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「主砲斉射」


 ベルハウゼルの主砲の一斉射によって、50近いレジェンドクラスの魔物を殲滅する。

 既に魔物の素材がどうとかそんな事を気にしている余裕はない。

 いや、始まった時からそんなの気にも留めてなかったか・・・・・・。

 ただ、戦費の事を考える通りを見て回収しない訳にはいかないんだよね。特にアグニの方は本気でシャレにならない失費になるだろうしね。


「ジエンドクラス級魔力反応3、転移してきます」

「対消滅砲用意」


 それにしても本気で次から次へと、途切れる事に魔物が溢れて来るよ。

 魔域の中心部付近ではアスカ氏とレイが殲滅を繰り返しているハズなんだけどね。2人の殲滅を括りぬけて此処まで溢れて来ると言うよりは、2人をしても殲滅しきれない程に魔物が溢れているんだろうけど。

 正直、既に周辺の地形とかに構っている暇はないので、既にベルハウゼルを中心に半径1万キロの領域は完全に焦土と言うかクレーターになっている。

 まあ、この程度で済んでいるのだからまだマシだろう。

 対消滅砲なんて、使い方を間違えれば普通に星を消滅させる兵器だし。まあコレも、俺がベルハウゼルの力を多少は使いこなせる様になっている証拠だろう。


「事象崩壊連鎖砲用意。目標点魔域の中心部ポイント187」


 放たれた事象崩壊連鎖方が、着弾点の魔域中心部の端の部分から、半径5000キロの領域に存在する全てを消滅させる。

 この事象崩壊連鎖はその効果範囲の広さもさることながら、その発動の副作用として、効果範囲内を一時的に戦闘領域から除外できる特製を持っている。

 範囲内のあらゆる事象が崩壊した影響で、その範囲には一定時間泡ゆる存在も立ち入る事が出来ない療育となるのだ。正確には、いかなるモノも存在しえない完全なる虚無の領域と言い換えても良い。

 コレをエリアマスターのいる魔域の中枢部に放ったらどうなるのか気になる所だけども、今はそんな事を考える時じゃない。


「同領域に向けて主砲斉射」


 さて、事象の崩壊した領域は外部からの如何なる干渉も受け付けない。

 つまり、その領域に向けて放たれた攻撃も例えそれがどれほどの高エネルギーを持っていたとしても阻まれて領域内に侵入する事は叶はない。

 では、その阻まれたエネルギーはどうなるだろう?

 事象の崩壊面に接したエネルギーは特殊な解を持って変革される。それは存在しない事象に対しての変革であり、エネルギーの性質そのものを全く別のベクトルへと至らしめる物でもある。

 そして、変革したエネルギーはその場に収束され、生命とも呼べる存在へと生まれ変わる。

 高エネルギー生命体。

 生まれたばかりの存在に、魔物が襲い掛かる。

 魔物はこの世界の命を奪う為だけに存在するモノ、そこに生命体があれば襲い掛かる。

 だが、襲い掛かったモノはジエンドクラスの魔物すら殲滅するベルハウゼルの主砲の一斉射。そのエネルギーが収束して生まれたモノ。生半可な魔物では触れるだけで消し飛んでしまう純粋なエネルギー体。

 故に、エネルギー生命体が何をするまでもなく魔物を屠り続ける事になる。


「これは卑劣・・・・・・」

「だけど極めて有効な手段だからね。続けて主砲斉射」


 続けて事象の崩壊境界面に主砲を斉射して行き、エネルギー生命体をいくつもつくりだしていく。

 生まれたエネルギー生命体は魔物を集め、殲滅して行く。彼らにその意図はなくても自分の存在を成すエネルギーが尽き果てて消えてなくなるまで魔物を殲滅し続けていく。

 ある意味で命を弄ぶ、非道な行いだけども有効な戦術でもある。


「アグニの戦況は?」

「アスカ氏とレイ様が魔域中心部で多くの魔物を討伐しているので、全体として優勢を保っています。まあ、アグニの騎士団でこれまでにレジェンドクラスの魔物20匹を討伐。素材の回収も行っているそうです」

