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謁見の後は応接間に案内された。
話の見えないジェンリーに簡単に説明をした。
まず、精霊が見えている事、世間で騒がれた愛し子が私であること。
ジェンリーは驚いていたが、「やはり、私の姉上は只者ではなかった」と頷いていた。
この国の王族は精霊が見えているようだ。ウェズリ王太子は初めから私が愛し子だとわかっていたのね、だから、多大な援助や婚姻のお話を……。利用される事に気が付いて良かった。このお話はなかったことにして、御屋敷も爵位も御返ししなくては。ジェンリーを人質に取られ、無理難題を突きつけられるかもしれないわ。
「誤解しないで欲しい。申込んだのは精霊の力が欲しいからではないよ、リリアナの為人を知ったから好きになったんだ、そこは間違えないで」
私の考えていることがわかったのか、まっすぐに見つめて王太子殿下は私の手を取った。
私は、少し人間不信になっているのかも。王太子殿下は私利私欲の無理難題を言ったりする人ではないわ。
「ウェズリ王太子殿下・・・」
さらりと驚く事を言った。
「5日後に舞踏会がある、そこで婚約発表をするよ」
「「いっ5日後!?」」
ジェンリーが驚きに声をあげた、もちろん私も。
「婚約発表に近隣の国々も招待した」
王様も嬉しそうに王妃様と微笑み合っている。
「早くしないと、隣から横槍が入る可能性があるから、ね」
お城から戻るとジードから手紙を渡された。コニアからだった。
手紙には、暫く続く長雨で川が氾濫し太陽が出ないこともあり、もう少しで収穫するはずだった農作物が腐ってしまい、市場は混乱し、物価は高騰。
給金が払えないからと、仕事をクビになったので、すぐにこちらに向かうと書いてあった。
新しい王太子の婚約者は愛し子で、国を豊かにしてくれると思っていた国民は王族への不信感が募っているという。貴族から2人も愛し子が出ているのに、何の恩恵もなく、苦しいばかりだと、貴族の屋敷が襲われ、食料等が奪われているとも書いてあった。
(大変なことになっているわ)
「ねえ、皆はワイズフォルト国にはなにもしていないわよね?」
元いた国が大変なことになっているのでもしかしてと思い聞いてみた。
『なにもしてないよ、みーんなこっちにきちゃったもんねー』
『ねー』
みんなこっちにきた?ってことはあの国は何の加護もないってこと?
「え?どうして皆で離れちゃったの?あの国の水や緑が好きだったでしょ?」
『うん、でもね、リリアナのほうがもっとすき』
『いじわるがいっぱいだから、いやなの』
『ねー』
精霊達を説得して何時でも会いに来ていいからと戻ってもらった。
(戻ってくれたのは少しの精霊だけど、居ないよりはましでしょう)
精霊たちはジェンリーのことが好きなようで、側についていてくれる。周りを飛んでいる精霊に時々はジェンリーも気がつくようだ。
「姉上様、この小さな光が精霊様ですか?」
なんて聞いてくることもある。
最近では「姉上」なんて呼ぶようになってきたが、「お姉さま」とまだまだ甘えてほしいような




