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「コレで仲間のレジェンドクラスが8人か」
「更に言えば、ジエンドクラス候補が7人ね」
ミランダは自分は違うからと訂正を入れてくる。
まあそうなんだけど、俺の予想だと結局ミランダもジエンドクラス候補になるし、至ると思う。
「アスカ氏たちジエンドクラスが3人に、俺たち以外にもライオルたちレジェンドクラスが10人以上。一気に戦力の増加が進んでいるんだけど、現状の魔物の侵攻の激しさを考えると、これでもまだまだなんだよね」
俺が旅に出た当時と比べると、それこそ何十万倍に戦力がアップしているんだった感じなんだけど、実際それでもまだまだ戦力は足りない。
「それも、アベルとユリィたちの15人が、一気にジエンドクラスに至れば、問題解決だけど」
「ミランダさん。人事の様に気楽に言わない」
「でも、実際、シオンたち残りの8人も、天獣や龍神の様な創造主の加護を受けて、レジェンドクラスに至るのは確定でしょう。それに、ミミール様とレイ様も、ジエンドクラスに至るでしょうし」
「ああその事に、実はミミールはさっき確認し既にジエンドクラスに至ってた」
「「「「はいっ?」」」」
これはヤッパリ、流石に予想外だったらしく、全員虚を突かれたように目が点になる。
「ケイがレジェンドクラスに至ったのとほぼ同じタイミングで、世界樹の加護を受けてジエンドクラスに至ったんだって」
「そうなんですか・・・・・・」
「レオシルスたちにも黙っていたらしいよ」
実は、アスカ氏に続く形で一番早くジエンドクラスに至っていたのはミミールだったと言うオチ。
しかも、力を抑えてその事実を今まで隠し通していたのだから始末に悪い。
「「本当に、何がしたいんだろうあの方は・・・・・・」」
ユリィとケイがもの凄く遠い眼をする。
うん。2人は昔からミミールに揶揄われていたらしいしね。立場的に一番近かったのが彼女たちだから。
「彼女については、これからレオシルスがシッカリと管理するって言ってたよ」
「流石にやり過ぎましたね」
うん。温厚なレオシルスが額に青筋を立ててたからね。流石のミミールでも逃げ出すのは不可能だと思うよ。
その方が助かるけどね・・・・・・。
どうか、俺たちの心の平穏のためにも、レオシルスにはミミールをシッカリと管理指導して欲しい。
「ミミールの事はレオシルスに任せて、この後は」
「シオンの、鬼人の国アシュラよね」
「真皇様と会うのですね」
シオンとキリアがづぎは自分たちの晩ともの凄く緊張している。イヤ、アレは真皇に会うのに緊張しているのか。
真皇は鬼人と王人を生み出した彼女たちの神に等しいと言うか、神そのものなのだから緊張するなって方がムリなんだよね。
「鬼人の国アシュラか、俺たち転生者にとってはある意味、一番楽しみな国なんだよな」
「アベルたちが前世暮らしていた日本て国は、アシュラと似た文化の国なんだよね?」
「まあ、最近は色々な国の影響を受けてカオス化してたけど」
それはどこの国も同じか、地球の国で純粋の自国の文化を護り、継承し続けられた国があるか疑問だし。
それよりも、和の文明の国であるアシュラだ。醤油や清酒もある。それも、国外にはほとんど持ち出されない最高品質の物が揃っているらしい。出来れば何としても手に入れたい。
「それじゃあ、早速行こうか。向こうでレイが待っていると思うし」
「そうですね。真皇様も待たれていらっしゃるかも知れないし」
ああ、既にレイを通じて俺たちに来るように伝えているかも知れないのね。
その可能性はありそうだけど、流石にアシュラに着いたらそのまま真皇に会いに行くのもどうかと思う。
その辺はレイ次第かな?