「へえ。順調みたいだね」


 アグニには10万年前の装機竜人をを1000機渡してあるけれども、キチンと使いこなして戦果を上げているようだ。


「ならベルハウゼルは変わらずこの場に固定。ジエンドクラスの魔物を相手にする事に集中する」

「了解しました。現状戦闘領域で敵を殲滅します」


 アグニ側の心配をしなくて良いのなら、俺たちは担当戦域の魔物の殲滅とジエンドクラスの魔物を討つのに専念する。

 と言うか既に100を超えるジエンドクラスの魔物を討伐している。

 既に100以上なんだよ・・・・・・。


「まだ初日のハズなんだけどな・・・・・・」

「どうしました?」

「いや、まだ活性化の戦いが始まって半日も経ってないハズなんだよなって」

「ああ、そうですね」

「ボクとしては、もう考えるだけムダだと思うよ」


 その意見は正しいかな。

 いったいこの状況。惨事は何なんだって思うけど、諦めるしかないとも思うしね。

 問題は・・・・・・。


「この状況じゃあ、俺やアスカ氏たちにご飯を食べる時間も休む余裕もないんだけど」

「そこはミミール様たちに変わっていただけば良いのでは?」

「それもそうなんだけどね。この状況で彼女たちに変わってもらうのも怖い気がするよ」


 誰とは言わない。ミミールが何かやらかしそうで怖い。

 いや、いくら彼女でこの状況でおかしなことをするハズもないんだけどね。なのに、何故か嫌な予感が消えないんだよね。

 まあ、魔力の限界もあるし何時までも戦える訳じゃないから、そろそろ変わってもらった方が良いんだけどね。

 既に10時間以上戦いぱなしなんだし。


「それじゃあ、まだ余裕があるけど今の内にミミール達に変わってもらおうか。アスカ氏とレイにも連絡して戻ってもらって」

「了解しました。ミミール様たちに交代要請をいたします」

 

 実際の所、この様子なら10日くらいぶっ続けで戦える気もするんだけどね。だけど休める内に休んでおいた方が良いと思うしね。


『はーいアベル。休息するの? それじゃあ、ベルハウゼルの指揮は私が執って良いかな?』

「お好きにどうぞ。でも、ミミールだけじゃなくて順番に買う体でお願いします。扱いになれていた方が良いと思いますから、後でアスカ氏とレイにもやってもらいますから」

『了解。了解。私も今の自分の力を思いっ切り試してみたいしね。要塞の指揮にかかりっきりになるつもりはないよ』


 確かに、活性化の戦いでもなければ今のミミール達が全力を出し切る事は難しい。

 俺も現状の自分の力を正確に把握しきれているとはいいがたいので、この戦いで生身でどこまでやれるかを試すつもりだし。


 何はともあれ、ミミールが指令室に来たので後をお願いする。

 アスカ氏とレイも既にベルハウゼルに戻っている。2人は10時間以上生身で戦っていたのでかなり消耗しているだろう。これからガッツリゴハンになる。

 それは俺も同じだけどね。

 それと当然だけども、活性化の戦いの最中は俺は料理をしたりしない。そんな余裕はない。なので食事の用意はクマーラたちに任せている。

 当然、このベルハウゼルに乗り込ませるなんて非道な事はしていない。

 クマーラたちじゃあベルハウゼルの中に居ても、ジエンドクラスの魔物が放つ重圧に負けて死んでしまいかねないしね。


「流石にお腹がすいたね」

「お昼を食べそこなったから仕方がないよ」


 そうなんだよね。活性化が始まったのが朝の9時。それから永遠と戦い続けて気が付けば11時間も時間が経っていて、お昼を食べ損ねたまま既に晩御飯の時間。

 流石に俺だけじゃなくてアシャたちも空腹を抱えている。


「とりあえず俺はカレーが食べたい」

「キミも好きだよねカレー。ボクも食べてみて好きになったけど」

「当然。カレーとラーメンは前世、日本で国民食って呼ばれていたからな」


 その上、この世界のカレーは素材が良すぎるのでとんでもなく美味しい。

 前世ではそこまでカレー好きでもなかった気がするんだけども、生まれ変わってからは完全にカレーにハマっている。


「ドラゴンカレーも良いけど、久しぶりにシーフードカレーも良いな。キーマカレーも捨てがたいけど」


 シーフードカレーはどんな魚介類を使っているのか楽しみだし、キーマカレーも素材に何を使うかで味がガラッと変わりそうだよね。


「ボクは角煮丼かな。豚バラと煮卵を丼のご飯の上にたっぷりのせて一気に行きたいね」

「私はエビチリで丼にしようかと、アシュラで最高のエビが獲れてますし楽しみです」


 角煮丼にエビチリ丼か、どちらも美味しそうだね。

 角煮に使う豚バラも普通の豚な訳がないしね。卵だってもちろん特別なのだよ。エビチリのエビもアシュラで捕ったSクラスのだし。

 ああ、エビならエビチリも良いけど、アシュラで食べた天丼も食べたいかも。ちょうど良い事に料理人がこの場に居るし・・・・・・。


「エビならばアシュラで食べた天丼をもう一度行きたいね」

「あっそれ良い」

「アレは本当に美味しかったですから」


 そんな訳で、俺たちは各自好きなモノをたらふく食べて、シメに天丼とする事にした。

 まあ、天丼でシメた後にデザートと行く予定だけどね。

 それくらいガッチリ食べておかないと、これから先の戦いもたないからね。


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