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第二百五十一話 焼く光

 私とフレイは『アシナ』の前に立つ。

 いざ近づいてみると、黒い布状のものが何かを中心に広がってたなびいているのが目に映る。


「ねぇ……改めて聞きたいんだけどさ、これ何?」


「マントです」


 マント?

 ……確かに、そう言われればその通りだけど。じゃあ、あの中心にいるのがアシナなのか?


「……まあ、不自然に感じるのも仕方がないですけど、このすぐ裏でアシナがきっと戦っている筈です、行きましょう」


 私が不思議そうに眺めていたのか、フレイは急かすようにしてマントを指差す。


 ……このアシナを助けたら、サラマンダーにウンディーネ、それに新しいフレイの仲間まで助けなきゃいけない。……そう考えてみれば、フレイが急ぐのも無理はないか。

 

「分かった、じゃあ早速……『変化』!」


 たなびくマントに手を突き出し、私は布の一部に穴を開ける。

 その瞬間。


「っ!」


 私の眼前に頭大の大きさの光の弾が迫ってきていた。

 いきなり攻撃……⁉︎ 防御が間に合わない……!


「へ、『変__」


「『絶対聖域(ホーリー・グレイル)』ッ!」


 手を突き出すタイミングが一瞬遅れた時、フレイがそう叫んだ瞬間私へ向かっていた光弾は空中でかき消えた。


「これは……⁉︎」


 注意して見ると、透明なバリアのような物が張られている。

 驚き半分興味半分で観察をしていると、唐突に消滅し、それと同時にフレイが前に出た。


「説明は後です。サツキ! 押し通りますよ!」


「う、うん……」


 いつの間にこんな技を覚えたのか……

 フレイ、やっぱり私がいない間に色々あったのかな、なんかアクティブな感じになっているし。なんというか……たくましい。


 マントを超えると、何十という数の人間があらゆる攻撃を放っていた。

 

「いきなり攻撃……⁉︎ いや、違う……!」


 一瞬防御の構えを取ったが、すぐにそれが必要ない事であるのに気がついた。

 剣やエネルギー、多種多様な攻撃は全て、一点に向かって突撃して行く。その先にいたのは、一人の人だった。


「っ……! 私では間に合いません! サツキ、早く彼を!」


「言われなくても! 『神速』ッ!」


 僅かな距離ではあったが、砂煙を上げ、私は一瞬で彼の眼前に立つ。

 

「そんで……『煌光』!」


 手のひらに浮かぶ極光は、空間を光で埋め尽くさんとばかりに眩く輝く。

 光の束が、飛来する害に向かって、光線の如く鋭く差し込み。


 次の瞬間には、向かってきていたものは全て消えていた。

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