調査報告書(改)
前の「調査報告書」と合わせて読むと分かりやすいかもしれません。
【景信山連続女性殺人死体遺棄事件についての調査報告書】(改)
容疑者 山田 雄介 …実行犯 剣道の有段者。ギャンブルにはまり、お金に困っていた。
金成 秀夫 …実行犯 黒いうわさが絶えない大物政治家。
被害者 越後 彩 死因 斬殺
・遺族とは疎遠になっていた。
死亡推定時刻…八月 十日午後六時 半
殺害場所は被害者宅のリビング。
被害者宅の押し入れに、被害者がこれまで脅迫してきたとされる人物のファイルがあり、その中には金成の名前もあったが、中身が抜き取られていた。ファイルには山田の指紋がついていた。
舞墨 環奈 死因 斬殺
・ご家族は既に死去されていた。
被害者宅の壁には、恨みの言葉が一面に書きなぐられていた。
例:「あいつのせいで」「私の赤ちゃんが」「許さない」
死亡推定時刻…八月 八日午前十時 五十分
殺害場所は被害者宅のダイニング。
被害者のパソコンは壊されており、完全にデータを修復するのは不可能だが、一部データは修復可能だった。被害者は金成容疑者の汚職の証拠を集め、訴えるつもりだったようだ。
しかし重要なデータが破損しているため、憶測の域を出ない。
佐藤 雪 死因 斬殺
・ご遺族の会社は二十年前に倒産。背景には金成容疑者がいる可能性が高い。
死亡推定時刻…八月一日午後七時 十分
殺害場所は事務所のオフィス。
ご家族は会社の倒産をきっかけに離婚。その時に、金成容疑者が不正に関与していた証拠などを集めていた形跡はあるものの、肝心の証拠はなくなっていた。
達遠 薫 死因 斬殺
・孤児院で生まれ育った。その孤児院は二十年前に潰れた。
死亡推定時刻…八月六日午前二時 四十分
殺害場所は被害者が泊まっていたホテルの部屋(三〇三号室)のシャワールーム。
父母共に不明。被害者が育った孤児院は、ヤクザに子供を身売りしていた疑いから潰れた。スマートフォンには、他三人の被害者とメールのやりとりをしていた形跡アリ。
【要点】
・殺害された順は、早い方から佐藤、達遠、舞墨、越後。
・殺害場所も死亡推定時刻も様々だが、皆一様に斬殺されている。
・被害者らは金成容疑者を訴える、あるいはそのほう助をしようとしていた。
・被害者が集めた証拠は全て持ち出された、あるいは欠落していて説得力はない。
・四人の被害者は顔見知りだった。
なんとか書きあがった……。