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「心の隠れ家」  作者: あーちゃん


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8/8

『名前のない明日へ』

人はよく、「忘れれば楽になる」と言います。


けれど、本当に大切だったものほど、

忘れることなんてできません。


消えない後悔。

胸の奥に残る傷。

今でも思い出してしまう景色。


それらは決して弱さではなく、

あなたが誰かを大切に思ってきた証です。


この詩は、

何かを忘れるためではなく、

何かを抱いたまま歩き続けるあなたへ贈ります。


今日という一日が、

ほんの少しだけ優しく終わりますように。

名前のない明日へ


大丈夫じゃない日を、

大丈夫なふりで越えてきた。


笑いたくない朝に笑って、

泣きたい夜に黙って、

誰にも見えないところで、

心の端を何度も縫い合わせてきた。


「もう平気」

そう言った声が、

いちばん震えていたことを、

本当は自分だけが知っている。


忘れたいのに忘れられない記憶がある。

許したいのに許せない言葉がある。

手放したいのに、

手のひらに残り続ける温度がある。


それでもあなたは、

今日まで生きてきた。


誰かに褒められなくても、

誰かに気づかれなくても、

朝が来るたび起き上がり、

夜が来るたび眠れない心を抱きしめた。


強い人だからじゃない。

弱さを捨てなかった人だから。


傷ついたままでも、

優しさをなくさなかった人だから。


明日は、

まだ名前のない場所にある。


失敗とも、

成功とも、

幸せとも、

不幸とも決まっていない。


だから、

今日の涙だけで、

明日のすべてを決めなくていい。


今はまだ、

光が遠く見えてもいい。


歩幅が小さくてもいい。

立ち止まってもいい。

戻ったように見える日があってもいい。


人生は、

まっすぐな道だけでできていない。


迷った道にも、

泣いた夜にも、

遠回りした季節にも、

いつかあなたを守る意味が宿る。


「こんな自分じゃだめだ」と思った日も、

本当は、

あなたがあなたを諦めた日ではなかった。


変わりたいと願ったから、

苦しかった。


大切にしたいものがあったから、

傷ついた。


まだ生きたい何かがあるから、

今日も胸が痛む。


だからどうか、

自分を責める声よりも、

小さく残った願いの声を聞いてほしい。


明日、

全部が変わらなくてもいい。


ただひとつ、

昨日より少しだけ、

自分に優しい言葉をかけられたなら、

それはもう、

静かな奇跡だ。


あなたの中には、

まだ終わっていない物語がある。


誰にも読まれていないページ。

まだ書かれていない言葉。

まだ出会っていない景色。


名前のない明日は、

あなたを責めるために来るんじゃない。


あなたがもう一度、

息をしてもいいように、

そっと扉を開けて待っている。


泣いてもいい。

迷ってもいい。

強くなれない日があってもいい。


それでも、

あなたがあなたとしてここにいることは、

何ひとつ間違いじゃない。


傷を抱えたままでも、

明日へ行ける。


涙を拭ききれなくても、

朝を迎えられる。


過去を消せなくても、

未来を選ぶことはできる。


だから、

今日の終わりに、

小さくでいいから言ってあげて。


「ここまで来てくれて、ありがとう」


その言葉が、

名前のない明日に、

最初の光を灯すから。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


この詩は、

何かを完全に乗り越えた人ではなく、

まだ途中にいる人へ向けて書きました。


忘れられない過去があっても、

消えない傷があっても、

それでも人は、

少しずつ明日へ向かうことができます。


今日のあなたが、

無理に強くならなくても、

無理に笑わなくても、

そのままで少しだけ救われますように。


名前のない明日が、

あなたにとって優しい一日になりますように。

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