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着替えも終わり、スリミナが汚れた服等をメイドに預け、お茶の用意をしてくれた。
お茶の香りにざわついていた心を落ち着かせた。
「リリアナ様、サブリアが戻りました、よろしいでしょうか」
私が落ち着くのを見計らい、扉の側で待機してくれていたようだ。
「お願いします。」
メイドを全て下がらせ、部屋の中には私と侍女二人の三人だけになった。
「面倒を頼んですみません、それで、どの様な事情でしたか?」
「それが……」
サブリアが少し躊躇っていた。
「気になさらずお話しください」
二人のご令嬢の話を纏めると。
今日はウェズリ様の弟王子ゲイオル殿下のお茶会が在り、二人も招待を受け参加のため登城していた。
(それは、弟殿下の婚約者選定の顔合わせのためのお茶会の事ね。)
そのお茶会ではゲイオル殿下は最初の挨拶をしたのみ、参加者のキャロラ侯爵令嬢とばかりお話しをされていたそうで、周りも此はキャロラ侯爵令嬢に決まりだなという雰囲気になっていた。というのが、遠くで様子を見ていた侍女と護衛の話らしい。
参加者の令嬢達も相手は侯爵令嬢、何よりゲイオル殿下が気に入っている様子なので、早々に婚約者争いから降りたらしい。この辺りの話も侍女と護衛が感じた事のようだ。
そんな中、自分達の主が空気も読めず、ゲイオル殿下に絡み、最後には側近の方に、少し控えて下さい、とまで言われてしまった。
あ、ちょっと中途半端です、申し訳ないです