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0,2(改修版)

 さて、あれから出来る限りの手を使ってこの世界の事を調べられるだけ調べた。

 結果としていくつかの事が解った。


 まず一つは、この世界では戦争と言う行為が非常に珍しい事。

 何故かと疑問を呈するまでもなく、魔物との戦いに専念しなければ国と民を護れない状況で、人類同士で戦い合って戦力を削り合う様な自殺行為を出来るハズもないから。

 それともう一つ、ネーゼリアの人々が地球の人々よりも精神的に成熟しているるのが上げられるだろう。

 これも長い歴史の中で積み上げられてきた心理学などの学問や倫理観などの深みの違いがあるから当然といえば当然。

 要するにこの世界の人たちは人間として成熟していると言う事。

 それ故に犯罪などの発生率も極めて少ないし、盗賊などの犯罪者や、マフィアやシンジケートなどの裏組織が世界中に点在するなんて事もない。

 もっとも、まったく存在しない訳ではなくて一定数は居るらしいけど。

 話を戻して戦争の事で言えば、この世界では価値観の違いや人種の違い、或いは宗教の違いや対立などで戦争が起こるなんて事はほぼありえない。

 極稀に領地の拡大などを目指して侵略戦争を始めるバカな国も現れるが、それも精々数千年に一度起きるかどうか程度だ。

 実際、最も最近で戦争が起きたのは実に二千年以上前で、その前に戦争が起きたのは五千年以上前らしいし、更にその前となると今度は一万五千年以上前になるらしい。

 それだけ戦争はこの世界では珍しい珍事らしいので、とりあえずは例え騎士に成ったとしても戦争に狩りだたされる心配はないのは一安心。


 それと、どうやっても戦いからは逃れられないのは確定しているので、戦う相手である魔物についても詳しく調べて見た所、前世のファンタジー小説などで定番だったように、この世界でも魔物は脅威度、その強さによってランクズケされている事が解った。

 ランクは高い順にΩ・Λ・Σ・α・XY・XZ・VX・EX・ES・SSS・SS・S・A・B・C・D・E・F・G・H・Iの計21段階で、更にESまでのランクはそれぞれの段階ごとにプラス・ノーマル・マイナスの3段階での区切りがされるので、実際には47段階にランク分けされている。

 その上で、

 Ωからαまでのランクがジエンドクラス。

 XYからEXまでのランクをレジェンドクラス。

 ESからSまでのランクをSクラス。

 AからDまでのランクをマスタークラス。

 EからIまでのランクをノーマルクラス。

 として、脅威度に応じてクラス分けしている事も判った。。

 その上で、B-以上のランクの魔物とは戦いともないと本気で思った。

 C+ランクまでの魔物ならまだ判る。それまでならまだ、ゲームなどに搭乗した魔物の範疇内だし魔法を使えるようになって、その上でアサルトライフルでも装備していればまず倒せるだろう。

 だけど、B-ランク以降の魔物はハッキリ言ってシャレにならないレベルの怪物だ。

 それこそ戦車でも用意しないと戦える気がしないし、下手をすると戦車ごと叩き潰されるのも容易に想像できる。

 魔物の力がシャレにならない程に凶悪なのは判っているつもりだったけど、実際に自分で確かめてみると本気で引く。

 因みに、ファンタジーである程度の強敵として定番のオーガ。鬼の魔物はBランクで、倒すには戦車が必要なのはこの世界の常識。

 しかも、この世界の戦車は荷電粒子砲やらレールガンなどの強力な兵器を普通に搭載しているし、強力なバリアシステムも完備している。地球の戦車とは比較にならないくらいに強力な代物だ。

 そんな物を持ち出さないと倒せないレベルの化け物と来たのだから冗談じゃない。

 因みに、まったく関係ない話だけど、地球の戦車じゃ最新鋭の物を100両投入しても一方的に蹂躙されるだけで、傷一つ付けられないと思う。

 とりあえず、戦う相手である魔物がどれくらい凶悪な相手なのかは理解できた。

 それと、そんな圧倒的な力を持った人たち、つまりはレジェンドクラスやSクラスの超越者たちは、封建制度の社会において王族や貴族をも超える権限を持っているらしい。

 ぶっちゃけて言えば、滅びの脅威に、死の恐怖に常にひんしているこの世界では、力を持つ者ほどが高い権力を持ち、なによりも自由なのだ。


 後、そんな凶悪な魔物が居ても一応は剣と魔法の世界世界らしいので、実際に剣や魔法で魔物と本当に対抗できるのかも調べた。

 結果としては余裕で可能。

 この世界では自分の体の中に魔力と闘気の2つの力が宿っていて、その力を用いて戦う事で、強大な力を待つ魔物を相手に生身で互角以上に戦う事も可能なのだ。

 実際に、Sクラスやレジェンドクラスの実力を持つ人間の限界を超えている、もう人間の範疇に収まらないだろうと言う様な圧倒的な力を持つ人たちも居る事が判った。

 そうなると、自分もそんな圧倒的な力を持って夢想してみたいとも思うし、転生特典のチートがあるならそれも可能なんじゃないかとも思えてくる。

 あってくれたらの話だけど・・・・・・。


 それと、当然だけども騎士と竜騎士についても調べてみた。

 その上でかなり重要な事実が判明した。

 まず、そもそも騎士に成るためには最低でもD-ランクの実力が必要。竜騎士に成るためにはB-ランクの実力が必要と言う事だ。

 この事実を知った時には本気で愕然とした。

 ロボットに乗るために想像を絶する超人的な力が居る?

 脆弱な力のない人間が、強大な力を持つ魔物に立ち向かうために開発されたんじゃないのか?

