日常は続く……はずだった。
私は、今をときめく(?)十五歳!
毎日、楽しくスクールライフを送ってます!
ちなみに、今日は十二月某日!
今日の運勢は二人とも、そろって最悪でした!
さて、今日も学校行きますか!
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……どうしてこうなった……。
こんな台詞から始めることが恒例になってるみたいだけど、私もう従わないわ!
だって反抗期なの! 私。
(青山先生には従うけど。)
でも、親に“それは反抗期じゃない”って言われた! 悔しい!
いつか本当の反抗期を味わってやる!
「その調子じゃぁまだ無理ね。」
「げ。聞こえてた……?」
「『聞こえてた……?』 って聞こえてたわよ、そりゃ。そんな大声で心中を吐露されたらいやでも耳に入ってくるわ。ああ恥ずかしい。」
現在、絶賛登校中。なにが絶賛なのかはわからないけど。
道路を歩く私たち(二人)は、ものすごい周囲から注目されていた。
あれ、私ってそんなにスタイルが良かったっけ。
「もうやめて。恥ずかしくて悶え死んでしまいそう。」
頭を押さえてみやーこがそんなことを言ってる。ダイジョブ?
「そんなことじゃ死なないからだいじょーぶ、だいじょーぶ。ネット小説・ケータイ小説系だともっと恥ずかしめを受けている登場人物いっぱいいるから!」
私がない胸を張ってこたえると、
「ちょ、あんた何読んでるの!? タイトル教えなさい、タイトル!」
しょうがないなぁ。教えてやるか。
えーっと、
「『“ピーッ”』をはじめとして、『“ピーッ”と“ピーッ”の“ピーッ”な“ピーッ”』とか、“ピ――」
「ストーップ! ストップ、ストップ、タンマ、タンマ。」
「どした?」
本当にどうした?
変なキノコでも食べたか?
「『どした?』ってね、そんな恥ずかしいタイトルを公衆の面前でよく堂々といえるわね。」
信じられない。
みゃーこはそう言った。
本当に、本当にそんなことないと思うんだけれどな。
というか、『恥ずかしいタイトル』って地味に作品のこと、バカにしてないか?
そして! 私は私の趣味を曲げることは絶対にしない! 好きなものを好きといって何が悪い! ラノベが好きだ! 漫画が好きだ! アニメが好きだ! ネット小説とか、ケータイ小説とか大好き! ゲームが好き! 同人誌とか(全年齢対象版ですよ、念のため)好き! フィギュアとかいつまでも見てられる! かっこいいの大好き! 可愛いのも好き! “ピーッ”と結婚したい! デートしたい! あんなことしたり、こんなことしたりしたい! いろんな食べ物食べてみたい! 例えば、―――
「ちょっと、もうそこらへんにしておきなさい。どんどん脱線してきてるわよ。」
顔を真っ赤にしたみゃーこの頼みじゃあ仕方ない。勘弁してやるか!
「ところでみゃーこ、今日、学校で何かイベントというか、テストとか、私の好きそうなことある?」
「そういうのは自分で調べなさいよ……。というか、予定表を見てないの?」
「予定表? ……なにそれ。」
みゃーこは呆れたような顔をして、今日の予定を話してくれた。
ちょうど、とある中くらいの橋の中ほどまでに進んでいた。
「――というのが今日あることよ。わかった。」
「……。(←完全に理解した)」
「ええ。わかったわ。要するにちんぷんかんぷんなのね。」
「何故分かった……!」
ふっ、あんたのことなんてお見通しよ、と言われた。
私はその時、別のものを見ていた。
迫りくるトラックを。
まっすぐにこっちに向かってくる。
私は、心の中でこの橋を作ったやつに悪態を吐いた。
一瞬の間に。
ガードレールとか、歩行者を守るものくらい作っておけっつーの。
トラックの奴は何か知らんが突っ伏してるし。
まぁ、これじゃ助からんな。
いろいろと異世界転生物を読んでいる私にとって、絶望的すぎる状況は、かえって焦りを消してくれた。
ありがとう、死んでいった主人公たち。
さて、じゃあみゃーこだけでも助けるか。
ここまでの思考に約一秒。やっと気づいたみゃーこは蒼白な顔をしている。
こんなに細かく自分の思考を分析したのは、ぶっちゃけ後になってからのことなんだけど。
ま、この時の私はとっさにこう思ったわけだ。
『このままトラックに轢かれればほぼ即死。でも、ここから川に飛び込めば生存確率は上がるのではないか?』
思ったら後先考えずにすぐに実行するのが私だ。
みゃーこを抱きしめ、そのままの勢いで橋の端から飛び降りた。
何言ってんだ、私。
「あんた、なにしてんの!?」
「えへへ~、死にたくなくって。そして、死ぬのなら一緒がよくって。」
要するに巻き添え。
美也子はため息をついて。
「ここの水深、浅いのよ。」
冬の川の冷たい水の中、特に痛みを感じることもなかったけれども、私たち二人の命ははじけてとんで消えた。
【次回予告】(次回含めた本編とは『一切』関係ありません)
「あれ、あなた誰?」
「私は神だ!」
「ふぅん。そうなんだ。じゃあ、あなた誰?」
「私は神だ!」
「ふぅん。そうなんだ。じゃあ、あなた誰?」
「私、ほんとに神様なのに……ひどい……ぐすん。」