どうしてこうなった。
私、今をときめく(?)十四歳!
もうやるって決めたんだから!
私の決意は弱くもろい!
さあ、その世界に足を踏み入れよう!
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「……………。」
……どうしてこうなった……。
規則的な電子音を聞きながら、私は目を覚ました。
朦朧とした意識と視界の中で、あわただしい気配。
ここはどこなんだろう。
いつまでそうしていただろうか。
だんだんと目が慣れてきた。
体は動かない。
白を基調とした空間に、横たわっている。
ふかふかとしたものに包まれている。
「ここは……てんg――」
「なわけないでしょっ!」
懐かしい声。
あれはいつかの――。
「みゃーこ?」
「そうよ美也子(みやこ)よ、この大バカ者!」
「どーしてここに……?」
「いるのですって!? 久留美(くるみ)が勝手に、勝手に……うぇ〜〜ん。」
全く状況が掴めない。
私は何をしてどうしてこうなっているのだろう。
親友でクラスメイトの美也子はこうやって泣きじゃくってるし。
いやー、気まずいな。
そしてここは病院のベッドの上か?
なぜにこんなところにいる?
疑問は増すばかりだ。
そして今はいつだ?
「ええ、そうよ――ぐすっ――ここは病院よ。」そこで美弥子は鼻をかんで。「そしてあなたは頭を強く打ち付けて、あともう少しであの世へGOか、植物状態だったんだからね。覚えてないの? 自分が何で頭を打ったのかさえも?」
そっか、こいつは心が読めるんだった。
いやぁ、その分苦労したろうな。
お医者さんの考えてること筒抜けだもんな。
「何、呑気なこと考えてんのよ……。一人でしゃべらせておいて。」
「悪い悪い。で、なんだっけ?」
「っのバカ! 人に散々心配をさせておいて! 喋れるじゃないの! ふぅ……。ま、無事ならいいわ。」
切り替えが早いな。
あ、昔からか。
「いちいち話を茶化さないと話を先に進められないの?」
「え、心の中で思うくらい自由にさせてよ。」
「あんたは昔っから思ったことを声に出す人間でしょぅ―――!」
あ、そうだった。
よく言われてた。
思い出してきた。
確かあの時――。
「『私はあなたをかばってトラックにひかれた』、とか?」
「んなわけねーだろ、このバカ! どう考えたらそうなるんだよ! ふっざけんな! 心配して損した!」
わざわざそんなに言う必要ないじゃん。
ひどいなぁ、私覚えてないのに。
記憶がないんだよ、記憶が。
仕方ないじゃん。
てことで、みゃーこが言うほど私はバカじゃないの!
「何言ってんのよ。声に出てるわよ。」
「あれれ?」
「じゃあ言うわね。このけがの原因は、『私の制止も聞かずにスケートリンクで爆走して頭を打ち付けた』でした! あの事件(?)からもう一年! いやぁ、あの血だまりで何人転んだか……。あんたの親、賠償金にひぃひぃ言ってたわよ。」
「それはバカだ……!」