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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

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百合未満ビアン以下

作者: 与太猫
掲載日:2026/07/22

 私の指がふやけるほど触れてやった。甘い顔をして余韻に浸る女は、ただのセフレだった。綺麗な二重と小さな唇。不釣り合いなショートマッシュ。顔以外良いところがない。本当に顔だけは好みだった。

 先ほどその女が紡いだ言葉が、薄い縁の糸を断ち切る。

 正直、そろそろ付き合いきれなかった。


「ジェンダー、レス?」

「うん。好きな人になら打ち明けられるなぁと思って」

「あそう、じゃもう連絡しないで」

「は?! 私のこと受け入れるって言ったじゃん、は?」

「悪いけどわたしが好きなのは「女」なんだよね。ジェンダーレスならもうキャバもやめたら?」

「いや、それは仕方なく」

「あっそう、男の家に寄生してるくせにビアン名乗るのやめな。バイバイ」


 やっぱり付き合いきれないと思った。

 私の捨て台詞を肴に、今度はどのバリタチを引っ掛ける気だろう。

 部屋を出ようとして、顔を上げた。

 好みの顔が泣いている。


「どうしてそんな酷いこと言うの……」

「お前が酷いからだよ、ただのセフレだろ」

「ねえ、やだよ行かないで」

「じゃあ次から私はネコしかやらないけどいい?」

「…………」

「ほら見ろ」


 お前はビアンじゃない。お前は「男性器」と「男性ホルモン」が嫌いなだけだ。女性に抱かれる自分が好きなんだろ。

 私は別にネコをやりたいわけじゃない。この女が、男の甘い汁啜って、女の良いところだけ食って、しまいには中性のいいとこ取りしようとし始めたから、呆れ果てただけだ。


「最低!」


 金切り声を上げて、セフレだった女は枕をぶん投げてくる。私の肩に当たって、重たい枕は落ちた。


「女になったら戻ってきな」


 笑って言ってやったら、そいつは呪詛を撒き散らしてきた。

 万札一枚をガラステーブルに置いて、扉を閉める。

 どうせ明後日には、またこの女から連絡が来るだろう。そして私は返してしまうんだ。

 お前が、その顔の女の身体で居続ける限り。

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