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第二百五十六話 一掃

 私は、下にいる敵を改めて見下ろした。

 焼け焦げた死体に驚く様を見せ、それを凝視する者。想像もしていなかった事態なのか、混乱に囚われ辺りを所構わず見回す者。私の方を、じっと睨みつける者……。


 様々な反応を見せてはいたが、混乱状況であると言うことに変わりはない。

 ……膳立ては整った。全てのスキルをこの目で見て、『万物理解』で把握済みだ。フレイも、十分に働いてくれた。


 後は……私の仕事だ。


「『神速』」


 その一言と共に、私は音も立てずに天井から消え去る。いや、正確には……音は後からやってきた。


「なっ……!」


 そんな声が、()()()()()()()()()

 敵が気付いた今、私は敵の足付近に低姿勢を保って移動していた。


 フレイが貫いてくれた場所がまだ塞がっていなかったからこそできた芸当だ。……ここから始まる。


 私は再び上方にいる敵に視線を戻した。敵は未だに私が忽然と消えた事に驚き、天井に頭を向けていた。


 絶好の狙い目だ。ここからなら……簡単に切れる。

 私は手で手刀を作り。


「『変化』」


 構えた手刀を鋭い刃物へと変容させ、敵の首元へと一気に体を跳ね上げる。

 次の瞬間、私の手が敵の首を通り。

 

「ぇ……?」


 小さな声を少し上げ、その首は地面へと落ちた。

 異変に気づいたのか、近くにいた敵がこちらを振り向こうとする。しかし、それよりも前に。


「『破壊』」


 漆黒の球が群れを為して走り抜けていく。

 荒波の如く押し寄せる破壊のエネルギーに為す術もなく敵は貫かれ、身体中に穴を開けて次々と倒れていった。


「『煌光』」


 もう片手に握りしめていた極光を開放し、その手を上へと向ける。

 光は分かたれて上へと向かい、地面にに向かって雨の如く降り注いだ。


 光の雨は敵を閉じ込めるようにして降り、退路を失わせる。

 最早敵は鳥籠の中……残りは全員、これで蹴散らす。


「『時空転移』」


 私の言葉と共に、鳥籠の中に巨大な魔法陣が広がる。

 地面から敵を赤く照らし、だんだんと光が強まっていく。


 次の瞬間、魔法陣から岩の塊が出現し、隆起していった。

 魔法陣の上に立っていた敵は、岩に乗せられ、隆起の勢いを止めることのない岩と天井の間に挟まれ、潰れる。


 ……これで、全員倒せた。

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