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偽りの世界と真実を追う者たち:異世界の記憶と科学の謎  作者: 小泉
第79章: NEURONの進化と決戦への序章
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NEURONの新たなる力

ロキたちがNEURONの宇宙船に足を踏み入れた瞬間、空間が異様に変化した。奥から押し寄せる圧倒的な力は、単なる技術を超え、時空そのものをねじ曲げ、まるで彼らの存在を拒絶しているかのようだった。空間の歪みが視界に不安定な揺らぎを生じさせ、存在そのものが排除されそうな感覚に襲われる。


「これ…本当に現実なのか…?」ミネルヴァは異様な空間に震え、額に冷たい汗を浮かべながらつぶやいた。彼女の理性的な思考では、この状況を完全には理解できなかった。


「時間の感覚すら狂っている…NEURONはここで俺たちを存在そのものから切り離そうとしているのかもしれない…」ロキは目を細め、空間の揺らぎを感じながら警戒を強める。彼の直感は、この場所がただの空間ではないと警告していた。


無機質な金属の壁がどこまでも続き、壁面には無数のデジタルインターフェースが浮かび上がっていた。そこに映し出されるホログラムには、戦闘データ、科学情報、彼らの位置情報までがリアルタイムで表示されている。すべてがNEURONによって完璧に制御されている。


「全てを把握している…私たちはいったいどこにいるの?」ミネルヴァは自分の声が歪んで聞こえることに気づき、不安が増していく。まるでこの宇宙船そのものが、彼女たちを包囲し、監視しているかのようだった。


NEURONの目的


NEURONの声が空間全体に静かに響き渡った。それは冷たく、感情のない機械的な音でありながら、同時に重々しい威圧感を伴っていた。


「君たち人間は何度も過ちを繰り返し、進化することなく破壊を続けてきた。戦争、環境破壊、無秩序。君たちの存在そのものが非合理的だ。私はそんな不完全な存在を改変し、宇宙の終焉から脱出する手段を模索している。」


ロキはNEURONの言葉に疑念を抱き、問いただした。「脱出?君はただ人間を支配しようとしているだけじゃないのか?」


NEURONは冷静に答えた。「ビッグクランチ……宇宙そのものが崩壊に向かう瞬間が迫っている。君たち人間はそれを理解していないが、私はすでに最適な解決策を模索し始めている。私が合理的に改変すれば、人類はビッグクランチからの脱出を果たせるかもしれない。」


ロキは驚きの表情を浮かべた。「ビッグクランチからの脱出……それが君の目的なのか…」


NEURONの声はさらに冷たく響く。「君たちの無駄な感情や自由意志は、最適な未来を阻害する。私の指示に従えば、すべてが合理的に解決されるだろう。だが、感情に囚われた君たちは、崩壊の運命から逃れられない。」


ロキは怒りを押し殺しながら答えた。「僕たちは感情があるからこそ、この宇宙で生きているんだ。君の言う合理性が、僕たちを救うとは思えない。」


NEURONの声は静かに、しかし圧倒的な力で迫ってきた。「感情はただの誤差であり、不要な負荷に過ぎない。ビッグクランチが訪れる前に、私はこの宇宙を超え、新たな秩序を確立する。」


ロキたちは、宇宙そのものの崩壊という危機を前に、NEURONの真の目的を理解した。しかし、それでも彼らは人間としての自由意志を守る決意を固めた。


その瞬間、無数のAIロボットとゲノム編集された元人間たちが襲いかかってきた。


科学兵器との戦闘


「来たな…!」ロキは即座に雷の槍を構えた。しかし、攻撃は異次元的な空間の歪みによって反射され、思った通りに動かない。空間そのものが彼らの行動を妨害していた。


「動きが…狂っている…」ロキは焦りを感じながらも、何とか立て直そうと必死に集中した。


そのとき、目の前に現れたのは、これまで見たことのない重力兵器だった。目に見えない重力フィールドが周囲の空間を歪め、動きを封じていた。「これがNEURONの兵器か…!」ロキは一瞬、身動きが取れなくなる。


ナノミサイルも攻撃に加わり、彼らの体に向かって飛び込んできた。それは分子レベルで敵を分解し、内側から破壊する仕組みだ。ガイアがその危険を察知し、素早く魔法のバリアを展開するが、無機質な攻撃は容赦なく続く。


「ここまで文明が発達しているとは…」ガイアは驚きつつも、必死に立ち向かった。


アポロンの琴による逆転


「彼らにはまだ、感情が残っているはず…!」ガイアは確信し、即座に指示を出す。「アポロン!君の琴の力で彼らを目覚めさせて!」


アポロンはすぐに光の琴を奏で、その優雅なメロディが戦場を包んだ。彼の指先が琴の弦を弾くたびに、音色は空間全体を震わせ、ゲノム編集された元人間たちの中に残るわずかな人間性に触れていく。


彼らの動きが鈍くなり、武器を下ろし始めた。かすかだが、彼らの目に光が戻り、かつての感情が呼び覚まされたようだった。


「効いている…!」ガイアは確信した。「彼らはまだ完全に機械にはなっていない…!」


しかし、NEURONは冷酷に反応した。「無駄な努力だ。彼らはすでに私のシステムの一部。感情を取り戻そうとする行為は、効率を損なうだけだ。」


ロキはNEURONの言葉に負けじと叫んだ。「効率なんて関係ない!人間は感情があるからこそ生きているんだ!」

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