ヒーロー
〈verse1〉
思い出して子供の頃に憧れたヒーロー達を。
画面の向こうで戦う彼等を、僕等は眺めた羨望の眼差しで。
絶対的な正論を振りかざし、劣等種に繰り返し、
一方的な制裁を加える彼等こそが英雄。
疑いすらしなかった。身勝手な差別をさ。
純真無垢は時に悪だ。認めぬものへの関心は塵芥。
投げ捨てた、悪者の発する救難信号。
彼等の苦難、信用を、全部邪魔なものってさ。
〈hook〉
一部の人間以外歯車。隠す間もなく流れる涙。
都合良く世界回すために、払われる幾万の犠牲。
ヒーローに潰されるべきヒール。
彼らにだって正義はあるが、それ全部否定する事が、
ホントの正義だって教えられた。
〈verse2〉
二つがあって世界は回る。代償があって世界は成り立つ。
こんな救いのない世界に降り立つマリア様はいる訳ない。
強い者が勝って、弱い者が負ける。目を覆いたくなるような世界の現実。
突きつけられる粘質な視線。尖った精神は丸まらない。
正しいって何さ? 間違いって何さ? 誰が決めたんだ、そんな事さ。
考えなんて人によって違うだろう? 異なってても良いはずだろう?
なのに存在している異端者。処刑して悦に浸っていたんだ。
そんな奴等がのさばっていたんじゃ、これからも世界は変わらない。
〈hook〉
一部の人間以外歯車。隠す間もなく流れる涙。
都合良く世界回すために、払われる幾万の犠牲。
ヒーローに潰されるべきヒール。
彼らにだって正義はあるが、それ全部否定する事が、
ホントの正義だって教えられた。
〈verse3〉
壁の聳える屋外で充満する冷たい煙。
虚無感の冠を被った王様は、殺される恐怖に身を震わせた。
そのまま、いつしか動かなくなった。
間違ってはないはずの事が、時に誰かを押し潰す事だってある。
だけど、世界は多数派を守るために力を尽くす。
美しい景観を維持するために明確な殺意をもって。
同時に精悍な表情をもって。
救済を求める罪人達の頭上へと、無慈悲なギロチンを振り下ろす。
〈hook〉
一部の人間以外歯車。隠す間もなく流れる涙。
都合良く世界回すために、払われる幾万の犠牲。
ヒーローに潰されるべきヒール。
彼らにだって正義はあるが、それ全部否定する事が、
ホントの正義だって教えられた。