ep.13『択一』④
ラピアはヴォルガーの厚い胸板……その間にある鳩尾の辺りに両手を添えて、魔力を流し込んでヴォルガーの体内を探る。
リアがヴォルガー自身の魔力を抑え込んでいるおかげで、検査は実にスムーズだった。
ヴォルガーの体内……特に胸部、その中でも乳首を重点的に調べていくうちに、ラピアは何か違和感を覚える。
内部から覚えた違和感を外側から確かめるように、ヴォルガーの乳首をまじまじと観察する。
やはり艶やかで美しく、それでいて逞しく隆起したヴォルガーの桃色乳首……。
しばらく見続けて、ラピアはハッとその違和感の正体に気がついた。
「そ、そういうことだったんですね!!」
「何かわかったのじゃ!?」
「ヴォルガーくんの乳首を見てください!! 勃起しています!!」
「そんなことは言われんでもわかっとるんじゃ!!」
「いえ……よく考えてみてください!! ヴォルガーくんは寝ているんですよ!!!」
「それがなんなんじゃ!!!」
「本人が寝ているのに乳首だけが起きている……そんなことがあると思いますか!!??」
「??????」
あまりにも想定外の切り口に、さしものリアも思わず言葉を失ってしまう!!
「それは……よくわからんがあるのでは!!?? 寝ている人間の乳首をまじまじと見つめた経験など無いからわからんわ!!!」
「キルデイルが催眠をかけたのは脳ではなかったんです!! 催眠をかけられたのは……乳首だったんです!!!」
「??????」
「以前にキルデイルがかけた『乳首開発をできない』という催眠に比べて、今回の『乳首が激しく痺れる』という催眠はあまりにシンプル……恐らく、乳首単体では複雑な思考ができないが故に、催眠も単純なものを選んだのでしょう」
「乳首単体で思考できるという情報が初耳すぎるんじゃが???」
一向に追いつかないリアの思考はおかまいなしに、ラピアの思考は加速していく!!
「リア様、そのままヴォルガーくんの魔力を抑え続けてください!!」
「わ、わからんがわかったのじゃ!!」
リアがヴォルガーを気絶させている間に、ラピアの処置は進んでいく!!
魔法使いであるリアにははっきりと見える。ラピアの魔力がヴォルガーの厚い胸板を、そして乳首を駆けめぐる様が!!
その強い魔力は艶やかな先端部に集まっていき、そして激しい閃光となる!!!
バチバチバチバチィィィィッッッ!!!
「お゛お゛お゛お゛ぉぉぉぉんんッッッッ♡♡♡♡」
飽和した魔力が乳首から放たれる蠱惑的なスパークリング!!!
その刺激に気絶中のヴォルガーもたまらず喘ぎ声をあげる!!!
宿屋の外にいる人達が『あの部屋では一体何が起こっているんだ!!??』とざわつく程の眩い閃光が迸り……その輝きが徐々に失われたかと思うと……
しなっ……
と、ヴォルガーの乳首も急速にその力を失っていく。
「こ、これは成功……なんじゃろうか?」
首を抑えていたリアが、その萎えた乳首を見てラピアに尋ねる。
「……もう少し、魔力を抑えたままでいてください」
ラピアはそう言って、ヴォルガーの厚い胸板を撫で始める。
堅いながらも沈み込むような弾力を持つ、その感触を確かめるように……。
乳首……いや、乳輪に触れるか触れないかのギリギリまで攻めるように指先で丹念に触れていく。
「……いや、医療は専門外じゃが……多分、治療は終わっとるんじゃよな?」
「そういう問題ではなく……」
「そういう問題じゃろ!?」
「ついで!! ついでですから!!」
「何がついでなんじゃ!!」
「肝心なところには触ってないんだからいいじゃないですか!!」
「いいわけあるか馬鹿者!!!」
リアに咎められてもラピアの蛮行は収まらない!!!
ラピアは血走った目で厚い胸板に触れ続ける!!!
「これ本当にもう少し……もう少しだけ」
「えぇい!! 目を覚ますのじゃヴォルガー・フィルヴォルグ!!!」
バチバチバチィィィッッッ!!!
「お゛お゛ぉぉぉ!!???」
リアの気付けによってヴォルガーは飛び上がるように起床!!!
「ひゃぁっっ!!」
傍らから胸板を触り続けていたラピアはその勢いにゴロゴロと転がる!!
「んっ!? 乳首の痺れが……俺は治ったのか!!?? かたじけない、ラピアさんに姫様……大丈夫かラピアさん!?」
お礼を述べた直後に転がったラピアを見つけ、ヴォルガーは思わず駆け寄る。
「は、はい……何も問題なく治療は成功しました!!」
ラピアは晴れやかな笑顔で親指を立てて答えた。




