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片翼のフォルスネーム  作者: 主音ここあ
第四章 それぞれの思惑とマギアスファウンテン
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第76話 オーウェンからの相談(2)



皆が寝静まった深夜。


レオンハルトの部屋。



(・・・)



(・・・・・・)





「ああっ!眠れないッ!!」


レオンハルトはガバッと起き上がった。



「ああもう・・・!気になって眠れないよ~!」



思わず情けない声が出る。



「も~オーウェンってばー!って、あー、こんな事言ってても駄目だー。このままでは朝まで眠れない!―――――そうだ!」


レオンハルトは思いつき、静かに部屋を出た。



廊下に魔石ランプは着いているが、警備兵以外もうほとんどの人が寝ている時間だ。


足音を立てずに目的の部屋まで歩いた。



「ロベール、ロベール」

扉の前に張り付き、小声で部屋の主を呼ぶ。


「・・・」


だが返事は無い。

(返事が無いってことは、寝てる、よな)

国王に着き従う者以外は、従者もこの時間は仕事が無く寝ている時間だ。


「失礼しまーす」

レオンハルトは勝手に中に入った。


「あれ?いない」



部屋は無人だった。

机に何冊もの本が無造作に置かれている。



「『魔法陣』、『魔法の歴史』・・・」

(やっぱりロベールは、あのゴールドローズの魔法陣の事を調べてくれているんだな)


「しかしロベールはこんな夜中にどこに行ったんだろう・・・?」


しばらく待っても来なかったので、レオンハルトは戻る事にした。




そして次の日の朝。




「うわあ!寝坊した!!」



部屋を飛び出すと、ロベールが廊下にいた。


「ろ、ロベール!どうして起こしてくれなかったのおおお!」

レオンハルトはそう叫びながらロベールにつめよる。


すると、腕組みをしたロベールに、ジロリと睨まれた。


「起こしましたとも。王子様」


「へ?」



「いつもの時間に、何度もな。だが頑固に起きなかったよ、お前は。だから、今日は何も予定も無いし、そのままにしといた」


(う、うわー!やっちゃった!)

「そ、そうなの・・・ごめん・・・」


(夜あの後結局眠れなくて、明け方に寝たせいだ!)

あああ僕のバカ・・・。



「どうしたんだ?夜更かしでもしたか?」

ロベールはニヤリとする。


「ロベールのせいだよ!」

「は?」


「あ・・・」

思わず、そう言ってしまい、後悔する。


「僕が、なにか?」

(ああロベールの目が怖いよ)



「そういや、ロベール。昨日の夜中、どこかに行ってた?僕、眠れなくてさ、ちょっとロベールの部屋に・・・」


「あ?ああ、ちょっとな・・・」

めずらしく言葉を濁す。


「ふうん」


「―――――それより。なぜ眠れなくて僕の部屋へ来るんだ?まさか子守唄でも歌ってもらおうとしたのか?」

そう言ってニヤリと笑った。


レオンハルトは赤面する。

「ち、違うよっ!僕は、オーウェンのっ・・・」

そこまで言って、はっと気づいた。


(そ、そうだ・・・)

思い出した。


『この事は、まだ誰にも話さないでほしい』

オーウェンに相談された時に、言われたんだった。


(危ない危ない・・・)

たとえロベールでも言ってはいけないんだった。



ロベールがずい、とレオンハルトに顔を近づける。

「『オーウェンの』なに?」


「う・・・」



(ダメダメ!友達を裏切る事になる!!!)



