大好きな人
暁香目線です。
私は今、花に囲まれている。
私を包み込むかのように周りは花々ばかり。
薔薇、マーガレット、スズラン、チューリップ、コスモス、百合、蓮。
数えきれない種類があるだろう。
息を繰り返すの。
すると、甘い甘い香りが鼻腔をくすぐる。
それだけで優しい気持ちが心に広がっていく。
―――――――気持ちいぃ・・・。―――――――――――
幸せな表情で、空を見上げる。
この地は静かで安全な自分の庭、部屋の様なものだ。
小さい頃から、ここで遊んで自然や動物と触れあってきた。
新しい生き物との出会いは新鮮な体験で、わくわく心が弾むことが多かった。
だから、自然がどれだけ素晴らしいかも理解できていた。
ポタッ・・・・
一滴顔を伝った。
それを機に、一つ一つと雨が地に降りてくる。
ゴロゴロ
遠くから地雷が聞こえる。
――――母なる大地が泣いている。悲しまないで・・。――――――――
雨に打ちつけられる。
どんどん激しくなっていく。
花の上にしゃがみ込む。
そして両手を空に掲げる。
神に誓う形で。
――――――母よ。大地に恵みを与えて下さりありがとうございます。
だけど、もう泣かないで。
きっと、きっと藍龍神が慰めてくれるはず・・・・。――――――
何時間、何秒立ったのか分からなくなった。
暁香は幼いながらにも、大きすぎる力を授かって生まれてきた。
母は巫女妃だった力を増幅して生まれてきた。
だから、母は私を産み帰らぬ人となってしまった。
でもそれも関係なくすくすくと暁香は時間を架け育っていっている。
巫女が神と龍にお祈りするためには、莫大な体力が掛かる。
だが、暁香は次元の違う伝説の巫女姫の再来だと誰もが考えていた。
なにせ、祈るときに体力をまったく消費しなかった。
そして神の御心の声を誰よりも、明確に声を聴き、意思共通までもできた。
そんな巫女は100年前に存在していたという言い伝えがこの国に残されていた。
生まれ変わり。
確かにそうなのかもと自分でも考える。
夢に1人の女性が出てきて、私に危険なことを伝えてくれる。
女性を見ると、他人事とは思えない気分になる。
なぜ?
そう聞かれたらすぐ答えられる。
直観で。
そう感じる。そうなんだ。
自分で納得してしまうほどだ。
長く祈りを続けていると少しづつ雨が止んでいった。
四方八方をぐるりと見渡す。
花が水分を吸い取る。
木の葉が水を受けて、輝いている。
光輝いている。
世界が生き生きしてるのがわかる。
その場から立ち上がって水たまりを覗いてみる。
反射した水面にはきれいなアーチが写っている。
弾かれるように目に水色を見つめる。
すると七色の虹が堂々と現れている。
――――藍劉にも教えてあげようっ!!
少し湿った森の中に足を踏み入れる。
裸足で走る。
足から自然の鼓動を感じれる。
大地と自分が行進が取れてるのを確かめられる。
土を足の裏で踏み上げる。
水分を含んだ土はぐちゃぐちゃしてる。
そんなのは関係ない。
藍劉に会うことしか考えない。
はやく会いたい。
私の大好きな人・・・・。
読んで下さりありがとうございます!
引き続きお付き合いください!