 そんな生身で戦車を余裕で引きちぎる様な化け物と同等の力を持たなければ、動かす事も出来ないなんて何の冗談だと本気で嘆いたよ。

 更に言えば、造るのは更に大変と言うとんでもない事実も判明した。

 竜騎士に成って巨大ロボットを自由自在に操るのが難しいなら、造る側になろうと考えたのに、なんと装機人などの巨大ロボット、魔工学や錬金術と言ったこの世界の魔法科学によって造られているのだけども、

その集大成とも言える秘術で造られていて、更にその秘術を習得するためにはどうやってもSクラスの実力が必要との事。

 その事実を知った時の絶望と言ったらなかったよ・・・・・・。

 神は死んだ。本気でそう思ったね。

 せっかく巨大ロボットが実在する異世界に転生したのに、それを使う事も造る事も出来ないってどんな拷問だよ。

 せめて整備に係われる様になろうかとも思ったけど、多分、間違いなく実際に見て触れて、整備したりしたら、どうやっても自分で動かしたり造ったりしたくなる。

 つまりは、何が何でも人間の限界とかブッチギリで飛び越えた強さを手に入れるしかないって事がこの時点で判った。

 と言うか、戦わないなんて不可能な武系の貴族家に生まれた時点で、強くならないと死ぬしかなかったりする。

 この時点で、この世界は転生者に優しくないと気付いたよ。

 出来れば本当に魔物となんて戦いたくないのだけども、そんなワガママの通用しない世界なのはイヤと言うほど思い知らされたので、生き残るために何としても強くなる事を誓ったよ。


 とりあえずなにがなんでも強くなると決めた所で、それじゃあこの世界でどうやって生きて行くかを考えるためにどんな職業があるのかも調べた。

 いや、魔物と戦わないでいるのが不可能なのは理解しているけど、次男なのだから家を継ぐつもりは無いし、常に前線で戦い続ける騎士団に入るつもりも勿論ない。て言うか騎士団に何か入ったら確実に入隊直後に死ぬ。

 そんな訳で、魔物と戦うのは仕方ないにしても、なんとか騎士団入りなんて死亡フラグを回避できないかと調べた結果判明したのが、剣と魔法の世界でお約束の冒険者ギルドの存在。

 お約束だなと思いながらも詳しく調べてみたら、どうも前世に読んだ創作モノで出て来るモノとは明らかに違う組織だった。

 まず何が違うかと言うと、冒険者とはギルドを通してクエスト、依頼を受けてそれをこなす便利屋に近い職業ではなくて、魔物を倒す事に特化した完全な戦闘職だと言う事。

 ついでに言えば、倒した魔物の素材を売ってお金にする職業でもある。

 冒険者ギルドは世界中にあり、どの国にも属さない独立機関である。

 ただ、魔物の侵攻が激しさを増し、国かが窮地に陥った時には、その国に冒険者を集結させて魔物の殲滅と民の救助を行うなど、極めて重要な役割を担っている機関でもある。

 因みに、騎士や竜騎士、軍人なとの国に属する戦闘職と比べて、冒険者は死亡率の極めて高い職業でもあるらしいけれども、将来は冒険者になる事を即座にに決めた。

 死亡率が高い職に就くのを即決するとかどうかしているって?

 死亡率の高さは自己責任。命令で死地に向かわされる心配がない分、キチンと危険を察知出来れば死ぬ確率は激減する。

 むしろ、前世日本人の臆病者にはぴったりの職業だ。

 戦闘職の中ではではあるけど・・・・・・。

 それに、国に属さないので世界中を自由に旅して周れるって利点もある。

 騎士に成った場合は、国を護るために戦う者なのだから、自国を護る戦い続けるのが当然で、他国を訪れる機会すらそうそう無い。

 それに対して、冒険者ならば実力とお金さえあれば好きな時に好きな場所を訪れる事が出来る。

 せっかく異世界に転生したのだし、見果てぬ世界を見て回りたいと思うのは当然で、その為にも冒険者は最適な職業だった訳だ。


 そんな訳で、将来は冒険者として世界中を旅して周り、万が一にもSクラスにまで成れたなら、巨大ロボットを造り、思うが儘に操ってみるのが目標となった訳だけども、それじゃあどうやって強くなろうかと思い悩んでいる内に、一冊の書物を見付けた。

 王都の王立図書館に眠っていた古文書。不意に目に留まったその書物が何と日本語で書かれていたのだ。

 ネーゼリアの言語は地球のモノとは違う。いや、地球の全ての言語に精通している訳じゃないので、ひょっとしたらどこかの言葉と同じかもしれないけど、少なくても日本語でも英語でも中国語手もない。

 それらの言語も文字もこちらには無いハズなのに、イキナリ日本語で書かれた古文書を見付けたのだ。興奮するなと言う方がムリだと思う。

 そして、読んで見てそれが十万年以上前にネーゼリアに転生した転生者が残した物だと判った。

 そこには彼らがこの世界で成した事や、後世に残した遺産のありか、そして何よりも強くなる為の方法が書かれていた。

 彼らは自分とは違う、別の世界の日本からこちらに転生して来たらしい。

 そして、この世界は彼らが生前にプレイしていたVRゲームの世界に極めて酷似していて、彼ら自身もゲームで操っていた自分のキャラクターとして転生したらしい。

 その結果、考えられない様な超絶チート能力でΩランクの冒険者にまでなって、思うが儘に異世界を楽しんだとの事。

 流石に彼らほどハッチャケるつもりは無いけど、このかつての転生者の贈り物によって、俺の異世界ライフに目途がついたのも確か。

 そんな訳で、まずは将来の為にかつての転生者が残した修行法を実践する事が決まった訳だ。


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