1.人生初めての告白
俺、宮川隼人は今日、告白をする。相手は同じ学部の女の子、郡城美羽さん。
大学のミスコンを二連覇している美の容姿を備えた女性。
人生初めての告白だが、勝算はある。
何故なら郡城さんはいつも講義前に俺の横に座り、話しかけにきてくれる。
話をしている最中はよく目が合うし、たびたび眩しい笑顔を俺に向けてくれるのだ。
これはもう私から告白するのは恥ずかしいから、あなたが私に告白してという意思表示に違いない。
そして今日、俺は食堂近くにある大きな桜の木の下に彼女を呼び出した。
早起きをし、歯磨きを入念に行い、自分の持っている服で精一杯のオシャレをして決戦に挑む。
春には綺麗な桜の花びらを満開させてくれるこの桜の木はすでに桜は全て舞い散り、青々とした若葉が生い茂っている。
彼女を待っている間、胸は大きく高鳴り、自然と息遣いが激しくなる。
このまま彼女に会ったら引かれてしまうと、大きく深呼吸をし呼吸を整え、ブレスケアを一粒、口にする。
口から爽やかなミントの香りしてくるのでこれで大丈夫。
準備万端の状態で彼女がやって来た。
整えたはずの呼吸が乱れ始める前に、俺は彼女に想いを伝える。
「好きです。よかったら付き合ってください!」
突然の俺の告白に彼女は一瞬、驚く様子を見せるが、やがて呆れたような素振りを見せる。
あれ? 様子がおかしい。
「ごめん、私、あなたの事を男として見たことないわ。それに私、銀行員の彼氏いるし」
「……え? じゃあいつも俺に話しかけて来てくれたのは?」
「だって宮川くん真面目に授業受けてるから、課題毎回やってるじゃん。課題教えてもらう代わりにボッチの宮川くんとお話ししてあげてるんだから、お互いウィンウィンの関係だったのに……。まあ、まさか恋愛感情を持たれるとは思わなかったわ」
彼女は侮蔑じみた笑みを俺に向ける。
あれー? 彼女ってこんな性格だったの? それとも猫被ってただけ? 俺が勝手に彼女を神聖化していたのか?
「そ、そっか……。ごめんね、こんなとこに呼び出しちゃったりしちゃって……」
「ほんとよ、私これからデートなのに」
フラれたのは確かにショックだったが、まだ次があると自分に言い聞かせ、拳を握り、前に進もうとした時、去り際の彼女のセリフが俺の心に大きく抉ってきた。
「あ、そうそう、ボッチの宮川君に一つアドバイス。ゲームが得意とか言ってたけど、ゲームにしか脳がないような男に女が惹かれるような要素ないから、せいぜい頑張ってね。童貞君こと宮川君(笑)」
自分の特技がゲーム以外にない上、童貞な俺にとって、女の子のそのセリフは俺のライフポイントを簡単に0に刈り取るほどの威力があった。
その日から、大学に入学して二年間、皆勤賞だった俺は学校を休んだ。
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