?)」
「ギギギ。(そうだな。)」
「ギギー!(なんでもするから助けてくれー!)」
「「「ギギギ…。(もうわかったって…。)」」」




