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悪魔召喚の儀式

作者: 華城渚

時間は深夜三時。 家族はリビングにある部屋で寝ている時間帯だ。

起こすことのないよう、ゆっくりと二階から一階のリビングへ足を進める。


今から俺は悪魔召喚の儀式を行おうとしている。


この儀式はあまりに危険すぎるため自分一人でやる必要がある。

人が増えれば悪魔も増えてしまう。 それはよろしくない。

悪魔は一人で十分なのだ。


今日の儀式は盛大にやるつもりだ。

いつもよりも供物は大きいものを用意した。

この量があればきっと満足するだろう......


背徳感が背中を這いずり回っている。

まったく......いつも儀式をする前はこうなってしまう。

いつまで経っても慣れることがない。 まぁ慣れても面白くないがな。


リビングに着き、一度深呼吸をする。

心を落ち着かせ儀式に臨むための体を準備する。


落ち着け......いつも通りで大丈夫なんだ......

供物が大きかろうがやることは同じだ。

準備は......できている。


早速始めようじゃないか......!




棚からポテチ(のりしお)、冷蔵庫からコーラを取り出す!

机の上にポテチを広げる。コーラは贅沢にラッパ飲みだ!


いつもはどちらも普通サイズだが、今日は違う!

ポテチはBIGサイズ!コーラは2Lだ! 儀式を長く行うことができる!


目の前に見えるはまさしく悪魔...! 悪魔的光景だ......!

深夜三時にこんなことをして許されるのか...... 否!俺が許す!


ポテチを貪り食い、コーラをがぶ飲みする。

ポテチのほどよい塩味とコーラの甘ったるい味と痛いくらいの炭酸がのどを刺激する。

うまいなんてもんじゃない。うますぎるんだ。時間帯もいいアクセントになっている。


なぜ深夜に食うポテチはこんなにもうまいんだ。

なぜ深夜に飲むコーラはここまで喉を、体を刺激するんだ。

朝でも昼でも味わえないこの感じ。 なんと言葉にすればいいのだろうか。


今食べたら太るかもしれない? ばれたら怒られるかもというドキドキ感?

深夜テンションによる気持ちの高揚?


全てだ。その全てがこのうまさを引き立たせるスパイスになっているんだ。

どんなものも代わりになることが許されない魔法のスパイス。

もはや麻薬。 取り締まるべき中毒性のある甘美な劇薬。


止まらない......止まることは許されない......

儀式の時間はあっという間に終わりを迎えようとしている。

手にはびっしりとポテチのカスが付いている。

そのカスを俺はなめとり、少しだけ残っていたコーラで流し込む。


「ああ......至福だ......」幸せを体中でかみしめる。

いつまでもトリップしていたい。 だが現実に帰ってこなければいけない。

残念だと思いながらも、俺は明日の儀式はどうしようかと考えながら、今日の儀式の後処理を行う。だが、俺は少々時間をかけすぎてしまったようだった。




ガチャ......


その音を聞いたとき、背筋が凍る。

やってしまった......そう思ったときにはもう遅かった。

最後の最後に本当の悪魔に見つかってしまったのだった。



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