「なんでもない!!」



そう言ってダッシュでその場を後にした。







****




「や、やばい。オーウェンとの待ち合わせ時間に間に合わない・・・!」


オーウェンから相談事の話をするため、今日午前中に会う約束をしていた。

ロベールから逃げ、別の従者に自分が今日王宮の敷地内から出る予定を告げてきた。

勿論適当に理由をつけて。




レオンハルトは待ち合わせの場所に急ぐ。

「ええと、たしかここらへん・・・」






「あ!いた!」


待ち合わせの場所に着くと、オーウェンがもう来ていた。

今日は勿論あの重い鎧では無く、特務部隊の装備でもなく、私服に近い服装をしていた。


「申し訳ないな。王子にこのような事」


レオンハルトはぶんぶんと首を横に振る。

「ううん!いいんだよ!僕たち、友達だろ!」


レオンハルトがそう言うと、オーウェンが下を向いた。

「・・・」


「・・・どうしたの?」


「・・・なんだか、体がくすぐったいというか、痒いというか・・・」

そう言って頭をガシガシかいた。


「え!?体調悪い!?」

「いや、別に。というか、王子、あんたこそ顔色が悪いぞ。目の下あたりが特に・・・」


(そ、それは寝不足のためですから!!)


気になって眠れなかったとは、さすがに恥ずかしくて言えない。



「・・・ねえねえ、思ったんだけどさ。ロベールに、僕の従者のロベールに話してもいい?」

「え?」

「彼は頭良いし、何か解決策が・・・」

レオンハルトが話していると、オーウェンが何故か下を向いて、黙ってしまった。

「オーウェン?」



下を向いたまま口をひらく。

「俺があんたに相談しようとしたのが間違ってた。大体、身分の高いあんたに相談した俺が馬鹿だったんだ・・・。無かった事にしてくれ・・・」


「え・・・。ええっ!?」


オーウェンはトボトボと向こうへ歩き出した。


「ちょっとオーウェン!待って!」

レオンハルトは叫び、オーウェンを追いかけた。



「ねえ、オーウェン、そんな事言わないで。どうしたの?」


あまりにもしつこいので、オーウェンが静かに言った。

「・・・仕事の相談ならいくらでもできるが、あまり知らない人間には、相談なんて出来ない・・・」

「―――――!?」

つまり、ロベールはあまり知らない人だから話したくない、とそういう事か。

(ひ、人見知りかっ!)



(オーウェンが、そんな人だったとは)

はじめて会った時から、口数は少ないが、仕事をこなすときも、真面目すぎるぐらい真面目に取り組んでて、仲間ともしっかりコミュニケーションを取り仕事をしていた。

でも、それしか知らなかった。

彼の、仕事の時の事しか、知らないんだ。

(僕、オーウェンの事、ちゃんと考えてなかったな・・・)



レオンハルトがふと、立ち止まる。

それに気づき、思わずオーウェンが振り向いた。



「ごめん。オーウェン。僕、頑張るよ」

「は?」

「誰にも言わないよ。だから、二人で考えよう?」


「・・・」

オーウェンは黙ってうなづいた。







****



オーウェンの家に着いた。

王都中心部の大通りを少し東にはずれた、民家が立ち並ぶ静かな地区の一角。

レオンハルトもこの場所は初めて来た。


「大きい家だね」

玄関先から家を見渡す。

大きいといっても、レオンハルトの住む王宮とは規模がまったく違う。

王宮の居住区である二階の数部屋分くらいしかないのだ。

たとえ一人で暮らすには大きすぎる家でも、それはごく一般的な国民の家であるのだ。



「そうか?王宮育ちの人間に言われても、イマイチピンとこないな」

そう皮肉げに笑った。

一般庶民からすると、そのレオンハルトの言は、相手がオーウェンでなかったら嫌味にしか聞こえず、嫌がられたに違いない。


「もうっ!オーウェン!」

そうとは知らず、素直に言葉を発してしまうレオンハルトは、無邪気にそう言ってむくれた。


オーウェンは笑い、家に入って行く。

「さあ、入ってくれ」







静まり返っていている室内。

「・・・誰も住んでいないの?」

レオンハルトはさみしい気持ちになる。


「ああ」


でも、そうだ。

誰もいないから、()()()()()なのだ。





少し歩くと、ある部屋の前にたどり着いた。


「ここだ」

オーウェンが扉を開けようとする。


「ちょ、ちょっと待って。こ、心の準備が・・・」

レオンハルトがオーウェンのその手を制した。


すると納得したようにオーウェンが手を止めた。

「――――ああ。だが、そんなに怖いものではない。何もしなければ()()()()()()


