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ep.7『豊満』③

 聞き間違いかな? と思ったヴォルガーだったが、見上げてみれば確かに『ようこそデカパイ村へ!!!! 納涼!!デカパイ祭!!!第8547回本日開催!!!!』と、大看板に力強く刻まれている。


「……ちなみにだが『デカパイ』とはどういう意味だ?」

「『大きな乳房』という意味にございます」

「……そうか。いや、まぁ、それしか無いとは思うが……」

「村の守り神である『豊乳神龍(デカパイドラゴン)様』にあやかってこの名前がつけられました。豊乳神龍(デカパイドラゴン)様の恩恵を受けたこの村では、バストの豊かな女性がとても多いのです」

「わかった。村の説明についてはわかった。依頼の話に移ろう」


 『バストの豊かな女性がとても多い』と言われても、周囲を眺めてそれを確かめることはヴォルガーには憚られた。頭が痛くなってきた。


***


 依頼について改めて説明するにあたって、ヴォルガーとラピアは村の集会所へと案内された。

 集会所の中の、小さな一室。

 そこには今年の巫女――生け贄に選ばれてしまった少女と、その父親が待っていた。


「彼女が今年のデカパイ巫女に選ばれたフラノです」


 村長に紹介されたフラノは憔悴しきった顔で、少し頭を下げて挨拶する。


「フラノです……」

「大丈夫です、無理しないでください」


 ラピアに気遣われ、少女は頭を上げる。

 白い巫女服に包まれた彼女の乳房は、確かにデカい。夏の果実を思わせる豊かなシルエットであった。


「このデカパイ村では毎年、村で一番のデカパイ娘が生け贄として豊乳神龍(デカパイドラゴン)様に祈りを捧げる慣わしになっております。そして、今年のデカパイ巫女が彼女なのです」


 村長の説明を横で聞いていたフラノの父親は、目に涙を浮かべて心中を吐露し始める。


「こんなこと……こんなこと考えちゃいけねぇんだけどよ……」


 話しているうちに、彼の目からはたまらず涙が溢れ出す。


「去年選ばれたのはスイカ農家のシトロの娘で、一昨年は酪農家のタインの娘で……どうして、どうして俺の娘が選ばれたときに限ってこんな……こんな……」

「おとっつぁん……!!」


 フラノはたまらず父にしがみついて一緒に泣き始めた。


(『村一番のデカパイ』ってそんな毎年更新されるものなのか……?)


 父娘には申し訳ないが、ヴォルガーの頭にはどうでもいい疑問が浮かんで仕方がなかった。


「安心してください!! 私達がなんとかしますから!!」


 ラピアは努めて明るく励ますが、父娘の不安はなかなか払拭されない様子だった。


「さて……本題はここからです」


 村長は改めてヴォルガーとラピアに向き直り、話を始める。


「我々としては豊乳神龍(デカパイドラゴン)様に話を伺い、生け贄を求める真意を聞きたい。しかし、なんの力もないデカパイが向かっても相手にされないでしょう。そのため、フラノに代わるデカパイ巫女を立てたいのです。巫女に相応しいデカパイを持ち、なおかつ有事に対処できるような戦闘力を持ち合わせたデカパイ巫女です」


 気になるところは多々あれど、ヴォルガーは村長の話を一旦理解した。


「なるほど。豊かなバストと高い戦闘力を持ち合わせた人間が必要になるわけだな……しかし、そんな人間が都合よくいるものだろうか?」


 素朴な疑問を口にするヴォルガー。

 しかし、周囲の視線はそんな彼へ一直線に注がれていた。

 ――ヴォルガーの、ぶ厚い胸板に。


「……ん? 一体どうしたんだ?」

「ヴォルガーさん、デカパイ巫女になっていただきたい」

「あ゛っ!!!???」


 ヴォルガーは思わず大きな声を出した!!

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