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『妖精の取り替え子』認定喰らって即寒村送り!弱小氏族次男坊の独立戦争記  作者: くろすーおーばー
第一章 幼少期(グレンガルト・トゥア編)

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21:ロンダー家の蜂起  ――敗れざる布石――

沢山の方に読んでいただきランキング入りを目指しています。

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我がロンダー家の紋章は獅子だ


されど我が家を恐れる者たちは


双頭の狼と呼ぶ


並び立つお祖父様とお父上を前にしては言えぬ卑怯者どもの戯言だが少年はその名が好きだった


家紋ではなく偉大なる祖父と父の実力が人々にそう()わしめているのだと実感させてくれるから…


お祖父様は

「我が家こそ王を継ぐ者だ」

と言った、集まった者たちは呼応して雄叫びを上げ、剣を、槍を、空に向かって突き立てた


お父上は

「今こそ我らの王家の血を示す時」

威風堂堂、大勢の兵を連れ城から挙兵した


城は無血で屈服


港は既に我らが手中に有り


諸侯からの傘下への打診


次々と舞い込んでくる朗報に少年は胸を躍らせる


お祖父様の知が諸侯を動かし、お父上の武を持って開城させた

海路も街道も我が一族を無視して流れることは出来ない様にしたのだ


だが…いつからか使いの者の覇気に陰りが見え始めた、三度目より四度目、五度目より六度目と焦燥に染まる使いの顔


そして摂政団からの使いは来なかった…


「お祖父様…私たちは勝つのですよね?」


「それを口にするという事は、お前にも時の風を見る力が育ちつつ有るということだ…そしてお前の内なる焦燥それは正しい、この戦いは勝てぬであろう」


「お祖父様とお父上の力をもってでもございますか?」

「そうじゃ、じゃが得るものが無かったわけではない、お前にはそれが何か判るか?」


「分かりません…」

悔しくて奥歯を噛みしめる


「摂政団も哀れなものよ…海の向こうに居る何も知らぬ幼きおなごに縋れば世は事もなしなどと考えておるとはな…」


「じゃからこそ、我らは示さねばならなかったのだ。ロンダー家に王家の血が流れている事を、我らが決して諦めぬ一族だという事を、この牙を諸侯にも摂政団にも突き立て、彼奴(きゃつ)らの胸に深く刻みつける…そうする必要が有っただけのことよ」


老いたロンダー家当主、アーディバル・ロンダーは窓から差し込む陽光を見つめて言った


戦のさなかだと言うのに優しく孫の手を取り

「今のお前にはまだ無理もない、眼でしかものを見ようとしておらぬからな」


当主と同じ名を持つ少年は唇を噛み締める


「どれだけ計算高く企てようとも時の流れは神のみぞ知る、上手く行かぬときは上手く行かぬものなのじゃ、しかし儂は言ったな『勝てぬ』と、しかし『負けた』とも言うてはおらぬ、お前がこれを活かせばそれは我が一族の王への『布石』に変わる」

そう言って祖父はしたたかに口角を上げたのだった


「ーーそれは」

「学ぶのじゃ、祖父である儂の人生も、そちの父の行いも…その先に一族の栄光は在る」

少年が負うには重すぎる責…しかし少年は力強く答えた


「はっ、必ずや王位を、王冠をこの地に齎して御覧にいれてみせましょう」

尊敬する祖父の「勝てぬ」という言葉に屈辱を味わい『布石』という言葉に活路を見出した少年の灰青色(スチールブルー)の瞳は、まっすぐに祖父を見つめていた


後に英雄アーディバル・ザ・ロンダーと謳われる十二歳の少年は、「価値在る勝てぬ戦」の意味を知るために生涯を掛けて邁進していく事となるのだった


しつこいようですがランキング入りを目指しています。

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