「お、襲っ・・・!?」


(だ、だって、()()だよ、()()

レオンハルトの心臓がバクバクとうるさく脈打つ。



「開ける」

レオンハルトを待てなくなり、オーウェンは問答無用に扉を開けた。


「ちょっと待ってええええー!」


レオンハルトの悲痛な悲鳴と、ドアのギイイと開く音。



「ひ、ひええ」

緊張しすぎてレオンハルトは思わずガタガタ震える。



そして。




「ピイイイイイイイ!」



甲高い音とともに、室内から小さい物体が飛んできた。



「ただいま」


オーウェンが、優しい表情で、こちらへ向かってきたその()()を胸に抱いた。




「・・・ふ、ふえ?」


レオンハルトはその光景に拍子抜けし、床に尻もちをついてしまった。


そのまま茫然となる。


「だ、大丈夫か?」

オーウェンが心配そうに訊く。

その強靭な胸に、()()を抱いたまま。



レオンハルトが座ったまま震える手で指さす。

「そ、それが、ま、魔物なの・・・?」


オーウェンが深くうなづいた。

「ああ」




――――――その姿形は、まさしく『ドラゴン』だった。

サイズが少々違うが。



首が長く、背や四本ある足は緑色、背中の両側にひとつづつある翼も背と同じ緑色。

お腹はベージュ。

額より少し上には、角のようなものが二つついていた。



「ピイイイ!」

また鳴いた。



思っていたのよりも、ずいぶん、いや、想像できないぐらいに、まるで鳥のように可愛い鳴き声と・・・、


「魔物っていうから、ものすっごく大きくて怖いのを想像したのに!!」


それはそれは小さく、オーウェンの胸にすっぽりと収まるサイズの魔物だった。

顔も意外と可愛らしい。

白目の部分が多いくりくりの緑色の目。

するどい牙が生えているであろうその口も、思ったものより大きくなさそうだ。


いや、レオンハルトはそれを『魔物』と確信できない。

なぜなら、魔物というものを見た事が無いからだ。

勿論、魔物図鑑などで見た事はあるが・・・。




「あ?そうか?すまん。説明不足だったか」

あまり悪びれた様子も見せずにオーウェンがあやまった。


「もうっ!ほんとに心臓止まるかと思ったんだから!」

プンプン怒りながら、レオンハルトは立ち上がった。

(まあ、僕もあまり具体的に訊こうとしなかったけどさ)


「すまんすまん」

オーウェンは魔物を優しく撫でながら言った。




オーウェンの相談事とは、なんと、魔物をペットとして家で飼っている事だったのだ!

意外すぎる話に、レオンハルトは最初は信じられなかった。

(だって魔物だよ!?)


十年前のマギアスファウンテン探索の時、オーウェンが偶然怪我していた魔物を拾い、こっそり家に持ち帰り、自分で手当てして、そのまま家でペットとして飼う事になったそう。



「でも、今までよくバレなかったね」

レオンハルトが驚く。

オーウェンが呑気に苦笑する。

「ああ、そうなんだ。バレたら罪に問われるかもしれないしな」

「あ・・・」

(そう。そうだ。魔物なんて飼ってたら、たとえレガリア国だとて、なんらかの処罰に値するかもしれない)

「大丈夫かなあ・・・。あとで魔物に関する処罰とか、調べてみなきゃ」


「だが、家で飼ってる分にはバレてない。『音』の魔石があるからな」

「え?」

「ほら、前に言っただろ?マギアスファウンテンで魔物を倒して音を遮断できる魔石を得たって」

「ああ」

「それを少し砕いて鉱石修理士に加工してもらい、この部屋に施しているんだ。だから音は外に漏れない。いくらこいつが鳴き声を出しても外には聞こえない」

「う、うーん、そうか。それは、安心だけど・・・」





すると。



奥の方から、また、ピイイ!と鳴き声が聞こえてきた。


聞こえてきたかと思うと・・・、




ボウッ!



