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三者三様、十人十色、百人百様。

 私、昔ときめいてた(?)、元十五歳!


 川に飛び込んだら、打ちどころが悪くってたぶん即死しちゃった!


 女神様に無礼を働いたって、さっきまで気絶させられてたの!


 全くもう、みゃーこってせっかちなんだから!


==========


「……………。」


 ……どうしてこうなった……。


 私、今まで気絶させられてたの……?

 みゃーこに?

 何カ月? 何年?


「うるさいわね、大した時間たってないわよ!」

「あら、あら。ここだとあまり時間の流れは関係ないから安心していいわよ。『相対性理論』って知ってる?」


 知らない。ナニそれ?

 みゃーこは無視っと。


「まぁ、かみ砕きまくっちゃってもうニュアンスが変わってくるところまでいくと、『みんな、同じ時間が流れているわけではない』というものね。」


 へぇ。宇宙ステーションだとあまり年を取らないとかそんなものか。


「そうねぇ。まぁ、理解してもらおうなんて思っちゃいないから、『そんな説もあるんだなー』くらいでいいわよ。」


 そういえば、この人――いや、女神様か――も人の心が読めるんだな。

 それもそうか。そうでもしないと悪人が来た時に、いろいろとまずいものな。


 そういえば、私がいない間二人は何してたんだろ。


「え~っと、美也子ちゃんが――」

「はいストーップ。」


 美也子が女神さまをものすごーく遠くへ連れて行く。


「どれだけ離れても声は聞こえるのよ?」


 女神様のお言葉(笑)はみゃーこの耳には入っていない。


「とにかく、やめてください。」

「え~? 話しちゃダメかしら?」

「だめです。何があっても。もしばらされたら私は死にます。」

「もう死んでるじゃない。」

「ぐっ……対応しにくいジョークが……。」

「事実よ?」

「ぐふっ。」


 うおぉ。えげつないな、女神様。

 それにしても、なぜ美也子は顔を真っ赤にして恥かしんでいるんだろうう?

 何かあったのかな。

 あったとすれば、怪しいのは私が気絶していた間の時間。

 ちょっと(かま)かけてみるk――すみませんすみません、何でもありません。

 お願いだからそんな目でこっちを見ないで!

 遠くに二つの光が浮かんでるよ! 目が光ってるよ! らんらんと!

 ゆらぁっと、近づいてこないで!

 まだ十数メートルあるけど!

 コワイコワイ。

 はっ! 私の右側の横に『何たらスプレー』が!

 えいっ! 実体化! ものすごい遠くまでガスが飛んでいく。


 ……ちょ、あの。

 イノシシみたいなスピードで私に向かってきてるんですけど。

 結構離れていた距離が、みるみる縮まっている。

 しかも二人とも(久留美と美也子)実体化してるし。 

 このままだと私、飛ばされちゃうよ。

 さながら自動車事故みたいに。

 死ななくとも痛いんだから!


「あらあら。正確には、霊体可視化よ? まぁ、触れることもできることは否定しないけど。」


 私よ、考えろ! ……ラノベ主人公みたいに。

 そして、答えを導き出せ! ……とんでもない答えを。


 私は、何をするべきなのか。

 私は――。


 その刹那、私は走り出していた。

 逃げるのではない。みゃーこの元へ!

 速く、速く!

 一緒に死んだ仲だ!


 そして、私はハグをした。


「~~~っ!?」


 おうおう、混乱してるな。顏真っ赤になってるよ。

 だが安心してほしい! 私は友達としてみゃーこが好きなのだから!


 美也子の目はスッと細められ、次の瞬間、久留美の意識は闇に沈んだ。


 

 あれ、また……気絶してた?

 でもなぜか、暖かく、優しい気持ちになれる……。

 ん? 今私はどのような状況なのだ?

 この感触は、まさか。

 いや、まさかね。そんなことがあるわけない。

 もどかしい。

 思い切って、重い目蓋(まぶた)をこじ開けよう!


「……何してるの? みゃーこ。」

「ん~? 友達なりの、愛情表現?」


 私は今、美也子に抱きしめられている。

 ぎゅーっと、優しく。

 彼女の華奢(きゃしゃ)な体は暖かく私を包み込んでいて、何か安心できる。


「……いま、わたし、ものすごい恥ずかしい。」

「うん、私も。」

「なら、なぜやめないの?」

「だって、居心地がいいんだもん。何より、久留美(あんた)が先に離れてくれないと、こっちもどうにもしようがないんだけれどもね。」


 そう言われて気が付いた。

 私、みゃーこよりも強く抱き着いてた。

 あー、恥ずかしい。

 顔が真っ赤になるわー。

 顔が真っ赤になるのって、心臓に負担をかけてまでわざとやってるんだってね。

 話が脱線するほどに恥ずかしい。


「恥ずかしい、恥ずかしい、って言ってないで離れてくれるとありがたい、かな?」

「ぐふぉっ。」


 みゃーこって意外と可愛(かわい)いんだな。

 ぐっときたよ。


「『意外と』ってなによ、『意外と』って。しばくわよ。」


 気温が一瞬で、五度くらい下がった気がした。

 私はすっとはなれ、土下座した。


「あらあら。」

 ニコニコとしながら、女神さまはそんな私たちを見守っていた。

ここでしか書けないと思ったから、またほのぼの回を入れてみました。

次回からは頑張って話進める予定。予定……。予定です!


【次回予告】

「というわけで、二人を転生させようと思うの。」

「「え、嫌だ。」」

「え……。」

「殺してください。」「私、死にたい。」

「えぇ~……。」

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