いたずら心
ある日犬は森の中でにんげんに新しい兄弟を引き合わせたのですが、ちょっと悪戯心を起こしました。
犬が出した、「なぁ一角馬の兄弟、にんげんに兄なのか、姉なのか、当てさせないか?」という提案に、相手の一角馬は「ふふふ、それはいいね。さぁにんげん。私は兄と姉、どちらかな?」と言いました。
にんげんはすらりとした白馬の身体と、額に一本の長い角がある姿を見て悩みました。
兄、と言い切るには雰囲気が優しいですし。姉、と言うにはお母さんのような乳房などがあるようにも見えません。
でも蟹の兄のように優しい兄を知っていますし、蟻喰い羊の姉のように乳房が一見無いけど教えられると確かに有るという姉も知っています。
そうしてにんげんはしばらく悩みましたが、にんげんは力強く言いました。
「兄!きっと一角馬の兄だよ!わかんないけどなんとなく兄なの!」と。
根拠は無いようでしたが、力強さだけはある解答でした。
しかしそれを聞いて犬はくっくっくと、一角馬の兄?はふふふ、と笑いました
それを見たにんげんは何だろう?と思っていましたが、一角馬が口を開くとその理由を悟りました。
「ふ、ふふ。残念。姉でした。外しちゃったねにんげん。ああ、怒ってないからいいよ。ふふ、ちょっと私達がいじわるだったかな?」という一角馬の姉に、にんげんは首をかしげて考えた後、「うんとね、ちょっといじわるだった。でも一角馬の姉と犬が楽しそうならいいや。」と言いました。
それを聞いた犬はにんげんの頬を舐めてやりたくなりましたが、あいにくにんげんは犬の背中に乗っているのでひとまずそれはお預けです。
そしてにんげんはふと思いついたように「犬や一角馬の姉は兄弟が兄か姉か、弟か妹か解るの?」と聞きました。
その問いに一角馬の姉は、「そうだね、なんとなく解る。って感じかな。犬もそうだろう?」と言い、犬も「そうだな。なんとなく解るな。」と答えました。
それを聞いた人間はしょんぼりして、「私わかんない……私仲間はずれだ。」と言いました。
そんなにんげんに犬は慌てて「だ、だからにんげんには俺が付いてるだろ!俺が教えてやるから気にするな!」と言いました。
それを聞いたにんげんは「そう?ならいいけど……」と言いながらも仲間はずれで寂しそうな雰囲気はそのままに犬の首にしがみつきました。
この後犬と一角馬の姉はにんげんを元気にするのに一苦労した、という事です。
ちょっとの悪戯心でにんげんも傷ついてしまう時があるのでした。




