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第五話 反撃の狼煙を挙げよ。 (前編)

今後は、アジア→欧州とやっていこうと思います。

そういえば今度オスプレイが札幌に来ますが、どうなるんでしょうね。

また反対運動するんだろうな.........

 


 

 1939年9月13日


 日本領フィリピン


 ダバオ市 第五八師団司令部






 

 ダバオの第五八師団は東インドに向かうためにパラオ諸島へと向かう途中で突如米軍の奇襲を受けた。

これに対し、師団長の中川州男中佐は至急部隊を展開。ミンダナオ島防衛に就かせた。さらに、壊滅したダバオ飛行場の第206航空隊に代わり、クラークの空軍第三統合航空団に支援を要請。

航空団司令の寺本熊市少将はこれを承諾。直ちに戦爆連合120機が出撃し、上陸した米軍戦車部隊を攻撃していた。そして警備隊の残存兵による遊撃戦により進めない米軍1個師団にこれから総攻撃をしようとしていた。


「さてと。そろそろアメさんにもこの島から退去していただこうか。」

中川大佐が言う。


「そうですね。幸い、先日の空軍さんの攻撃で、敵機甲戦力は半減しています。ここで攻勢に出れば我々にも態勢を立て直す猶予が出来ます。」

そういって参謀長が同調する。


「さらに海軍さんの艦隊も動き始めています。やっぱり奴ら、油断していますね。」


「まあ仕方ないだろう。あんな大勝利だったからな..............」


実際、中川の言う通り初戦は米軍の大勝利だった。マーク・ミッチャー少将が指揮する第7艦隊の空母「レキシントン」から発艦したF4Fワイルドキャット20機と、SBD-2ドーントレス30機がダバオ飛行場を奇襲。電探を掻い潜り、飛行場の八割近くを破壊した。

さらに、一時間後には、第二次攻撃隊が発艦。F4F10機とドーントレス20機という小規模な攻撃隊だったが、20分後に物資集積所を捕捉。これを攻撃して炎上させた。

勝利に酔う第7艦隊は、現在ダバオを攻撃するためミンダナオ島を右回りで進んでいる。

しかし、そう簡単にはいかない。昨日トラック海軍基地から志摩清英中将率いる戦艦「初瀬」を旗艦とした第五艦隊が出撃。

敵艦隊を既に発見していたのである。


「師団長。そろそろ時間です。」


「うむ。では一丁やりますか。通信士!!全部隊に通達。「「攻撃を開始せよ。」」」


「了解しました。」

通信士がキーを叩き始める。


「この戦い.......恐らく最初の本格的な陸戦となるだろうな。ついに日米の優劣が明らかになる。まぁ.......優れているのは我々だがな。」

そういうと、中川大佐は師団長室に戻っていった。






 1939年9月13日

 

 アリューシャン列島 

 

 ウナラスカ島南西約600km


 第二艦隊所属第十三航空戦隊旗艦空母「龍鳳」







 史実では改装空母として活躍した「龍鳳」だがこの世界では搭載機数54機の「祥鳳型航空母艦」の三番艦として四番艦「幻鳳」と、第十三航空戦隊を組んでいる。


「ふぅ........いい風だ。少し肌寒いがな......」

第十三航空戦隊司令官吉良俊一少将はふと呟いた。


「司令。間もなく攻撃隊が発艦します。」

参謀が言った。


「そうか。我々に攻撃する的があるかな.......」


なぜ彼がそのようなことを言うかと言うと、北都の源田航空団が開戦初頭からアリューシャン列島に猛攻撃をかけているからだ。結果としてアリューシャンの米軍は壊滅的打撃を受け、そこに第二艦隊が挟撃するのだから溜まったもんじゃない。


「司令、見てください。新型の戦闘機が発艦します。」


「ああ、あれか。噂の零戦れいせんか。」


「はい、航続距離は増槽付きで2400km。武装はドイツ空軍のマウザー砲をコピーした、九八式20ミリ航空機関砲を二丁、

さらに米軍のM2ブローニング12.7ミリ機銃のライセンス生産版の九七式12.7ミリ航空機銃を二丁か...........」


「随分重武装だな。しかも広大な航続距離に加え、一撃離脱・格闘戦どちらも素晴らしい性能。。

ただ防弾性能が弱く、被弾すると致命傷になりやすい。ふむ........長所もあれば短所もあるのか。」

報告書をペラペラ捲りながら、吉良は言った。


「司令。副本です。」


「ああ、済まない。つい見とれていた。ははっ.......」

頭を掻きながら吉良は苦笑いした。


「この「新高」作戦が北方戦線を決定づけますからね。しっかりしてくださいよ。」


「気を付けよう。さて、我々も中に戻るか。」


「そうしましょうか......」


二人は艦橋の中に戻っていった。







 1939年9月13日

 

 シンガポール


 大日本帝国陸軍南方総軍所属第十八軍司令部







 ダバオと同じ様に奇襲を受けたシンガポールだったが、此方は元々守勢で応じる予定だったため逆に空爆により、フランス軍1個連隊を海の底に引きずり込んでいた。

しかしフランス軍もジョホールバルとクワラルンプール近郊に上陸。障害となるイギリス軍を排除しながら一路シンガポールを目指していた。

そこで本間雅晴中将は空軍に支援爆撃を要請。シンガポールの第204戦略爆撃団が、

九六式重爆「泰山」、一式重爆「鳳山」32機でフランス軍の上陸地点を爆撃。甚大な被害を及ばしていた。(ちなみに両重爆はB-17並の装甲を持っている。)

そして此方も総攻撃に向けて大詰めを迎えていた。


「特務参謀。情報を。」

本間が特務参謀として出向している佐藤に聞いた。


「はい。まず我方の戦力ですが、先鋒は第一二師団と第一機甲師団が務めます。後方支援戦力として第三十砲兵連隊と空軍の204戦団と34空がいます。そして本隊は独混第三七四旅団、第四戦車師団に加えコタバルの第一九歩兵連隊も合流しました。」


「うむ。まずまずの部隊規模だな。攻撃開始時刻は?」


「開始時刻は今日の1845時です。主力戦車は九七式中戦車「チハ」乙型です。主砲は九七式40口径75mm戦車砲、砲塔に12.7ミリ機銃1丁に車体に7.7ミリ、12.7ミリを1丁ずつ。前面装甲45mm、砲塔60mm、側面30mm、後部20mm......こんな感じです。」


「成程、そういえば内地では既に新型戦車が開発されているらしい。確か.........百式中戦車「チヘ」という名前で制式採用されるらしい。」


「そうですか。楽しみですね。」


「ああ、我が軍の機甲戦力も少しずつ旧式化しているからな。」


「はい、そうですね。」


その時、部屋に参謀長の前田正実中将が入室してきた。


「司令。ダバオの中川兵団(第五八師団の通称)が攻勢を開始しました。」


「そうか。いよいよ反撃開始だな。内地の徳村君の苦労を無駄にせんように頑張ろう。参謀長、佐藤君。」


「「もちろんであります!!」」

二人は声を揃えて言った。


「うむ、期待しとるよ。くれぐれも前線の兵たちの声を大切にせよ。わかったな。」

そういうと三人は敬礼をした。













1939年9月13日、アジア太平洋戦線はついに動き出す。


 

 




 







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