にんげんと犬と木の実
犬はにんげんを背中に乗せてゆっくりと木々の間を歩きます。
にんげんは木に生っている木の実を指差しては「あれが食べたい。」といいます。
犬は一つずつ、「アレはすっぱい。」「あれは苦い。」「あれは不味い。」と答えますが、にんげんはそれでも食べたいと言います。
仕方が無いので犬はにんげんを降ろして一ッ跳び、にんげんが指差した木の実を集めます。
そして期待に顔を輝かせたにんげんの元に木の実を転がすと、「残さず食べろ。」といいました。
にんげんはその言葉を聴いていないかのように木の実をほおばり…ペッペッと吐き出しました。
ここで初めて人間はすっぱい、苦い、不味いという言葉を理解したのです。
犬に「もう要らない。」というにんげんですが、犬はお残しを許しません。
全部食べないともう背中に乗せてやらないぞ、と言って木の実を全部食べさせます。
すっかり木の実がなくなる頃にはにんげんはぐすぐす泣いていました。
そして犬はソレを見て哀しくなってきたので、「そんなになくな、今度は美味しい木の実を食べさせてやるから。」と言いました
「美味しいってなぁに?」とにんげんは聞きます。犬はそれに「食べると嫌な今の実と違って、食べると嬉しくなる物だ。」と答えました。
ソレを聞くとにんげんは「本当!?」と大はしゃぎ。早速犬の背中に乗って美味しい木の実があるところへ行きました。
そこでにんげんは取ってもらった木の実を恐る恐るかじってみました。
すると今度はなんともいえない楽しい気持ち。
これが「美味しいかぁ!」と叫んで今度は一気に頬張りました。
そしてその後お腹一杯になるまで木の実を取ってもらって食べ続けたのです。
その後お母さんが乳をくれる時、「お腹一杯なの…」と言って「しょうがない子。」とたしなめられましたが。