「ぎゃっ!」

レオンハルトは驚き、思わず後ろへ飛びのいた。

飛びのいた拍子にドアにぶつかる。



向こうから、同じような姿をした魔物が、口から火を噴いてきたのだ!


更にその後ろからもデジャブかと思うぐらい同じ魔物が出てきた。



後ろに下がろうとしたがドアが邪魔して動けない。

(もう、これ以上逃げられない・・・!)


「た・・・」

助けて、という前に、レオンハルトは思わず・・・。



「――――王子!!」

オーウェンの制止も耳に入らず、そのまま・・・。




ビシャ!!



火は消えたが、その火を噴いた魔物が、ダラダラと水滴を垂らし、水浸しになっていた。


そして、床も・・・。



(あ、やばい・・・)



「み、水属性魔法か・・・」

オーウェンが床を見ながらガックリとうなだれた。






****




「ごめんなさい!ごめんなさい!恐怖のあまり、魔法を・・・!」


レオンハルトは床にひれ伏しながら謝った。

右手には雑巾を持っている。



「いや、いいんだ。あんたは悪くない、気にするな」

オーウェンも雑巾を持って拭いたり、風属性や火属性魔法で床を応急措置していた。


「だがあの火を噴く行為は、やつらにとってコミュニケーションのようなもんなんだ。決して攻撃しているわけではない」

「は、ははは」

たしかに、火の勢いは、マッチの火程度のごく小さいものだった。

(あの火に、僕は思わず魔法を使って消そうとするなんて、ああ恥ずかしい)


オーウェンがふと気づく。

「というか、あんた、魔法使えてるじゃないか」

「そ、そうだね、ははは・・・」

(無意識の事とはいえ、下位魔法が武器無しでも、詠唱無しでも発動できた。やっぱり魔法の発動は順調に来てるのかもしれない)

そうレオンハルトは思ったが、今はそれどころでは無い。


乾いた作り笑いを浮かべ、二人はまた無言で床をふきふきする。

その頭上では、()()()()同じ姿をした魔物がパタパタと()()()()()()()()呑気に飛んでいた。



なんとなく気まずくなってしまう。

それが我慢できなくて、頭上を見ながらレオンハルトが口をひらく。

「・・・この魔物は、なんていう名前なの?」


オーウェンも頭上を見上げ、両手を広げた。

すると、一匹の魔物が降りてきた。


「『ベビーヘルファイア』だ」


すっぽりとまたオーウェンの体に収まった。


(なんか、すごい光景だな・・・)




「あ、それ聞いたことある」


ドラゴンの種族の中の、『ヘルファイア』というドラゴンがいる。

『ベビーヘルファイア』は、これ以上体が大きくならないタイプの、ヘルファイアの一種なのだ。

オーウェンの言うように、ベビーヘルファイアは雑食で、人間や動物を襲わないらしい。



「ど、ドラゴンか・・・」

こんなに小さくて可愛くても、ドラゴンなのだ。



ただ、魔物といっても、マギアスファウンテン周辺に生息しているだけなので、普段人間は目にすることは無い。

実際に謎多いマギアスファウンテンに行く事すら危険なのに、そこに住む魔物の情報を知り得る事は困難だ。

だから魔物図鑑に載っているような魔物も、どれが本物なのか信憑性はほとんど無い。

それこそ、オーウェンたちのように国を挙げて探索するか、よっぽとの強者つわものでもなければ、マギアスファウンテンの内部に踏み込むなど不可能に近いのだ。




「でも、まさか、ほんとに魔物がここにいるなんて・・・」

感慨深げにレオンハルトがつぶやく。


可愛くオーウェンの腕の中に納まるベビーヘルファイアに、レオンハルトも触りたくなり、そろそろと手を近づける。



すると。


「ピイピイ!」


「うわっ!」

緑色の翼でバシバシ叩かれた。

レオンハルトは驚いたが、痛みはほとんど無かった。

(それがまた愛くるしい・・・)