とりあえずはヒュペリオンの進路をアシュラに向けて出発。
別にシオンの転移魔法で行ってもよかったんだけど、気分の問題かな。最初くらいは正式に入国手続きを取って入国しよう。
まあ、空港にレイかシオンの親である国王当りが待ち受けているのもほぼ確定だけどね。
なんて内に到着。
まあ、時速30万キロを超えるヒュペリオンなら数時間で着くのも当然。
とりあえず、アシュラの国にへの入国手続き。
「お帰りなさいシオン」
それが終わると、シオンの母君が待ち受けていた。
落ち着いたデザインの和服を着こんだ黒髪の和風美人。ただ、和服って着痩せしてみえるはずなのに、スゴイ爆乳なのがハッキリと判る。
「母上が出迎えてくださるとは思いませんでした」
「本当はレイ様が此方まで出迎えようとなさったので、慌てて御留めして、私が代役を」
「成程」
ああ、やっぱりレイが直々に出迎えようとしてたのね。
まあ、俺たちの中には今やレイと同格のレジェンドクラスが8人いる訳だし、レイが出迎えるのもおかしくはないんだけど、国としてはたまったものじゃないだろう。
「それで早速ですがアベル様。アベル様たちには天麒の楼に滞在していただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「はい。判りました」
「それでは、ご案内いたします」
因みに、この人と会うのはこれで2度目なんだけども、なんと言うか完全にペースを持って行かれてしまうんだよな。
シオンのお母さんのあるサクラさんは、なんと言うか間の取り方が絶妙なんだよ。そうやって相手を自分のペースに持って行くのが上手い人だ。
まあそれは良い。いずれは慣れるだろうし。それより今はアシュラの国の様子。
うん。和だね。だけど、当然だけども道はシッカリと舗装されているし、建築物も平屋なんかの低い建物ばかりが並んでいる訳じゃない。200階建てや300階建ての高層建築がいたる所に立ち並んでいるし、木造建築ばかりでもない。
だけども、全体としての風景は違和感なくわだ。
それと、そこの和菓子屋さんがもの凄く気になる。歴史ある老舗の風格が漂った名店。できれば止まってもらってこのまま行きたいんだけど、そうはいかないよね。城には王とレイが待っている訳だし。
「着きました。こちらが天麒の楼でございます。レイ様をお連れしますので、中でお待ちください」
サクラさんは早速レイを呼びに行く。実の所、ワザワザ呼びに行くまでもなく、俺たちが付いた事なんてレイは当然気付いている訳だけど、そこはまあ形式ってやつだ。
因みに、流石に人妻を呼び捨てにするのも何なのでさん付けで呼ばせてもらっている。
それと、天麒の楼だけど、鬼人の居城である真天閣の東に位置する。
真天閣まさしく日本の城って感じだね。ついでに言えば、安土城に近い感じ。
「とりあえず、レイもすぐに来るだろうし中で待とうか」
「そうですね。アベルと私たち、それにミランダさんが居れば大丈夫ですから、他のみんなは好きにしてもらって構いませんよ」
「それじゃあ、御言葉に甘えて」
シオンの提案にアレッサが真っ先に飛び付く。うん。こういうのも珍しいんだけども、気持ちは良く分かる。
彼女たちにしてみれば、これから始まる会談に参加なんてしたくもないだろう。
「流石に街に出るのは後でにするから」
こちらから注意するまでもなく、どうするべきかは心得ている。とりあえずは部屋割りでもすると早速中に入って行くし。うん。実にたくましくなったものだね。
俺たちも中に入り、玄関で靴を脱いで一番近い部屋に入る。
30畳ほどの和室。うん畳だ。縁側をと言うか渡り廊下もあるね。
適当に座布団の上に座って寛ぐと、すぐにお茶が用意される。
緑茶に水ようかん。
うん。美味しい。どちらも今まで食べた中で一番だ。
「これは美味しい」
「ありがとう。実はこれ母の手作りなんですよ」
「サクラさんはお菓子作りの天才だから」
なんとこれはサクラさんの手作りらしい。何故に王妃が水ようかんをつくるとか考えてはいけない。ココはそう言う世界だ。
それと、キリアが補足説明をしたけど、キミはサクラさんと親しいのかな?
「キリアはサクラさんと親しいのかな?」
「何時も気にかけて頂いてますよ」
「サクラさんはキリアを着せ替え人形にする」
キリアとディアナの反応が違うのはどうしてかな?
と言うか着せ替え人形?
「母上は新作の着物が出来るとまず、キリアに着せたがるのです」
「ボクもこの国の服は好きだから良いんだけど」
「確かに着物姿のキリアは綺麗だけど」
うん。俺も見てみたいかもキリアの和服姿。
と言うか絶対に見る。確か、転生者たちが残したデータの中に、和服のデザインとかも残されていたハズ。
それをサクラさんに渡せば、キリアに最高に似合う和服を用意してくれるだろう。
うん。今から楽しみだ。




