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第百十二話 牢屋開け

 その後、私はウンディーネとサラマンダーが今までしていたこと、そして今の状況について聞いた。

 

 私が『無限連撃(ブライト・スロウ)』を放った後、二人は近くの茂みに吹き飛ばされていたらしい。

 そして近くにいた部族の人間によって突き刺さって動けなかったサラマンダーは見つかり持っていかれ、ウンディーネはそれを尾行する形でここを発見したらしい。


 サラマンダーは今族長の家に保管され、ウンディーネも取り戻そうとはしているらしいが、どうもその場所が見つからないという。


 それを探すために片っ端からさっき私にした様に強迫気味に聞いていた。しかし……


「……だれも知らないっていうのよ、族長に献上されたサラマンダーの行方をね。流石に場所を見つけられないんじゃ……」


「流石に無理、ですよね……。うーん……会えたはいいもののまた行き詰ってしまいましたね……私もここから出られませんし、動けるのはウンディーネだけ……」


 私とウンディーネが腕を組み、唸る様な声を上げながら思案していると、カチャリよ何かの金属音がした。

 ……? なんの音……


「鍵持ってきたから開けれたよ!」


 そう言うとイレティナは牢の扉を押し、扉はギシリと軋む音を上げながら開いていった。

 鍵……⁉︎どうして持って来て……⁉︎


「すごい驚いてる顔してるけども、元々これするためにきたんだよ」


「な、なるほど……確かにイレティナがここにきた理由をまだ聞いていませんでしたからね……」


 ……ともかく、これで私も動ける!


「ウンディーネ、早速いきましょう!族長の家をこのまま叩いて……」


「イレティナ、ここにいたのか」


 その声を聞き、私の身体は突如として凍りつく。

 イレティナも扉をとっさに閉めその声のする方向を向く。

 

「父さんの部屋へ来なさい。話すことがある」


 イレティナの父、族長だった。ウンディーネは見つかるのを恐れてか私の後ろに隠れている。

 私たちに投げかける言葉と比べて若干柔和だったが、それでもその立ち姿から出る覇気……オーラは消える事はなかった。


「……」


 イレティナはやけに表情が険しくなり、返事もせず族長の方へ向かっていく。


「……!」


「……」


 そのまま姿を牢の有る道から消していき、後ろでウンディーネが脱力する様に身体を緩める。


「はぁー……流石にちょっと怖かったわ……私だって貫ける矢を持っているんだもの」


 結果としてはなんとかやり過ごし、私とウンディーネは窮地を乗り越えられた。


「ウンディーネ……どうしますか? 族長のいるところへ特攻に行くんですか?」


「いえ……潜入捜査よ」

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