「こらっ!竜!駄目だろ!」



「・・・『竜』・・・?」


「ああ。こいつの名前だ。俺が連れてきたやつだからな、一応愛着ってもんがあって、名前をつけてる」

そう言って顔を赤らめる。

(う、うん。それは微笑ましいけど)


「竜って・・・」

(そのまんまじゃん)

ぜんぜん可愛げがない。

頬を赤らめるオーウェンは可愛らしいけれども。



「うーん、うーんと・・・。そうだ!『チビ竜ちゃん』にしよう!」


「はあ?」


「竜だと可愛くないよ、見た目そのまんまじゃん」

「し、失敬だな・・・」

頬を赤らめながら睨む。

「小さくて可愛いから『チビ竜ちゃん』だ!」

「ち・・・」

オーウェンはそこまで言って言うのをやめた。

「いや、あんただけそう呼んでてくれ。俺はいつもどおり『竜』でいい」


「えー、そんなあ~」

見事に却下されたが、仕方ない。

自分だけそう呼ぶか。




「チビ竜ちゃ~ん」

「ピイピイ」

しばらくすると、ベビーヘルファイアの通称『チビ竜』ちゃんもレオンハルトに馴れて抱っこできるまでになっていた。

撫でると背中はゴツゴツしているが、お腹はさわり心地がいい。

「ああ可愛いなあ~」


しかし。


「ピイピイピイ!」

頭上からベビーヘルファイアの大群がレオンハルトめがけて降りてきた!


「ぐええええ!」

レオンハルトはそのままベビーヘルファイアまみれになった。

(ちょ、圧迫死する!)


それをオーウェンが笑いながらベリベリと一匹一匹はがしてやる。

「すまないな。大丈夫か?」

「う、うん、なんとか・・・」


「これが、オーウェンが言ってた『増殖』・・・?」

するとオーウェンが難しい顔になってうなづいた。

「そうなんだ。俺がマギアスファウンテンから連れてきたのは一匹だけだった。そう、あんたが抱いてるその『竜』な」

「う、うん」

レオンハルトは胸の中に大人しく収まるベビーヘルファイアを見る。

「そして二年後に一匹増えた。どうやって増えたのかはわからない。俺が家に帰ってきたら、いたんだよ」

そう言って口を押え、恐怖体験を語っている時のような顔をした。

その当時の状況を思い出しているんだろう。

(ご、ご愁傷様・・・)


「で、数年後にもう一匹。そして・・・」

ごくり、と喉をならす。


そして力強く叫んだ。

「この前ドレアーク王国との戦争から帰ってきたら、こんなに増えてたんだよ!!!」



その数二十四匹。

ベビーヘルファイアが天井を埋め尽くしている状況だった。


「な、なぜーーーー!?」


何故増えるの!?


「ベビーヘルファイアって勝手に増殖するの?」

一匹だったのに十年後には数十匹って恐怖でしょ。


「いや、そんな記述は無い。だが、魔物とは本来謎の部分が多い。だから、増殖するのかもしれないが、俺にはわからない・・・」


(あああああ・・・。これ、どうすんの)

飛んでいるベビーヘルファイアを仰ぎ、茫然とする。




はたと気づく。

「ねえ、オーウェン。相談事の一番大事な部分ってもしかして――――――・・・」


オーウェンが天井を見た。

たくさんのベビーヘルファイアが飛んでいる。


「ああ。このベビーヘルファイアたちを、すべてマギアスファウンテンに帰したいんだ」


「―――――・・・」




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