表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏探偵トウヤ  作者: KS
魔王城
24/24

第24話 初戦

暗い空、重い空気。何度目か分からないこの景色はいつ見ても気を重くしてくれる。


「ここが魔王城だ」

「城というか…施設?工場みたいだ…」


人類の作る城のような天守閣などは一切なく、四角系で統一され組み立てられたその城は外から見ても威圧感を放っていた。


「魔王城は4階建て。一階から二階が通常のアンデットが行き来できる範囲で、そこまでトラップもないし構造も比較的単純。三階から四階が五大官、魔王のみ入れる範囲で異常なまでに複雑でトラップが張り巡らされている」


「ひとつ思ったんだが…転移魔法で四階の魔王のあるところへ転移すればいいんじゃないか?」


ここに来てそれを言えるのがリューニーらしい。


「魔王城の中には結界のような魔法が張り巡らされていて、アンデットのみ転移魔法で中へと入れる。3人で来た時点で不可能だ」


「リューニーは置いておいて早く入ろう、トウヤ」

「置いておいてってなんだよ!ロイ!おーーい」


緊迫感が薄れるなぁ。本当、調子が狂う。

門の前へと歩き、ゆっくりと開いた。石のような素材の扉は地響きを鳴らしながら開いた。


「……」

「何も…いないか?」

「ああ、そのようだなリューニー。進んで良さそうだ」

「思ったよりも広くはないな」


「見えてる範囲ではな、ロイ。一階の構造は今いるこの大広間から三つの通路に分かれている。正面に見える通路と、左右に見える通路。そのうち二つが当たり。当たりの通路はどちらもひとつの大階段へと続いている」

「ハズレの通路にはなにが?」

「呪いが立ち込めている。入った時点で人間もアンデットも即死だ」


魔王城の攻略は未知数。構造も知ってはいるが魔法でいくらでも目くらましが効くし、未だ知らない構造もあるかもしれない。


探り探り、慎重に、それでいて素早く進むことが求められる。何とも鬼畜だ。間違えれば即死の道があるのだから。


「じゃあ俺たちは今から運ゲーをしないといけないのか?」

「いや、ハズレの通路は真ん中。それは知っている」

こんな状況で運ゲーできるはずがないだろ?リューニー。まあいいが。


「左右の通路には何が?」

「それぞれ広間がある。特に変哲もない。恐らくアンデットが配置されているだろうな」

「で、今からそいつらを倒しながら最上階の魔王まで進んでいくと。要領は掴んだ。進もう」


方針を確認し、何となくで右から進もうと考えた矢先、気配を感じた。


「伏せろ!二人とも!」


ズバァン


斬撃、というよりは光線か。頭の上を掠めていった。


「ヤットキタカ。テルペト」


機械仕掛けの体にその声。五大官の五、オルターか。


「トウヤ、あいつは?」

「五大官の五だ。気をつけろ」

「いきなり五大官か。リューニー、右を頼む」

「ああ。任しとけ」


あいつの魔法は爆撃。ならば閉所は不利か?戦うべきは…


「二人とも、外だ。外で戦うぞ」


そう言って扉に手をかけたが、扉はびくともしなかった。魔法なのか?この扉に結界がかけられていて動かない。


「トウヤ?」

「すまない。外は無理だ。中でやつを相手しよう」


先に仕掛けたのはオルターだった。爆弾を俺たちの足元に撒くと同時にいくつか地雷を仕掛けた。爆弾は結界で防いだがあの地雷が厄介だ。考えていると、ロイが正面から突っ込んでいった。


「バカ!目の前には地雷が!」


一つ一つ、ロイが踏んでいった地雷が起爆していったが、そのどれもが致命傷にならなかった。地雷が爆発するより速くオルターに近づき、爆風の直撃を避けていた。


「キサマ、ドウイウカラクリダ!」

「教えるかよ機械野郎」


どんどんと距離を詰めていき後少しで刃が届きそうなところまでいったが、そこまでだった。


ドガァン


爆発音と共に周囲に瓦礫が飛び散り、どちらの姿も見えなくなってしまった。


「リューニー、ロイの安全を!」

「了解した!」


刃が触れると同時に爆発か。一瞬で爆弾を生成したか?


「ロイ!」


リューニーの叫び声と共にロイの姿は目に入った。致命傷となる外傷はなし。どうやらあの爆弾は爆風だけのようだ。爆弾の特性も決めれるようだな。あの魔法は。


「すまない。行けると思ったんだがな」

「いいさ。俺も側から見ればいけると思った。次だ」


正攻法では攻撃する前に爆弾で割り込まれるな。相手も自爆覚悟だから死にはしない威力だが…。オルターは言葉は発さず再び地雷を展開。戦闘は再び膠着状態になった。


「ロイ、リューニー、ここは少し、俺に任せてくれるか?」

「何か策が?」

「ああ。あまり使ったこととがないがな」


リューニーの言葉に返事をしつつジリジリと、地雷を踏まないよう慎重にオルターに近づいていった。


「ツギハオマエカ?」

「舐めた口を聞くなよ?たかが五の分際で」


10メートル以内まで近づいた瞬間、半径10メートルの結界を張り、俺とオルターのみを閉じ込めた。


「イッキウチカ?」

「ちがう。俺が一方的に殺す」

「ロイ、あの結界は?」

「内殻結界。内側を固めた結界で普通の結界とは仕組みが違う。確か、球体でしか展開できないんだったかな」


内殻結界に閉じ込めたら、展開した本人以外が内側から破壊することはほぼ不可能。その代わり餓死などはしないから戦闘で殺す必要はあるんだがな。


「お前の爆弾。この距離で爆破させようもんならお前も被弾するだろう?」

「バクハキョリヲシテイデキナイトデモ?」


カラン。


小型爆弾!素早くオルターに近づき避けつつ一発攻撃を入れた。


「内殻結界の一つの強みは、魔法エネルギーの差が大きい時、結界内の相手の魔法エネルギーを自分のものにできることだ。お前を殺すには大技使わないといけないからなぁ。あの二人傷つけないためにこうするしかないんだよ」


地面に電気を通し意図的に地雷を爆発させ、結界内に魔法エネルギーを充満させた。少しダメージは喰らったが、これくらいはどうとでもなる。充満させた魔法エネルギーにマイナスの電荷を付与し、こちらからは、プラスの電荷を付与した高密度の電撃を放つ。


「イマデモ、オマエトハオオキナサガアルカ」

「負け惜しみか?」

「イヤ、アキラメダ」


ドォォン


電撃が連鎖し、結界内を電撃が埋め尽くした。直後、オルターは灰になり、消えた。


「すごいなぁ、トウヤ」

「初めて使ったがな。あんな使いにくい結界」

「確かに特性は使いにくいが魔法エネルギーが甚大なトウヤなら、他の五大官にも使えるんじゃないか?」

「いや、これから相手する奴らはオルターの倍以上の強さだと思う。逆に言えばあいつは弱すぎた」

「倍以上、か」


シュルツ、クレン、そして魔王。あいつらは別格だ。ここから先は、警戒を強める必要があるな。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