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ほぼ人物紹介のみの話です。

 これは厄介事と考えるべきなのだろうか?

 いや、その内ほかの種族からも仲間が増えるのは判っていたのだけど、こうもいきなりに増えるとは予想していなかったので困惑してるだけなんだけどね。

 まあ、想定通りであり、ユリィたちの言っていた通りの展開として、各種族の王たちの襲撃を受けたのは別に良い。

 エルフにドワーフ、獣人に天人、そして竜人の、ユリィたちの親であり既に顔見知りの面々から始まり、鬼人国アシュラの皇王たるアシュラ・フドウ・クオン。水邦の国アクアリウムの女帝シャルナ・フルト・アクアリウム。妖法人の国カイラスが法王ノイエ・レンス・カイラス。魔人国ゲヘナが魔王サタン・クレス・ゲヘナ。王人国アレストリアが天王マグナ・カルタ・アレストリア。月精アルテミスの国ルナルが月天カグヤ・ムーラ・アルテミス。フレイムシード額にアグニの炎帝セグジス・イフ・アグニ。アイシクルレイの国シヴァノイスが氷皇ミストラル・アリク・シヴァノイス。ヴァンパイヤが国アキシオンの闇帝ボォドム・イクス・アキシオンの9人の王とも相対する事となり、これによって俺はこの世界に生きる主要種族の王と顔を合わせた事になる。

 いや、それもまあ想定の内だ。問題は、そのが人の王の娘たる姫君がまたこれも、ある意味で当然の様に仲間になった事。

 ユリィたちなどはやっと来たと喜んでいるし、俺もまあはじめから予想していたのだけども、ジエンドクラスの食材を「これは結納金がわりと言う事で」と平然と持って行った五人の王の方が釈然としない。


「とりあえず、まずは自己紹介いたしましょう。私は鬼人国アシュラが王クオンが娘、アシュラ・ムゲン・シオンです」


 鬼人国は江戸時代の日本に似た文化を持っている。その為か、額に黄金に輝く角が生えている以外は、何処をどう見ても前世の日本人と変わらないように見える。それと、偶然だと思うけど、日本人の外見をベースに造られたと思われるヴァルキュリアシリーズ、エイルと本当に良く似ていて、角さえなければ、シオンは少し年の離れた姉妹と言っても良いくらいだ。

やや鋭い顔付に腰に届く穂との漆黒の黒髪に同じく黒い瞳。着物なのだけども、所謂、陣羽織と言われる戦装束が良く似合っている。


「次は私ですね。水邦の国アクアリウムが第8王女ミスト・アパーム・アクアリウムです。どうぞよろしくお願いしますね」


 水邦とは、所謂人魚の様に水中生活にも適応した人類の総称。と言っても、水邦の国が海中にある訳ではない。かの国は極めて特殊な大陸にあるのだが、まあ、いずれ行く事になるのだからその時までお楽しみと言う事で、今は特に語らないでおこう。

 人魚などの種族と言ったが、ミストの下半身は別に魚のモノでは無く普通の人間と変わらない。透き通った水色の長い髪に、翡翠色の瞳をしており、エルフとは少し形の違う長い耳が特徴でもある。かの国の特産品でもある水に濡れることの無い特殊な織物で出来た綺麗な服に身を綴んでいるが、なんとも扇情的に見えてしまうのはどうしてか・・・。


「私は法王ノイエが子ミルカ・シーリ・カイラス。以後よろしく頼む」


 妖法人は妖術と呼ばれる特殊な実を操る種族の総称であり、魔法とも闘気法とも違う、それでいた使い手次第では強力な力となる妖術は極めて強力な力だ。外見的な特徴としては、額に神眼と呼ばれるクリスタルの様な結晶がある事。

 ミルカは銀色に輝く神眼を持っており、それは回復に特化した妖術の使い手である事を示している。クリッとした大きな黄金のの瞳に、肩の長さで切り揃えられた翡翠の髪。身長もやや小さいためか、ケイと同じで全体的にやや幼い印象を受ける。


「私は魔人国ゲヘナが第9王女ルシリス・アージ・ゲヘナ」


 魔人は天人と同じく翼を持つ種族だ。ただし、天人と違い魔人の翼は竜種のモノに似た物で、前世の地球ならば悪魔の翼と言われたであろうものだ。ただし、元々の翼はほんの小さなもので、魔力を翼に送る事で自在に飛び回れるほどの大きさになる。要するに伸縮自在の翼だ。それと、魔装術と呼ばれる魔法とは違う、魔力をそのまま操る術を得意とする種族でもある。なお、別に悪魔のような角などはない。

 ルシリスは魔人族の特徴とも言われる銀の髪を腰を超える長さまで伸ばしていて、一括りに纏めている。それとコレも特徴とされる深紅の瞳は猫を思わせて、何処か悪戯好きの、小悪魔的な印象を受ける。  


「ボクは王人を統べる天王マグナが子、キリア・アーク・アレストリアだ。これからよろしく」


 王人は巨人とも呼ばれる種族。ただし、巨人と言っても見上げるほどの大きさではない。それでも、男性の平均身長が三メートル近くになるのだから驚きだ。その大きさに寄らず身は軽く、動きは俊敏の一言で、身体能力に優れ他種族である事は間違いない。

