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第五百四十一話 目指す道行の

*


「フレイ……助かったよ、ありがとう」


「あれくらい仲間なら当たり前ですよ。しかし……図書館、でしたっけ? そこに行けば情報が全て集まっていると言っていましたが、少し大雑把すぎませんかね?」


 図書館を目指す大通りを通る道行の中、フレイが歩を進めながら私の方へ顔を向ける。

 大通りと言っても車のような物が通る気配はなく、歩いている人しかいない。その上、ほとんどの人々が私たちと同じ方向に向かっているようで、誰かに怪しまれるような素振りもなかった。

 

「確かに大雑把とは思うけど……どうもあの口ぶりからして情報を集められる場所はあれ一つみたいなんだよね」


「あ、あれ一つ……ですか⁉︎」


「かなり不思議な話だけどね。でも機械都市なんだし、検索機能とかは充実しているんじゃないかな?」


 機械を話題にしたその時、私は不意にあることに気付き左右を改めて見直した。

 やはりいるのは、私たちと同じ方向に向かう人々と球状の機械だけ。そう、それらだけ。


 何故か、異様に機械の種類が少ない。外では多くの種類の機械がいたというのに、先程まで大量の人型機械に襲われていたというのに、その肝心の機械の姿が球状の物しか見当たらない。


 これも、何か理由があるのか……? 図書館につけば、分かることなのだろうか……。


「サツキ。……サツキ?」


「ん……どうしたの?」


 フレイが不思議そうな顔をして、私に話しかけようとしている。


「さっきから呼んでいるのに、返事が無かったんですよ? あ……それよりも、ほら。この道ももう終わりそうですよ」


 フレイの声は少し弾んでいるように聞こえた。

 彼女が指差す先、さっきから横に注視していたので気付いていなかったが、数メートルもしない先で、立ち並んでいた白い建物に終わりが見えてきていた。


 反応をするよりも先に私たちの視界が、一気に広がる。


「おお……!」


 そこは、数キロメートル先まで平坦な煉瓦の地面。地面の上には建物一つもなく、建物がある場所との境界線は弧を描いていた。太陽の光が褐色の煉瓦にあたり、眩くその光を目に届ける。


 非常に広い、平面の場所。現代では見ることのないような広大な風景。そこをまばらに人が歩いていく。

 私達が立ち止まる横を素通りし、次々と人々は一方に向かっていった。


 その先こそ、私たちの目指していた場所。

 もう何度も目にしていたそれは、近くで見ると圧巻の光景だった。壁の威圧感とはまた違う、どこか高貴な雰囲気の漂う純白の建物。歪な形ながらもそれを一言で形容するなら、綺麗であった。


「この中に図書館が……」

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