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裏探偵トウヤ  作者: KS
正義の三人
9/16

第9話 激突

「うおおお」

戦いの火蓋はリューニーの風遠撃から始まった。


スパァン


シャラクの左腕が真っ二つに切断される。

「凄いな。こうも簡単に切られるとは」


シャラクは笑いながらそう言い、10秒も経たないうちに再生した。正攻法では埒が明かないのかもしれない。


「カンレ、リューニーに支援魔法を」

「はい!」


キュィィ


「支援魔法か?オーラでわかるぞ。姑息な戦い方をするもんだ」

「それでお前を倒せるんなら、戦い方なんざに俺はこだわらねぇ」


リューニーはそう言い放ち、何度も何度も斬撃を繰り返す。俺はその後ろから支援魔法を送ったり、隙を見て電撃の魔法をシャラクに喰らわせた。しかし。


「軽いな。ダメージになっていない」

その全てを軽く再生して見せるシャラク。その言葉通り、ダメージにすらなっていない様子だ。


支援魔法で火力の上がったリューニーの斬撃も、魔法を纏っていないものはダメージが入っていない。そうなれば。


「リューニー!魔法剣術を使いまくれ!」 

「そんな事したら魔法エネルギーが尽きるぞ!」

「俺がいるだろ!尽きたら注ぎまくるだけだ!」

リューニーは渋々承知し、風遠撃と近円斬を何度もシャラクに喰らわせる。


「いいねぇ!ダメージが上がった。面白くなってきたじゃねぇかよ!」

シャラクは興奮しながら叫び、リューニーに左腕を振った。それと同時に衝撃波が起こり、リューニーは強く吹き飛ばされた。


「リューニー!」

「ここからが、本当の戦いだぁ!ハハハハハ!」

リューニーは再び近円斬を放ち、距離をとられれば風遠撃を放つ。しかし、効かない。いや、効いているが異次元の速度で再生され、ダメージを喰らわせられていない。


「うりゃああ!」

「その程度か?お前の剣術は!」

「くそ!舐めやがって!」

しかし、ダメージは変わらず入らない。

「もう飽きたな。単純な攻撃で、面白味がない。終わりにしよう」

なんだ?何が来る?


「晴天の輝き」


その途端、辺りは光に包まれ、超高温な熱線が襲った。


「大丈夫か!リューニー」

「ああ、大丈夫だ」

結界が間に合ったか。だが、カンレは喰らってしまった。

「カンレ!下がっておけ」

「すいません。トウヤさん」

「気にするな!自分のことを最優先にしろ」


カンレは高度ではないが一応治癒魔法を使える。時間をかければ動ける程度には回復できるはずだ。今考えるべきは…


「結界か!そんなに素早く張れるとは、お前相当な手慣れだろ?裏探偵」


今の魔法、恐らくは炎魔法の中の光線魔法。それも超高度な光線魔法だ。恐らくはあのレベルの魔法を複数所持している。次喰らえば恐らく結界は割られる。そうすればしばらく張ることができない。こうなったら…


「リューニー。荒技に耐えられるか?」

「ああ。こいつを殺すためなら俺は命を捧げる。俺はこいつを殺すためにお前について来たんだ」

「分かった。今から俺の電撃魔法をその剣にほぼ限界まで注ぎ込む。そしてお前にも支援魔法を限界まで注ぎ込む。耐えて、シャラクに致命傷を与えろ」

「耐えられなければどうなる?」

「四肢が弾け飛ぶ」

「そうか…。よし、やろう」

その言葉を聞き、俺は作戦を実行した。


「そう来るか!裏探偵!」


リューニーは常軌を逸した速度でシャラクへと近づき、近円斬で胸を深く斬りつけた。


「グハッ」


電撃魔法を纏った剣はシャラクに大ダメージを与えた。


「何だ?この威力は」

「電撃魔法だ」

「やってくれるなぁ裏探偵!お前の仕業か!」

リューニーは再び近付き、さらに一撃を入れようとする。


「そう簡単にやられるかよ!」


シャラクはその一撃を受け、首が落ちた。しかし。


「晴天の恵み」


その瞬間シャラクに光が降り注ぎ、首は再生し、胸の傷は一瞬で治癒された。


「は?何だ…今の」

リューニーは意味がわからず立ち尽くした。荒技をした影響で、動けない様子だった。しかし、シャラクも魔法エネルギーが不足し、消耗していた。


「ここでお前らを殺したかったが、どうやら至らないようだ」

「待て!シャラク!」

俺はシャラクと戦おうと体を動かそうとしたが、動けない。


「裏探偵。お前には拘束魔法をかけた。俺の残りの魔法エネルギーのほとんどを使ってな」

最高レベルに近い拘束魔法だ。時間制限をつける代わりに、より強く拘束の効果が付与されている。


「次は殺してやる。裏探偵。副団長」

そう吐き捨て、シャラクは消えていった。



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