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どんな未来にも愛はある 7

「本当に……すまない……」

 ただただ涙をこぼしながら謝るレイフをみて、クレイグは少しかっとしていた自分に返った。

 だが、そのレイフが言おうとする事実を、受け入れられないでいるのだ。今もまだ。

「……少し一人にしてください」

「……わかった、……これ、あいつがお前に……最後に書いた手紙だ。これだけ、渡したくて……」

 レイフがそう言いながら置いて行ったのはくしゃくしゃになったウィルの手帳の紙。レイフが出て行った部屋で、クレイグはそっとその紙に手を伸ばした。


”親愛なるクレイグへ


この間のこと、深く反省しながら、いま俺は地中数十メートル下の焼却施設にいます。


もしかしたらもうお前に会えないかもしれないから、ここで謝罪しておく。後悔しながら死ぬのも嫌だしな。

人生最初で最後のお前宛の手紙だから、本当のことを書くよ。


俺にとってお前は、ただの親友じゃなかった。

どんな高いハードルも、どんな入り組んだ迷路でも、お前となら乗り越えられると強気になれる。

最高のパートナーだった。

お前にとって俺は、どうだったんだろう?


本当はお前の結婚式も見てやりたかったんだけど、

それは無理そうだ。

しょうがない、これが仕事だから。

でも心配はしてないよ。

お前のことだから可愛い嫁さんと子どもと、この先もずっと幸せに暮らしていくんだろうし。


俺にはお前の幸せな未来が見えるよ。

こんなこと言うのは照れ臭いけど、

本当にいままでありがとう。

一生分の感謝と幸福を大事な友、クレイグに。


ウィルフレッド・ブラッドバーン”



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