余命1年ー太郎の決断
「太郎…最後の依頼というのはな、捕まえた悪いものをこの弩の弾にして他の人に撃つんだ」
「!!」
太郎、驚愕する。
「そ、そんなことできるわけないでしょ!! それは…他の人を盾にして生き延びるということですよ!!」
「そんなこというな…。お前だって死にたくはないだろう…?」
「だからって…そんな下劣な真似は俺にはできない!!」
「駄目だ!! これが…我らの最善の道なのだ!!」
「見損なったぞ!! 死神ぃ!!」
「な…なんだとっ、貴様…!!」
「俺を生きのばしてくれたことは感謝する…。だがそこまでしてまで生き延びたくはない!! 俺は…ここで死ぬ…」
「…分かった。好きにしろ。一応弩は置いていく…」
死神は嫌な顔をしてその場を去った。
そして…太郎は死んでしまった。太郎が一度捕まえた悪いものがこの1年で溢れだしてしまったのだ。
「まぁ、当然だよな…」
「死んだか、太郎よ」
「はい…」
「でも…これでよかったのかもしれないな」
「はい。俺が生きていたら、関係ない多くの人が亡くなってしまったかもしれないからな…」
「…お前は…これでよかったのか…?」
「うん、俺は自分のやりたいことをやった…。後悔はない…」
太郎はただ、自分のやりたいことを…他人のためになるようなことを…生き甲斐にしたかったのかもしれない。
あなたは…余命宣告されても、太郎のように他人の幸せ生き甲斐にして、残り少ない自分の命を捨てて他人を守れるのか…。それが自分のやりたいことなら、それでいいと思う。