 ボクっ子のキリアは身長2メートル40センチといったところで、王人の中は小柄らしい。ボーイッシュに短く切った燃えるような深紅の髪に矢や鋭い金の瞳が、精悍とすら言える顔に良く似合っている。多少、男と見間違えそうな雰囲気もあるが、声は悪戯っ子を思わせるように明るく、出る所は出て引っ込むところはキュッと引っ込んだ体付きは、女性の憧れをそのまま形にしたようで、性別を間違える事はまず、絶対にありえないだろう。

 

「私は月精アルテミスを束ねるルナル月天家が第9子ディアナ・メリト・ルナル」


 月精とはそのまま、月の精霊とも呼ばれる種族だ。王人とは対照的な小柄な種族で、成人男性の平均身長も140センチ程度しかない。ただし、子どものような外見をしているのではなく普通の大人をそのまま小さくしたような姿で、要するに体の全てのパーツが一回り小さいのだ。

 ディアナも身長は130センチくらいしかないけど、綺麗な大人の女性を一回り、二回りくらい小さくしたような感じだ。突きをそのまま表すかのような白銀の髪を地に着くほど伸ばしていて、黄金の瞳との対比が実に美しい。また、月精は種族的の天人や魔族とは全く別の飛行能力を持っていて、力場を生み出して体を宙に浮かせる事が出来る事から、ディアナも基本的に宙に浮いている。その辺りが、月の精霊と呼ばれる所以でもあるらしい


「次はボクだね。ボクはフレイムシードの国アグニが第9王女アシャ・イグニ・アグニ。またユリィたちと一緒になれてよかったよ」


 フレイムシードはその名の示す通り炎を守護する種族。赤銅の肌と燃えるような深紅の髪と瞳をしている。そしてまあ、これも当然だが炎系統の魔法をなによりも得意とする種族であり、水や氷系統の魔法を苦手とする種族でもある。

 アシャは腰にかかる手前くらいの長い髪をまとめてポニーテイルにしている。きりっとした顔立ちは女剣士を思わせるのだけど、なんとアグニは中華風の国で、ディアナが来ているのも、民族衣装でもあるチャイナ服に似た深紅の服なんだけども、実に良く似合っている。


「次は私、私はアイシクルレイを統べるミストラルが子サウラ・キーレ・シヴァノイス。私もまたユリィたちと会えて嬉しい」 


 そしてまあ、アイシクルレイは逆に氷と冷気を守護する種族で、純白としか言いようのない真っ白な肌と、白銀の髪とほんの少しだけ蒼みかがった銀の瞳をしている。こちらも当然ながら氷系統の魔法を得意とし、炎の魔法を苦手とする。一見相反する種族のように見えるが、実はシヴァノイスも中華風の国で、こちらは若干コリア風の文化も入っているけど、極めて似たもの通しの仲の良い種族であったりする。

 だからでもないだろうけど、サウラもアシャと同じくらいの長さの髪をポニーテイルに纏めている。だけどキリッとした印象のアシャと違い、おっとりとした雰囲気のサウラは何となくヒマワリを連想させる。純白のヒマワリと言うのも妙な話だが・・・。


「最後は私だな。私はヴァンパイヤが国アキシオンの第十王女マルグリット・ノイエ・アキシオン。当然だが、私もユリィたちとは古い中にある」


 ヴァンパイヤは要するに吸血鬼とも呼ばれる種族だ。だけどもこの世界ではアンデットでは勿論ないし、実の所は吸血も必要としない。まあ、ある意味当然だ。そもそも他種族からの吸血をしないと生きていけない種族など、脆弱過ぎて存続できるハズがない。ついでに、ニンニクも大丈夫だし、十字架も聞かないし、日の光を浴びて灰になったりもしない。ヴァンパイヤ単には夜に強いく、また不眠不休での戦いも可能とする種族だ。

 マルグリットは何というかどこぞの乙女ゲームの悪役令嬢を思わせる。金髪の見事のツインドリルに、蒼いキツイ眼差しの美人で、ある意味でサナとキャラが被っている。それにしても170センチを超える長身で抜群のスタイルに何ゆえに黒のゴスロリ?

 ・・・・いや、もの凄く似合っているし、ヴァンパイヤの女性の正装なのも知っているんだけどね。何とも言えない気分になるのはどうしてだろう?


 とまあ、この9人が新しく仲間になり、同時に俺の婚約者候補に既になっている。

 ・・・・・・実の所、あと少しで彼女たちとも会った瞬間に婚姻を結ぶところだった。

 それは彼女たち自身が食い止めてくれたのだけども、それでも婚約者候補との条件は逃れられなかった。


 正直、俺は何処に向かっているのだろうか・・・・・・・?


 嬉しいは嬉しいのだけども、これは違うだろと思ってしまう。

 まあ、地球において基本、ハーレムなんて結局は権力だのなんだのに群がるように出来るモノだったので、今の俺の状況も間違いではないし、レジェンドクラスの力を得た時点で当然の結果なんだけども。


「ああ、こちらこそよろしく。アベル・ユーリア・レイベストだ。まあ、とりあえずは見これから少しずつ互いの事を知って行けばいいさ」


 とりあえずは、いきなり婚姻させられそうになったり、婚約者候補にさせられたことを彼女たち自身がどう思っているのかを確認しないと。それからどうなるかは成り行き次第。

 だけども、彼女たちともユリィたちと同じように、心から信頼しあえる関係になれたらいいと本当に思う。



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