2. 神埼碧2
完結したら、読んでいただく方々が増えました。
ちょっと行間もなく、読みにくい点もありますが、辛抱なさって下さいー
・・・ゼンバー・・・
リー・・・・グ先生
リーゼンバーグ先生!
「うわ、は、はいっ」
「-先生、どうかされまして?」
え、はい?
「授業を終えられて教壇にお立ちになったまま、何度お呼びしましても、人形のように・・・」
人形はあんただよ!人形がしゃべってるよ!
黒髪を縦ロールにした白磁のようなお人形が心配げに話しかけてるよ!
お蝶婦人(登録商標)が3Dになってるよ!
「・・・大丈夫です。トールマーレさん」
すらっと出た言葉に自分が驚く。
外国?外国名よね。
「そうですの?・・・では先生ごきげんよう」
かわいらしく会釈され、カクカクと頭を動かした私は、かろうじて、ゴキゲンヨウ、と手を振った。
おちつこう
落ち着こう、私。
わらわらと重厚な扉を出て行く、生徒達。
いずれも様々な髪色をしたお人形ぞろいである。
制服は紺と決まっているようで、同じ色だが、きらびやかな女性陣の髪留めやブラウスが、余計際立っている。
長い。男子の足が長い!
そしてお蝶夫人(登録商標)だらけ!
見回すと、室内は、高い天井とオーク材の太い柱に金箔細工の紋様、分厚いガラス窓の重厚なビロード地のカーテンがこれでもかとドレープ襞を作っていて。
要するに、スクールパーテーションであつらえたいつもの教室ではないということだ。
どこ?
いつ?
そして、私は!
(・・・アオイ・リーゼンバーグ・・・)
ぐらり、と脳内が掻き混ざった感覚の後、すとんと思い出した。
私は、アオイ・リーゼンバーグ。
王立学院の言語学教師。
(えええっ?)
そして、神崎碧でもある。あるはずだ。
夢か。・・・いやその割に。
ざああっと押し寄せたリーゼンバーグの記憶が、現実と言っている。
そういえば・・・
倒れたよね、私。
教壇をそおっと降りると、扉の前の黒い石壁が鏡のように自分を写した。
器用に編み込んだ4つの三つ編みを巻き付けた栗色の髪(自力でやったのか、これ)
地味だがシミ一つない整った顔立ち(平たい顔族じゃないのね)
銀縁の眼鏡の奥にある緑の瞳
すらりと伸びた四肢は黒いドレスにつつましく覆われている。
ヨークの切り替えが豊かな胸を形よく控えめにしている。
(うへえ、わたしも7頭身だよお)
おお
これは
私がはまった「転生もの小説」ではないか?
私は、転生したのでは、ないか?
(え)
・・・死んだ?私、死んだの?