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夜
にんげんは裸である。
怪物達は誰も服を着ろなんていわないので当然ですが。
とにかくちょっと寒い夜にもにんげんは裸なのです。
そんな時ににんげんを暖めるのは犬の役目です。
腹を丸めて寝そべった中心ににんげんを乗せます。
にんげんは毛皮に埋もれます。
あとは暖かく朝までぐっすりです。
そして犬もまたにんげんの規則正しい息遣いを聞きながら眠ります。
これでも寒いとにんげんが言う時はお母さんの所へ行きます。
ずっと湖に浸かっているお母さんですが、その手のひらはとても温かいのです。
そこでにんげんはお母さんの両手に包まれて眠ります。
犬はにんげんを潰してしまうといけないので湖の近くで寝ます。
お母さんは眠りません。必要ないからです。
このように、日によって違いはありますがそれぞれの夜を過ごすのでした。




