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超ハイスペック婚約者(4歳)と数年間会えないそうです。

その後ユーラ様と別れるとタイミングを見計らっていたかのようにお父様が現れた。


「悪いな、待たせた」


「いえ、大丈夫です。それよりもお父様、婚約の件すでに快諾していたようですね」


少しだけ言葉に棘を含ませて言う。これくらいは許されるだろう。

ジロリとお父様を見るとあからさまに視線を逸らす。


「わ、悪い方ではなかっただろう?」


「まぁ……良い方でしたけどっ……」


良い方というかイケメンでしたよ!


「……それよりお父様、私が庭園でユーラ様と出逢うように仕組まれましたね?」


ビクッとお父様の肩が揺れる。

ユーラ様と出逢った時から違和感を感じていた。ユーラ様は私に『アルラリア公爵家の娘か?』と尋ねた。王宮に訪れる令嬢なんて沢山いるはずなのに、なぜ私がアルラリア公爵家の娘だと思ったのか。

考えられる理由は1つ。ユーラ様がアルラリア公爵家の娘が庭園に現れることを知っていたから。それにお父様は私に『悪い方ではなかっただろう?』と言った。つまりお父様は私がユーラ様と会ったことを知っている。

お父様は私を庭園に向かわせ2人っきりでユーラ様と出逢うように仕組んだのだ。


「やっぱり……」


呆れたように呟く。まさかこの国の将軍ともあろうお方がこんな幼稚な手を使うなんて……。


「なんでそんなことを?」


「……この婚約は受けざるを得なかった。第2王子の母親、カリア様の派閥からの圧力がかかってな。せめて2人だけで話す機会を、と思ったのだ」


派閥なんてあるのか……。前にお父様に話した王位争いに巻き込まれなければいいけど。だって王位争いとかまさに破滅ルートって感じするし。

まぁでも2人で話す機会をつくってやろうっていう心遣いは素直に嬉しい。


「そうですか。ありがとうございます」


ちょっとキツイ言い方をしてしまったので出来る限りの笑顔でそう言う。


「では帰るか!」


「………………まさかこの為だけに数十分かけて王宮まで来たのですか?」


「あぁ」


嘘でしょ?ユーラ様と会って話す為だけに新しいドレス仕立てて、ヒールで歩けるように特訓して、馬車に揺られて来たの?

私の苦労はなんだったのさ!


「第2王子はこれから数年の間、隣国へ留学するらしくてな。今日が最後の機会だったのだ」


……話に頭がついていかない。

えっと、私はこれから数年間婚約者と会えないのか?


「ユーラ様は私と同い年なのになぜ留学なんて……。時期尚早では?」


「本人の希望だ。この国を発展させるためには他国の文化も積極的に取り入れなければ、と。手紙のやり取りは出来るらしい」


4歳児ってこんなに賢いの?ユーラ様すごい……。ハイスペック過ぎて怖い……。


「……そうですか。残念です」


「仕方あるまい。さ、帰ろう」


そう言って歩き出すお父様の後ろをついていく。

それにしても婚約者と数年間会えないってすごいな。愛想尽かされて婚約破棄されるかもしれないのに……。


ん?婚約破棄…………?





これだっ‼︎私の破滅ルートは‼︎



この手の小説では悪役令嬢が婚約破棄をされたところから始まることが多い。つまりユーラ様に婚約破棄をされた時点で私は破滅するのだ。

……なんとかして愛想を尽かされないようにしなければ。









神様!朗報です!

自分の破滅ルートが見えた気がします!



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