第九十三話 捜索
「フレイちゃーん!準備できたー!?」
「はい!いつでも出られます!」
イレティナの声を聞き、私も洞窟の奥からかけってそこに着く。
下には山、地平線の先には登る朝日。
朝が近づいていることもあってか、私も少し元気になっていた。
「東側のあのハゲている森の部分、フレイちゃんが居た場所だよね?」
私達はこれから、あそこを目指す。私が『無限連撃』を放って、サラマンダー達とはぐれてしまった場所だ。
何故目指すのかと言うと、それは昨日の夜に遡る……
『それで、これからどうするつもりなの?』
『どう……ですか……うーん……そうですね、一先ず二人の居場所を多少絞ってから探してみて……』
私はイレティナにそう言った。精霊の二人には基本食料が不要だ。どこかで身を隠しているはずだからそこを探してみよう、と思ったのだが……
『でも……急いでいるんじゃないの?』
正直驚いた。イレティナにはサラマンダーとウンディーネについてしか説明していなかったし、精霊だと言うことを言っただけでわかっているような感じだったからだ。
『……どうしてそう思ったんですか?』
『そう言う顔しているからね。私、そう言うことに人一倍敏感だから……どう?』
確かにその通りだった。サツキがいつどうなってしまうかわからない状況で、自分ですら気付いていなかったが、言われてみれば……一刻も早く動かなければいけない。
『……明日、明日調べたいのですが、構いませんか?』
『もちろん!それじゃ、火も消しておくねー……』
……とまあ、こう言う状況だ。
朝早い時間、それでもイレティナは夜目のような物が効くらしく、私が削ったところが見えているようだった。
私もうっすらとは見えるが……あそこにいくまでにはイレティナと一緒でなければならない。
それは部族もきっと同じことだ。飛べばどんなに暗くとも撃ち抜かれてしまう。
ここは彼らの場所、地の利は彼らにある。
そうして、私はイレティナの後ろを歩いて行った。
岩場から降り、暗い森の中、彼女は特に何かを気にするわけでもなく、のうのうと歩いていた。
イレティナは私よりも身長が高い。歳は16あたりだろうか。髪は短いが、その後ろ姿は……
「サツキ……」
とっさに出た言葉を私は自分の手で塞ぐ。駄目駄目、サツキを助けるまでは……。
「すみません、うっかり声が___」
「しっ!誰か居る……」
私の方にイレティナは手を向け、静かにするように合図をする。
「まずいね……一人いる……」
ゆっくりかがみ、その姿が露わになった。例の仮面をつけた褐色の筋肉がついた肌。
部族の人間だった。




