お宅訪問
初投稿です。
小学生の時から、読むのは好きでも書くのは苦手。
生暖かく見守ってください。
理香~、祐助くんのお母さんが、用事あるんだってさ~、降りてきな~。
家に帰ってから子供部屋で漫画を読んでいた理香を一階から母親が呼んでいる。
ほ~い、ちょっと待って~。
読みかけの漫画に机の上のメモを適当に挟むと、理香は階段を降りていった。
よっっっと…おっ、おばちゃん、久しぶりっ。
階段の最後の3段を飛び降りると、理香は階段の前にある玄関で立つ女性に声を掛けた。
あ~、リカちゃん、ひっさしぶり。変わらず元気そうだね。
部屋で勉強でもやってたんじゃない?悪かったね。
明るめの茶髪にパーマをあてたショートカットの女性は少し申し訳なさそうな表情で返事をした。
いやいや、漫画読んでただけだし、大丈夫。
で?どうしたの?
一階の床に着地後、階段横の柱にもたれながら理香は女性との会話を続けた。
あぁ…、ちょっとウチのバカ息子がさぁ、なんか変なんだよね…元からっちゃ元からだけどさ…。
なんての?人が変わったっていうかさ…。
別に変わりはないんだけど…変なんだよ。自分で言っててもよくわからないけどさ。
でさ、リカちゃん、最近アイツとなんか話とかしてない?
歩いて1分の近所に住む女性が訪ねてきた用件は、理香の幼なじみである祐助の事であった。
理香は少し考えるようなそぶりをして、すぐに返答した。
うーん、クラスも離れてるしねぇ、話っていう話はしてないかなぁ。
今日の朝も体育の授業の時に見かけたけど、なんか変とかは無かったと思う…よ?
まぁ、漫画の読み過ぎとかアニメの見過ぎとかでなんか変な事口走ったりするのは前からあるけどねぇ(笑)
保育園からの付き合いである祐助の母親とは、いつも気軽に話をしているため、軽口を交えた返答であった。
一方、返答を聞いた祐助の母親は残念そうに微笑んだ。
そっか、やっぱりなんか気のせいかねぇ。ダンナにも聞いてみたんだけど、いつもと変わらない、って言っててさ。
ありがと。時間取らせてゴメンよ。
洋子さ~ん、リカちゃん借りてゴメンね~、帰るわ。
祐助の母親は台所で夕飯の準備をしている 理香の母親へ声を掛けると玄関の戸を開けた。
返答を聞いた後の表情が気になり、玄関を出て行く背中に理香は声を掛けた。
おばちゃん、祐助くんはいま家に居るの?
去り際に声を掛けられた祐助の母親は少しびっくりした感じで応えた。
あぁ、居るよ?多分。家を出る時は部屋にこもって何かしてたみたいだけど…、あたしが帰ったら晩飯にするし、出掛けたりはしてないんじゃないかな。
確かにそろそろ時刻は18:00、家の台所からも夕飯の煮物の匂いが漂ってきている。
お母さん~、ちょっと祐助くんとこ行ってきても良い?
理香は母親へ声を掛けると、炒め物を作っている母親には聞こえづらかったらしく疑問符が返ってきた。
同じ言葉を再度投げかけると、今度は台所の扉が開いて洋子が出てきた。
あんた~、もうすぐご飯できるよ?祐助くんとこだってこれからご飯でしょ?迷惑じゃん。
良いの?香織さん。
至極真っ当な意見を述べてから、洋子は香織に確認を取った。
あぁ、いいよ、いいよ。あたしんとこは今から準備だし、もうしばらく掛かるから…、じゃぁ、リカちゃん、ウチの晩飯出来たら帰るって事で良いかな?
オッケー
理香の家の夕飯時刻は考慮されずに、祐助の自宅訪問が決定した。
本編突入しなかった…