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婚約者候補(4歳)に頭脳で負けました

「お呼びでしょうか、お父様」


お父様の書斎へと入った私は取り敢えずお父様の顔色を伺う。中身は大人でも実年齢は4歳。王族についても貴族についてもあまり詳しくは教えられていない。つまり私はこの婚約が我がアルラリア家にとって有益なものなのかどうか分からないのだ。


このゲームをプレイしていたらまた違ったのかもしれないがプレイする前に死んでしまったのだから仕方ないだろう。


「今回の婚約は第2王子とのものだ。お前はこの婚約についてどう思う?」


どう思うって聞かれたって分かりませんってのが正直な感想だし、そもそも第2王子ってどなた?情報が少なすぎる。


お父様はこの国の国軍のトップ、将軍だ。お父様は私たちに自分で考えさせるのが好きでよく問いかけてくるがいつもヒントが少ない。お兄様もお父様と話すのは疲れると仰ってたし。


まぁでも答えないわけにはいかまい。幸いなことに私の中身は大人なのだ。そこらの4歳児よりは賢いはず!


「第2王子とお会いしたことがないのでなんとも言えませんが、公爵家の娘との婚約となればそれなりの後ろ盾となります。加えてお父様はこの国の将軍ですし、お母様も養女とはいえヴァルリラ伯爵家の娘です。第2王子で王位継承権第2位ということは第1王子が王位継承権第1位なのでしょう?周囲の方々の反感を買わねば良いのですが」


これはちゃんと私が考えていたことだ。前世の記憶を取り戻す前から薄々感じていたがアルラリア家はめっちゃ偉い。公爵家ってそれだけで王族に次ぐ地位だし、お父様将軍だし、お母様は伯爵家の養女だし。


加えてお父様のお姉様、つまり私の叔母様は隣国の王子と結婚されて現在は王妃となっているらしい。もう家柄チートじゃない?それで私はそんなチートな家のご令嬢ときた。いや、この婚約って下手したら王位争いの火種になりませんか?


だって私が第2王子と結婚したこのチートな家は第2王子の後ろ盾となる。第1王子からしたら面白くないことだし、場合によっては反逆の可能性ありと誤解されてしまう可能性だってある。


……いや、もしかしたら最初からそれ目的で私との婚約を持ちかけたのかもしれない。第2王子を王にしたい誰か、例えば第2王子の母方の親族などが。


いやー貴族って怖いなー。



「…………ほう、そこまで考えていたとは」


お父様が感心したように言う。

そりゃ伊達に前世でオタクやってないですから!私の好きだった少女漫画にこの手のやつが多かったんですよ!


「お前の意見も的を得ている。だが一つだけ違うことがあるな。第2王子は王となる気がない。自分は表に出て民を導くよりも裏で兄の補佐をする方が性に合っている、とな」


「…………第2王子っておいくつなのでしょうか?」


「確かお前と同じだ」



え、この世界の4歳児ってもうこんなこと言うの⁈

すごくない?私負けたかも、中身大人なのに……。


「……自身の将来についてしっかり考えておられるのですね」


「そうだな。まぁ聡明さという点では先ほどのお前も負けてはいないぞ」


やめてお父様!嬉しそうに私の心を抉らないで!


負けてないって私この世界の4歳児と同レベルの頭ってことじゃない!



「それで第2王子が是非お前にお会いしたいらしくてな。明後日、王宮に行くこととなった」


「明後日ですか⁈」


「あぁ、明後日なら会議もないしお前も特に用はないだろう?できれば早い方がいいと思ってな」


確かに用はないし、できれば早く済ましてしまった方がいいだろう。


「承知いたしました」







もしもし神様、聞こえていますか?

この婚約は破滅ルートではないですよね?

そろそろ私にヒントをください。




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