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岩肌
予約投稿しようとしたら日時指定間違えて一日に2更新して今いました。消すのもなんなのでこのままで…
かんかんかかかん、にんげんが小さな石のかけらを持って岩の塊を叩いて音を奏でます。
不思議なのは同じ岩に見えるのに叩く場所によって音が微妙に違う事です。
その違いとリズムでにんげんは音楽らしき物を楽しんでいます。
犬は言いました、「岩の兄も大変だな。」と。
岩の塊に見えたものは少し身じろぎして岩のまぶたを開いて水晶の瞳を開くと答えました。
「なに、これくらいで小さな兄弟があやせるなら安い物だ。」と。
そんな犬と岩のやりとりもしらずにんげんは小石で岩の体を叩きます。
かかかんかかんかかっかかっかんかん。
そうしてにんげんは自分の指が少し痺れるまで自分の中のリズムを表に出して楽しんだのでした。




