表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏探偵トウヤ  作者: KS
五大官
19/23

第19話 混沌

戦況は悪化した。ガルテの魔法で将軍が何体も出されて、戦場にいるアンデットの数は1500を超えていた。リューニーは依然下を向いたままで、立ち上がる様子がない。


「ロイ、将軍から片付けてくれ!」

ロイに指示を出すと同時に、自分も電撃魔法で周りのアンデットを一掃した。


「良い魔法だな。だがいつまでそんなことを続けるつもりだ?戦況は悪化するだけだぞ」


この戦況の中で最もやるべきことは、アンデットをロイに任せガルテを倒すこと。

だがリューニーの母がいてはそれもできない。埒が開かない。


リューニー、頼む…覚悟を決めてくれ…その刹那、横から疾風の如く進む影があった。


「リューニー!」


リューニーはガルテのもとへと突っ込んだ。他のアンデットからの攻撃を気にすることなく。そして、一太刀を浴びせた。


「リュー…ニー…」


ロイは驚き、一瞬の間立ち尽くした。リューニーの目の前には、自らの母の首が落ちた。


「俺のやらなければいけないことは、これだ」


ドォン


一瞬の隙を見逃されず、リューニーは再び吹き飛ばされた。


「大丈夫か!?リューニー」

「ああ。トウヤ。俺はもう、大丈夫だ」


そう言って吹っ切れたように笑ったリューニーだったが、その目は上手く笑えていなかった。


「すまないが、今は頑張ってくれ」

そう言い、俺はガルテへ照準を合わせた。

「ロイ!道を開けてくれ」

「了解した」


ロイが俺とガルテの間のアンデットを倒し、一筋の道が開けた。俺は迷わず、ガルテに電撃の光線を浴びせた。


ドォォォン


「こんな使い方もできるんだぜ?」


大量のアンデットを呼び出し、攻撃を無力化したか…だが、今ので200から300くらいは消し飛ばせただろう。


「だが今の出力は少々面倒だなぁ。本気でいかせてもらおう」

なんだ?アンデットがガルテに吸収されていく?

「リューニー、下がれ!」


今ここでリューニーを死なせるわけにはいかない。

「今ここにいるアンデットの魔法エネルギーを集約すればどうなると思う?」

まさか、あの数を捨て駒にする気か?


「答えは、五大官をも超える威力を出すことができる!」


1500以上いたアンデットが全てエネルギーに変換され、暴力的なエネルギーが生まれた。あれに対抗するなら属性結界か?いや、ただのエネルギーに属性はない。ならば…


ドゴォォン


放たれたエネルギー波は、俺の右半身を消し飛ばした。


それもそのはず、俺は結界を左半身に絞り発動した。俺の体は消し炭にさえならなければ再生する。


遠くにいたロイに合図を送り、リューニーにも合図を送り俺は再びガルテの方へ向き直した。


「よく半身が残ったものだ。威力だけならシャラクにも劣らない代物なのだがなぁ」

「次はお前の番だぜ…。受け止めろ!」


指先に電撃魔法を集中させ、先程よりも出力を上げてガルテの胸元へ光線を放った。だがガルテは先程と同じくアンデットの肉の壁で防ぎ切った。


「さっきもやっただろう。いい加減飽きてきたぞ?」

そう思うのも無理はない。さっきのを出力を上げただけだからな。これが本命だったら俺の負けだったかもしれない。


「!!お前ら…!」


光線がいい具合に目眩しになり、ロイとリューニーが気づかれずに接近できた。ガルテは焦ってアンデットを乱雑に召喚するが、ロイがその全てを処理し切った。


「リューニー!やれ!」

俺はリューニーに支援魔法と、結界を施した。


キュィィ


「近円斬」


ガルテが召喚したアンデットを巻き込み、リューニーはガルテの首を落とした。


「ガ…ァァ…」


死んだか。まだ日は落ちていなかった。体感、すごく長い戦いだった。


「みんな、一旦近くで休もう」


目的地より近い国に、一旦休息をとりに行こうとしたその時だった。


ドォン バァン

爆弾…!?


「無事か!」


振り返ると、目の前にまたもう一発爆弾が降ってきた。くそっ…間に合わなかった…三人は爆弾に巻き込まれてしまった。


「大丈夫だ!トウヤ」


ロイの声が聞こえた。と、同時にもやが晴れ、三人の姿が見えた。どうやら、爆風は剣技で吹き飛ばし、火傷以外の外傷はなかった。しかし火傷がひどい。すぐにでも国へ向かおう。


「対象人物生存を確認」


誰だ?上を見ると見覚えのあるシルエットが浮かんでいた。五大官の五、オルター。奴が来ていたのだ。


間髪入れず追加の爆弾をどんどんと投下してくる。結界でなんとか防いだが、草原はどんどんと焼け野原になっていく。


「三人とも、固まっておいてくれ!」

「なんでだ?トウヤ。俺たちも戦うぞ!」

「リューニー、五大官を舐めるな。俺が戦うから、引け」

「…分かった」


三人が一点に固まったのを確認し、ドーム状の結界を施した。さて、戦うと言ってもエネルギーが少し足りない。隙を見て退散するか。


「結界を確認。標的、個体名トウヤに絞り攻撃」

同時に十発の爆弾!だが空中で処理すれば良い話。


炎魔法を爆弾にぶつけ、爆弾は空中で盛大な花火の如く爆散した。その巨大な爆発に隠れて結界を解き、俺たちは急いでその場を退散した。


「五…官…名……ク……ト……認……」


去り際に何かオルターが言っていた気がするが、気にする時間もなく、急いで最寄りのジャンドラ公国に逃げ入った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